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東急バスの値上げ=川崎市内運賃廃止の背景について

東急バスは、2023/11/30付で均一区間の一般路線バス全線の値上げを申請しました。実施日は2024/3/24の予定です。

https://www.tokyubus.co.jp/news/422bc41d4e4cc9b85d83862b33516a4f666c0cb1.pdf

値上げ後の均一区間運賃は全て230円ですが、東京都内および横浜市内が「上限運賃変更認可申請」なのに対し、川崎市内は「実施運賃変更届出」と扱いが違います。

これは、東京都内および横浜市内については「現行の上限運賃=実施運賃が220円であり、今回の申請で(さらなる値上げを容易にするため)上限運賃を250円にした上で実施運賃を230円にアップする」のに対し、川崎市内についてはこの3月16日に実施した値上げの段階で「上限運賃が230円、実施運賃が220円」となっているからです。

リリース文にあるとおり、川崎市内均一運賃は長らく東京都内・横浜市内よりも10円安く設定されており、その分収益が圧迫される結果になっていたのを、今回解消するわけですね。2019年10月の消費税率アップの段階では首都圏の事業者は転嫁分のみの値上げに留めており、川崎市バスのみがさらに上乗せ値上げしようとして失敗した顛末は2023/2/12付ブログ記事「川崎市内のバス均一運賃の値上げの顛末について」に書いた通りですが、当時の東急バスのリリース文によれば確かに

<東京都内>現行:【現金】220円【IC】216円  改定:【現金】220円【IC】220円
<川崎市内>現行:【現金】210円【IC】206円  改定:【現金】210円【IC】210円
<横浜市内>現行:【現金】220円【IC】216円  改定:【現金】220円【IC】220円

となっています。

首都圏においては関西など他の多くの地域と異なり「同一区間同一運賃を原則とする」考え方はなく、これにより川崎市内を走る他のバス事業者(川崎市バス、川崎鶴見臨港バス、小田急バス)との運賃に差が出ることは問題にならないことでしょう。

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