我愛李準基。

「イルジメ」５・６話、「犬とオオカミの時間」３・４話、あと、「素顔のイ・ジュンギ」というこっぱずかしいタイトルのメイキングＤＶＤを借りてきました。

「素顔のイ・ジュンギ」は、２月頭に店頭でみかけた時は、まだ、「私はイルジメが好きなのであって、イ・ジュンギにやられてるわけではない」と思いたがっていたため、借りず。
翌週には、素直にならなかったことを後悔していましたが、その時は今度はレンタル中（苦笑）。今回は借りてきました。やはり自分の心に嘘はつけないね。

心に嘘はつけないのですが、私はけっこう日ごろ、熱しにくく冷めにくい性質で、こう嵐のごとくハマるのは、初めてとは言いませんが、２度目のことで、ちょっと自分で自分に戸惑うというか…。だってピアスつけた男なんて、今まで埒外だったんです…。
cf.「恋はいつでもハリケーンなのじゃ！」(ｃ)ONE PIECE

そこで、ジュンギのどこが好きなのか？ちょっと自分の気持ちを整理しておきたいと思います。
（我ながら、めんどくさい女…。独り言だと思って読み飛ばしてやってください…）

●メンタルバランス
たぶん最初は、このヒトのメンタルバランスが知りたい！と思ったんですね。
「王の男」で一夜にしてスターになっ（てしまっ）た重圧を、どのように乗り越えているのか。
自分の人気はバブルだ、と思いつつ、なぜファンをこんなに愛しているのか？　それは矛盾ではないのか？　ということも。日本のファンからダンボール15箱分の千羽鶴を贈られた時、彼が本当に感動していることに、私は驚きました。「棺に持って入る」と言ったのは冗談かもしれないけど、たとえ冗談でも、そういう言葉が出てくるところがね。
昔、チェッカーズがブレイクしたときのフミヤも、自分たちの人気はバブルだと思うと言っていました、それがクールでかっこいいなと思ったのを覚えていますけど、ジュンギの場合はクールっていうのとは違う気がするんですね。
どうやってバランスをとっているんだろう。この人懐っこい人が、スターの孤独と。

●火のような情熱
とても情熱的な人。
海外ファンを狙った詐欺ツアーがあると聞いて、本気で怒ってくれたり。
（ちょっと物騒なことも言ってました…）
不条理には「怒り」、自分の仕事には貪欲でどこまでも伸びていこうとし、かつ、未成熟な自分への慎みも忘れない。
老成しているかと思えば子どものようにいたずらっ子で、ああやっぱり、メンタルバランスなのかな。
情熱的っていうことについては、彼は韓国南部の釜山（プサン）の出身ですが、典型的な慶尚道（キョンサンド）の男だということです。
慶尚道男…日本でたとえるならば、九州男児、それも肥後もっこすか薩摩隼人か、っていう気質なんですって。


＊以下、最近読んだ文章の中から。

井上俊氏は『遊びの社会学』の中で、
「ゲームは、involvementの反面で、自己統制を保つクールな精神をプレーヤーに要求する」だとし、
リーマンとスコットの論文から「coolnessとは……危機的な状況において自己統制の利いた渋滞のない仕方で振る舞う能力」と引用したうえで、
「真に必要なのはむしろ、当事者として状況にかかわり、まきこまれつつ、しかもなお冷静さを失わないこと、人やものや観念に愛着しつつ、その愛着が妄執や固定観念におちいらないだけの自己抑制をもつこと――つまりinvolvementのなかでcoolnessを保つことではないだろうか」
とありました。
「すぐれたプレーヤーは決して偶然性への敬意を忘れない」とも。
「これってジュンギのことね！」

中島敦の「悟浄歎異」では、三蔵法師と悟空の共通点について、次のようにあります。
「その生き方において、共に、所与を必然と考え、必然を完全と感じていることだ。さらには、その必然を自由と見なしていることだ。金剛石と炭とは同じ物質から出来上がっているのだそうだが、その金剛石と炭よりももっと違い方の甚だしいこの二人の生き方が、共にこうした現実の受け取り方の上に立っているのは面白い。そして、この「必然と自由の等値」こそ、彼らが天才であることの徴（しるし）でなくて何であろうか？」
これも「これってジュンギのことね！」と思ってます。

西部邁氏も
「恐怖をくぐりぬけたうえでの安心でなければ本当の安心とはいえないし、残酷にたちむかったあげくの優しさでなければ本当の優しさとはいえない」
と言ってました（『生まじめな戯れ－価値相対主義との闘い』筑摩書房）。
これもジュンギのことね

これから、年を経ることが楽しみな人です。
いっそアイドル的な人気なんか、早くなくなればいい、と思っても、彼のファンの多くは、きっと違うところを見てるから、なくならないだろうな～。
今まさに成熟しようとしている男。
もって瞠目すべし。