私の母は私が20才(大学2年)の秋に亡くなった。
その時、看護師さんたちには、
言葉に尽くせないほどよくしてもらったので、
今もTVなどでそういう番組を見ると看護師になりたかったと思う。
しかし私は音大に進学していて、
巨額の・・・まさに巨額の学費を出してもらい、
高校時代にもレッスン代を月に何万円と出してもらっていたし、
母は私が音楽教師になることを望んでいた。
なのでその時点で大学を中退して、
看護師になりたいとは言い出せるはずもなかった。
そしてその後、
私は大坂府の中学校の教員採用試験に受かってしまった。
ただ母が亡くなって父と姉との三人暮らしになると、
私が赴任地の学校へ勤めてしまうと、
姉にほとんど自由度が無いことになってしまうということに悩み、
結局は地元のY音楽教室のピアノ講師になった。
父も「ピアノなんかで飯が食えるか!」と反対していたので、
この就職は喜んでくれたし、
今さら看護師になりたいとは到底言い出せない。
しかも私自身ピアノ講師の職も嫌いではなかった。
でもこうして半世紀以上生きてきて自分を振り返ると、
20代の時のほんの何年か後戻りしたってよかったのにな・・・と。
くぅ