あなろぐ

ここは私の巣穴です。自閉症の息子のことや、好きな作品のことなどを書きます。
最近のハマリものはイ・ジュンギ。愛だぜ。

つきささる言葉

2004-11-06 09:38:56 | 自閉くんとの暮らし
アトピーで喘息で自閉の、いわゆる「社会的弱者」に属する息子をもっていると、心が敏感にならざるを得ないってところがあります。
障害があると恋が燃えたりするのと、実は同根じゃないかと思うのですが、障害によって「自覚的」になるからかもしれません。
アトピーと喘息のおかげで「衣食住」、特に「食」に自覚的になりました。
自閉のおかげで、「認識」とか「コミュニケーション」についてずいぶん考えてます。
今頃になって「認知心理学」で学んだことが「こういうことだったんだ」って思ったり。
(↑遅いって。)

「弱者」には、「一般健常者」の「無自覚」な言葉がつきささることがあります。
傷ついたとき、私は、誰かにぐちったり、それを言葉にして伝えることが苦手です。
ひとりで小さく丸まって、ひたすら傷の痛みをやり過ごすのに必要な時間、眠るように努めます。
いわゆる「ためこむ」タイプかも。

「自閉の子には、高学歴で内向的な母親が多いんだって」と言われたときも、そうでしたね。

「それは、現在では医学的に否定されてるんですよ」と、とっさには言えませんでした。
震えながらその場から逃げてくることしか、できませんでした。

多くの場合、人を傷つける言葉は、「想像力」の不足から出てくるように思います。

イラクの人質事件の被害者やその家族に向けられた言葉もそうです。報道されたことだけから、どうして見も知らぬ人に罵声を投げかけることができるのか、私にはわからない。それが自分の恋人、兄弟、子どもだったら、と想像することはないのでしょうか。
報道のあり方にも相当問題がありそうです。報道っていうのは、世界中に偏在する情報を取捨選択するものである以上、「ズームアップされるところ」と「フレームアウトするところ」の差が生まれるのは本質的にしかたないものですが、情報には偏りがあるものだってことを、報道を受け取る側は知っておく必要があります。
(インタビューを受けた経験がある方はわかると思います。記事になったのを見てびっくりしません? 普通の打ち合わせでも、議事録のまとめ方が下手だと、流れの中で言ったことを、部分だけ取り出したら趣旨が変わることもありますよね。)

報道の「ズームアップ」と「フレームアウト」のバランス感覚にも、問題を感じます。
そんなプライバシーを報道する必要ないだろう、と思うことも。
新幹線の安全神話がどうこうとかネガティブなことばっかり言ってないで、立て直そうと努力してる人を取材せんかい!(文句つけるだけなら簡単だぞ!)と思うことも。

ちょっと話がずれてしまいましたけど、報道関係者のさらなる研鑽を期待しつつ、弱い立場からも声をあげていけるように自分を励ます、ワタクシでございます。
なんだかうまくまとまらないけど、JyoriJyori's-Autism-World を読んで書いたので、トラックバックさせていただきました。

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3 コメント

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トラバありがとうございます!! (じょりじょり)
2004-11-06 22:27:26
「あなろぐ」管理人様、割りとデジタルな子を持つ低学歴低収入低身長の、ひょうひょうとした性格のじょりじょりでございます!



あちらこちら読ませていただきましたが、鍋のふたくるくる回し(忘れてました~けどやってました♪) 床屋さんくるくる、その他いっぱい似てるところがございます。お子さまは我が家の息子と3歳違いかしら。



これからもよろしくです!



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言葉なしでも、突き刺さる態度。 (ぱんまりパパ)
2004-11-07 02:46:13
『多くの場合、人を傷つける言葉は、「想像力」の不足から出てくるように思います。』



耳が痛い言葉です。いつも他人には、「ちょっと考えたら分かる事やのに、何でそんな事口に出して言うんかな(orするんやろな)!?」的な文句を言ってる自分が、果たして「想像力」が足りてるのか?疑問です…。しかし、障害児の親となってからは、そんな言葉達に敏感になってるのも確かで、聞き流せばいい事をくよくよ思い返して悩んだりしてます。

噂では新潟地震のマスコミの取材班は、現地で報道する事を最優先にして、ひとつも手を貸そうという姿勢が感じられないそうです。確かに正確な報道は最優先ですが、今助けを求めている人を前に冷静にカメラを向けるだけしかしないのは、「人間としてどうか?」という疑問が残りますね。
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Unknown (ねこ飯)
2004-11-07 18:01:52
>「自閉の子には、高学歴で内向的な母親が多いんだって」

その話、知っています。言われたのではなく本で読みました。書名まで覚えていないのですが、たしか、モンテソーリかシュタイナー関係の本だったと思います。

本の中では、高学歴な親が、"目立つ"とありました。

「なんとか子どもの障害を軽くしたいと色々な医者や病院を巡り、その障害にたいして医学的に理解し、医学的に裏づけされた療育を望む親御さんには確かに高学歴の方が多い。目立つが故に多く感じる」と記述されていたという記憶があります。





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