先日JR米坂線の鉄道と代行バスに乗車してきましたが、列車が運転されている中郡駅と羽前小松駅(いずれも川西町内)の間で、線路から200mほど東でバイパス道路を工事中なのを確認しました。盛土が完成してこれから道路本体の整備にかかる風情でした。GoogleMapの航空写真でも明確に分かりますが、これは国道287号米沢長井道路の一部である「米沢川西バイパス」です。
米沢長井道路はWikipediaの項目になっていますが、まだ内容に乏しく、「米沢北バイパス(2004年事業化~2023年全通)・米沢川西バイパス(2016年事業化)・川西バイパス(2012年事業化)・長井南バイパス(1997年事業化~2016年全通)の4区間に分け整備」というレベルのことしかわかりません。ただ、2023年度内に2区間が開通しており、ネットメディアでも若干話題になっています。
1.米沢北バイパスのうち2.8km区間が2023/12/2に開通→東北中央道米沢北ICと接続する開通済み区間0.6kmと合わせ全通
https://www.pref.yamagata.jp/325073/287bp/20231101.html
https://www.pref.yamagata.jp/documents/36985/287kyouyou20231101.pdf
2.川西バイパスのうち北側2.9km区間(I期区間)が2024/3/9に開通→同日開通の国道113号梨郷道路(新潟山形南部連絡道路の一部=2022/2/22付ブログ記事参照)と長井南バイパス区間を一部介して接続
https://www.pref.yamagata.jp/325073/287bp/20240215.html
https://www.pref.yamagata.jp/documents/38739/20240215.pdf
残りの区間の全体像(詳細な路線図、現状の進捗、今後の見通し)については山形県公式サイト内を探してもわかりませんでしたが、国土交通省のサイトに「再評価結果(令和4年度事業継続箇所)」として掲載されていました。
https://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-hyouka/r3sai/2_r3_143.pdf
2021年時点(長井南バイパス全区間と米沢北バイパスのうち0.6km区間のみが開通済み)で総事業費は約375億円と見積もられており、用地取得率約78%・事業進捗率約63%となっています。
そして、2023年度末時点で未開通の区間の進捗については、情報がかなり乏しくなっています。
3.米沢川西バイパス
山形県公式サイト内に、2021年度初め時点に作成されたと思われる資料が存在します。
https://www.pref.yamagata.jp/documents/26796/08chuu.pdf
2020年度末時点では米沢北バイパスに接続する側の900m区間で用地買収済であり、2021年度は新たにその西側の1400m区間で用地買収および工事にかかるように書かれています。ただ、2024/3/24時点では用地買収および工事はさらに北側(米坂線との並行区間)まで進んでおり、手付かずは残り1kmを切っているように見受けられます。冒頭に記したURLのGoogleMap航空写真を北にシフトさせると確認できます。
4.川西バイパスのうち南側2.8km区間(II期区間)
こちらも、山形県公式サイト内に、2021年度初め時点に作成されたと思われる資料が存在します。
https://www.pref.yamagata.jp/documents/26796/09chuu.pdf
2021年度は川西バイパスII期区間のうち510m区間で載荷盛土工事、1060m区間で用地買収を行う予定になっていました。この時点での未着手区間はその後も用地買収に難航しているものと思われ、該当区間のGoogleMap航空写真を見ると完全に道路予定地のラインが途切れている区間が見受けられ、公道との交差部分の2023/7時点のストリートビューで「北を見れば盛土があるが、南を見れば田んぼが広がるのみ」という例もあります・・・こちら 川西バイパスII期区間に対応する国道287号は川西町の中心部を屈曲しながら突っ切る形となっており(GoogleMapはこちら)、米沢長井道路全体の中でももっともバイパス建設が望まれる区間のはずですが。
<4/1追記>
3および4で紹介した資料は、山形県の公共事業評価(令和3年度事業中評価対象事業)用の資料でした。
同時に評価された米沢北バイパス分の資料によれば、
https://www.pref.yamagata.jp/documents/26796/07chuu.pdf
2020年度末時点でまだ約1.5km程度が「R4年度以降工事予定」とされていたものの、「基層まで完成」の但し書きがあり、それ故に早期に完成に漕ぎつけたものと思われます。
<4/2追記>
2で紹介した川西バイパスI期区間開通のリリース文をよく見ると、「事業期間 平成 24 年度~令和 10 年度」の文言があります。つまり、山形県当局は「川西バイパスII期区間の開通にはあと4年以上かかる」と踏んでいるわけですね。次に川西バイパスII期区間および米沢川西バイパスの進捗状況に関する情報が公開されるのは「次に米沢長井道路が県の公共事業評価の対象となるタイミング」と思われますが、果たして令和6年度は対象となるでしょうか?