国道169号は紀伊半島の南北を縦断する道路の1つであり、奈良県吉野地域(桜の名所で知られる吉野山など)と橿原市を結ぶ唯一の幹線道路となっています。
ただ、吉野地域と橿原市の中間にある高市郡高取町内で、他の国道と接続せず孤立状態になっているバイパスが存在します。
Mapion地図はこちら ※該当箇所のGoogleMapは実情を反映していません
この「高取バイパス」は、本来高取町清水谷地区で現在の国道169号と接続する計画のところ、工事の遅れで北側区間のみを2012/4/20に先行開通させたまま10年以上が経過しているものです。
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北側は計画上でも県道35号奈良橿原線との交点で終わっていますが、この県道を介して京奈和道御所ICと接続し、橿原市中心部を通らずに吉野地域と奈良県北部や大阪府が結ばれ、かつ橿原市から高取町にかけての国道169号の渋滞が緩和されるという効果が期待されています。
高取バイパスの全区間3.4kmは暫定2車線の道路として1998年に事業化されました。うち地元との協議が整った北側区間については2000年に用地買収が開始され、翌2001年から工事が始まり2012/4/20に開通しました。これにより下土佐交差点(近鉄壺阪山駅南東)付近の交通量が減少する効果が得られました。一方、南側区間は「地元との施設の機能復旧に関する協議が難航したため」用地買収の開始は2012年度にまでずれ込み、途中にはトンネルもあることからそれから10年経過しても未開通のままとなっています。
そして、2022/11/25付でようやく「2025年度中に開通見込み」との発表がなされています。
https://www.pref.nara.jp/secure/286594/R41kyouyouyoteikasyoitiran.pdf
https://trafficnews.jp/post/123021
高取町清水谷地区の国道169号現道の接続部のストリートビューには、2023/4時点で高取バイパスが現道を越える部分の高架橋が完成し、これから現道と接続する部分の工事に着手するという状態の画像が記録されています。同じ場所の過去のストリートビューを見ると、2013/10時点では高取バイパスの完成予想図の看板が立てられているだけの状態、2017/12時点では高取バイパスが現道を越える部分が一部のみ拡幅された状態、2019/9時点では完成予想図の看板のあたりで工事の準備が開始された状態の画像がそれぞれ記録されています。
さて、私は2024年1月下旬に「孤立状態の北側区間」の状況を見てきましたので、追って報告します。
(つづく)