あなろぐ

ここは私の巣穴です。自閉症の息子のことや、好きな作品のことなどを書きます。
最近のハマリものはイ・ジュンギ。愛だぜ。

百年の恋

2010-07-27 05:31:04 | 読書メモ
篠田節子『百年の恋』(朝日新聞社 2001年刊)

『絹の変容』があまりにも怖かったので、口直しに読みました。
これは、さくさくっと読めます。

「百年の……」というのはガルシア・マルケスの小説タイトル「百年の孤独」のもじりでしょうか。
谷川俊太郎の「二十億光年の孤独」ってのもあったね。
「二十億光年の孤独」の中にこんな一節がありました。
 >万有引力とは
 >ひき合う孤独の力である
 >宇宙はひずんでいる
 >それ故みんなはもとめ合う

この『百年の恋』は、恋愛小説ではなくて、いわゆる「百年の恋も醒める」方の「百年の恋」なわけですが。
「ひずんでいる」男女が、それ故に求め合ってしまったところから始まります。
オタクで年収200万、生活ギリギリなライター、真一と、銀行の国際営業開発部づとめのキャリアウーマン、33歳にして年収800万の梨香子が、取材を通じて出会い、結婚するのですが、その後のドタバタした日常を、コミカルに描いた佳作。

仕事人間な梨香子が家事を顧みない(というか、家事に無能な)ありさまは壮絶です。
梨香子、掃除ができない人で、とても他人とは思えません(笑)

梨香子の家事無能ぶりは誇張があるにしても、いかにもそういう人いるいる!と思いましたし、真一の純情といえば聞こえはいいけど、ただの少年が年くったようなあり方もリアルで、面白く読めました。

梨香子って家事はできないし、子どもっぽいところもあるけど、可愛い女性で、割と好きです。
真一は夫としては嫌だな~! 夫が不満たらたらで家事をするのってイヤ。
家事をするなら恩着せがましくなくやってほしいし、しないなら口も出さないでほしい、と思います。

家事って今は便利な道具がいろいろあるので、基本、夫婦二人で生きていくだけなら難しくないけど、そこに子どもが生まれるといろいろとねえ。
梨香子と真一の子どもが小学生くらいになったところのドタバタも読んでみたい気がします。
小学生ってPTA関係がけっこう面倒くさいからねえ。

二ノ宮知子さんとかが漫画化しても面白そうです。
「のだめ」のイメージで。
あ、この小説の真一は、千秋センパイみたいにカッコよくはありませんけどもね。

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2 コメント

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ドキッ! (みゅーず)
2010-07-27 06:28:11
「掃除ができない人」まさに私です(((^^;
炊事洗濯は嫌いではないのですが、掃除は・・嫌いと言うより苦手です。

「百年の孤独」・・と言うと私が思い出すのは
宮崎の焼酎です(爆)

それにしても、素晴らしいです。
いつ、本を読まれているのでしょうか?
仕事に家事と子育て、更にDVD鑑賞・・その合間に読書まで。

虫系は遠慮しておきますが、今回の小説は読めそうです^^
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焼酎! (春花)
2010-07-28 05:33:03
「百年の孤独」……素敵な名前の焼酎があるんですね。
酒屋さんで売ってるかな。
お酒っていろんな名前ついてますよね。

掃除ができない人……たぶん私が上手です。
苦手だし、嫌いだし、ホコリのアレルギーまであるんだもん……。
でも結婚する前に、ちゃんと自分は掃除が嫌いだと告白したから、いまさら文句は言わせん(笑)

読書は細切れ時間や移動中にしてます。
例1.通勤中、開かずの踏切で。車にはたいてい、イライラ防止のための本が積んであります。
例2.新幹線や飛行機で移動中に。
例3.テレビを見ながら。(CM中は本に専念してるので、CMのことは人に驚かれるくらい無知です。)
つまらない番組だと、いつのまにか本に熱中していて、気づいたら終わってたりします。
番組のおもしろさのバロメータです(笑)。
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