「粗筋、プロット、レジュメのたぐいは全く用意しないという、ものぐさでいい加減なぼくといえども、完全な行き当たりばったりで、筋書きを全く思い描かないということはありません。
たとえば、浅見が行動を起こせば、どこへ何をしに行くのか、誰と会うのかといった想定は、当然します。
現行枚数にして2、3枚から2、30枚程度の近未来のことは、漠然とではあっても、一応考えながらワープロのキーをたたいているのです。
そうして物語を先へ先へと書き進めながら、謎めいた事件や出来事、伏線らしきものを散りばめてゆきます。
この作品で言えば、布引の滝に現れた怪しげな男や、尾形光琳の絵や、「赤井寺、白い犬」のメッセージなどがそれです。
前期の謎の女性や、松村という人物の失跡等々、自分でもわけのわからない事柄を次々と掲示していくのです。
実際、この段階では、僕はそれらのファクターが持つ意味について、ほとんど認識していないと言っていいのです。
いわんや、誰が犯人であるとか、動機は何かなど、知ってるはずがありません、、、」
というようなことがどの本にも自作解説として書かれています。
それで、こんなにも複雑で味のあるストーリーが出来上がるなんて!!!
内田さん、浅見さん、素敵です
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