メメント・モリ

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問題集:司法試験短答過去問肢別本 辰巳法律研究所

2004-09-30 22:16:06 | 司法試験:問題集
 今日は肢別本の紹介です。
 肢別本は賛否両論で「使うな」という人と「使ってよかった」という人と様々です。要は使い方次第だということです。
 とある1回合格者は「肢別本なんか要らない、択一式受験六法を100回読んで覚えればいい!」といっていましたが、こういう意見は参考になりませんね(覚えられるかっ!)。

 肢別本がもっとも威力を発揮するのは民法です。民法はもっとも知識量が多いので、手っ取り早く本試験の既出知識を肢別本で暗記できるからです。
 たまに「肢別本で今年は14点取れた」とかいうような意見・報告を目にしますが、これはアテにしてはいけません。こういう意見を聞いた何も知らない初学者は、あたかも肢別本の肢がそのまま出るかのようなイメージを持つでしょうが、現在そのような状況は少ないです。肢がそのまま出るのではなく、過去に聞かれた判例、条文、論点やそれらに付随するものが形を代えて聞かれることを取り上げて、何点取れるという議論をしているので注意が必要です。したがって、肢別本でよく聞かれる知識領域については、教科書に戻って定義・論点・判例を確認する丁寧な勉強が効果的です。
 
 とはいえ、肢別本はいつでもどこでも手軽に択一の演習ができるので、使い方によっては教科書ベタ読みよりよっぽど有意義に時間が使えます。特に、民法は知識の拡充が得点力に直結するので時間が許すなら使うべきでしょう。
 ただし、そのまま使うと量が多すぎます。当たり前の知識・常識的な肢はどんどん削って以後見ないように消しましょう。なお、ここで注意が必要なのが「常識」の尺度です。学習し始めの頃は感覚的に結論を判断できたことも、数々の条文論点判例などで法律的な価値基準を学んだあとでは結論が変わることもしばしばあるからです。したがって、常識的に正解できると考える肢も、理由があやふやなら、しばし保留してまたあとで確認しましょう。

 また、2度目からはその結論がどの条文、判例といった理由から導かれるのか、を覚えておきましょう。余り理由がはっきりしない場合にはその肢は不要です。

 憲法については現在の傾向からすれば、肢別本はあまり効果ありません。しかし、憲法は傾向がコロコロ変わりますので、保険の意味で軽くといておくといいかも知れません(私の場合、その保険は5年間効果なしでしたが、平成13年の知識型なら肢別が威力を発揮してくれるでしょう)。

 刑法はいらない。