さんぽ。

ひよ之介　：「兄さん、こっちでええんかぁ？　オレら大体のカンで歩いてるけど・・豆蔵の店ってどこか知らんし。」


川たろう　：「ええやろ。“すべての道はローマに通ずる”って言うがな。考えようによったら、全ての道は豆蔵の店にもつながっとるで。」


ひよ之介　：「ここ野っ原やで。テキトーに歩いてたら・・どこ行くかわからんで。」


川たろう　：「あかなんだら・・アカンかった時のこっちゃ。散歩やと思ったらええがな。の～んびり行こうや。方角的には合うとるやろ。」


ひよ之介　：「そやね。疲れたら寝転んだらええしね。だーらだら喋りながら、好きなように歩いたらええんやなー。」


川たろう　：「・・なあ、師匠。」


ひよ之介　：「なんでんねん？」


川たろう　：「全然関係ないねんけど。白ごはんに醤油かけて食うたら旨いと思わへん？」


ひよ之介　：「あれは旨いな。そやけど、あれやったら、オカンに怒られるやろ。」


川たろう　：「せやねん。行儀悪い言うてな。かつお節に醤油をポトポトっと垂らして、白ごはんとぐちゃぐちゃーっと混ぜた、ネコのご飯みたいなやつも旨いやろ？」


ひよ之介　：「あれは最高やなー。あれはおかずがいらんわ。ご飯に味噌汁かけてな、その上からかつお節をパラパラっとかけて食うのも旨いで。」


川たろう　：「あー、ネコまんまな！　最高や！　でも、どれもオカンが怒りよんねん。行儀悪い言うてな。」


ひよ之介　：「汁かけ飯が行儀悪いっちゅうのは、誰が言い出したんや？」


川たろう　：「オレもそれが疑問やねん。そもそも戦国時代とかやったらな、汁かけ飯が普通やったらしいで。」


ひよ之介　：「どこからどう変ったんやろな。ところでな、ご飯にソースかけて食うやつ居てへん？」


川たろう　：「居てるで。ご飯にマヨネーズかける奴もおる。」


ひよ之介　：「あれはイカンな。キモイな。」


川たろう　：「ご飯に味噌汁かけんのはええけど、チキンラーメンの中にご飯入れる奴も居てるやろ？」


ひよ之介　：「あー！あれな！　“貧乏人の定番”と言われるメニューな。　あれもやる人は旨いって言うけどな。」


川たろう　：「でもな、世間にはもっとスゴイ事やるヤツが居てるんとちゃうか？」


ひよ之介　：「おるかもな。・・こう、予想だに出来んような事をな。」


川たろう　：「人に知られると恥ずかしいようなの、とかな。」


ひよ之介　：「オレ、弁当とかのご飯の上にのっかってるタクアンどけた時に、ご飯に黄色い色がついてるトコあるやん？あれ、好きやねん。」


川たろう　：「それ、恥ずかしいで。」


ひよ之介　：「やっぱり？」







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