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GreeneryPark日記

-おとなし おっと@管理人の日々のつれづれ-

観劇『楽園』

2013-08-25 | 演劇鑑賞
劇団スイセイ・ミュージカル公演。
11月に観たもの。

長いこと観劇した後の感想を書いていないことに気がついたので、
思い出しながら書いてみようかと思う。
その日のうちだと興奮していてまともに書けないからと、翌日に回したら、
書くこと自体を完全に忘れるというのを繰り返してしまった。



○あらすじ
1941年のハワイ。
日本から移民した住民たちは、日本の文化を大切にしつつ、ハワイを開墾して暮らしていた。
日系二世にある星司は、森でハワイアンの女性レイラーニと出会う。
レイラーニは村の長の拾われ子だが、特別な力があるとされていて大切にされていた。
惹かれていく2人を見守る星司の妹と友達。
だが、戦争が近づいてきてとうとう真珠湾攻撃が起こる。

普通ならその時、レイラーニはその辺りにはいないはずだったが、
義理の姉のために赤い花を摘みに行っていた為、すぐ近くで空襲を受ける。
幸いにして助かったが、義理の姉の婚約者がレイラーニをかばって死んでしまう。
実際には婚約者がレイラーニに下心があって花摘みに連れてきていたのだけど、
身重の姉の心を慮り、母親は2人は別の所で発見されたことにする。

一方、日系人たちは監視の眼が厳しくなり夜間は外出許可書がないと外出が出来なくなる。
星司の父は日本語学校の校長だっため牢獄に捕まり病に倒れてしまう。
星司や友人は、アメリカ軍の第442連隊に志願することになる。

星司の妹は、兄からレイラーニへの手紙を届けに行くが、
レイラーニの姉に酷いことを言われ、感情のままに婚約者の死の原因を暴露してしまう。
以前からレイラーニを疎ましく思っていた義理の姉は、レイラーニを激しく憎み、
星司が死んだという手紙を偽造する。

その後、星司は片腕をなくして帰郷する。
一緒に出兵した友人は亡くなってしまった。
レイラーニの元へと急いだ星司は、レイラーニが祈りをささげる岩場へと向かうのだが……。


○感想
ハワイ史を専攻している日本女性がハワイに着いたところから始まって、
老人となった星司の妹から昔の話としてこの話を聞くところから始まっている。
この日本女性はレイラーニの生まれ変わりっぽい。
最後にまた現代に戻ると、星司の生まれ変わりじゃないかという青年が出てくる。
悲惨な話の救いの部分だったかな。

観劇『怪談 牡丹灯篭』

2012-09-23 | 演劇鑑賞
『怪談 牡丹灯篭』を観に行った。

○あらすじ
江戸時代。
浪人である新三郎に一目ぼれした直参旗本の娘のお露は、
恋焦がれた挙句亡くなってしまう。
お露の女中のお米も後を追うように亡くなる。
お露が亡くなったと聞き悲しむ新三郎のもとを、
お露とお米が牡丹灯篭を手に夜に訪れるようになる。
亡くなったのは人違いだったかとはじめは喜んでいた新三郎だったが、
一週間後、長屋の店子の伴蔵にお露たちが幽霊であることを教えられ、
知り合いの医者には、このままでは死んでしまうと言われた。
お露たちの墓とそこに飾られた牡丹灯篭を確認した新三郎は、
僧侶から御札と仏像をもらい家中に貼って幽霊が家に入れないようにしてしまった。
ところが、伴蔵とお峰は、お米に何度も頼まれて百両と引き換えに、
仏像をすり替えお札をはがしてしまう。
翌朝、新三郎は死んでしまった。
後半は伴蔵とお峰のその後の因果応報。

○感想
会場につくまで忘れていたのだけど、今回の劇は人形劇だった。
人形といっても顔は人間より大きくて四頭身くらいという、
小柄な女の人と並ぶと身長があまり変わらないようなかなり大きな人形。
黒子(俳優?)が人形の後ろについて操りながら声を出している。
(黒子なら黒子で、完全に布で覆って欲しいなと思った。
 明るい所だと首筋が見えるのがちょっと気になったかも。)
人間がやると生々しくなるドラマだけど、人形だから比較的ライトに見られる感じだった。

帰宅してから調べてみたら、『牡丹灯篭』の話は本当は結構長いらしい。
今回は、故六代目三遊亭圓生が話す落語という形を取っていたので、
「お露新三郎」「お札はがし」「お峰殺し」のみにしたのだと思う。
本来は、お露の父親の妾のお国と、その愛人の源次郎の話や、
忠臣の孝助の敵討ちの話が絡んでくるのだけど、
孝助の存在が消えた脚本となっていたらしい。
道理でお国の扱いがよくわからないと思った。

観劇『東京原子核クラブ』

2012-07-06 | 演劇鑑賞
「東京原子核クラブ」(俳優座)の公演を見た。

○あらすじ
戦争の色が徐々に濃くなってきた東京にある下宿。
住人たちは理化学研究所に勤める若い物理学者たち、
気難しい劇団の脚本家、ドラマティックな女性のダンサー、
強面で博打打ちのピアノ弾き、東大の野球部に所属する学生。
母屋には大家と娘が住んでいる。
物理学者の1人である友田は、東京のレベルの違いに打ちのめされて、
実家のある京都に帰ろうとしていた。
だが、そんな折、友田の仮説が認められ、研究所に残る決心をする。
下宿の数年毎の状況を戦後まで描く。

○感想
友田は上司の西田博士に論文を机の中に忘れられて先に理論を発表されてしまい、
酷い味らしい合成酒で酒の味を覚えていた。
合成酒って実験用のアルコールか何かで作っているのかな?

下宿の人間たちは一癖も二癖もある人たちで、時には騒動を起こしながらも仲良くしている。
元ダンサーの富佐子さんは下宿を出たり入ったりを繰り返していて、
その度に職種や容姿や口調が様変わりしていて面白かった。
この人は戦後もしっかり生き抜いていくんだろうなあ。

戦争が始まると、軍部が原子爆弾を作れないかと打診してくるようになる。
友田は自分の研究している分野が武器に応用されることに不安を抱き、
タバコを吸うようになっていた。

友田のモデルはノーベル賞受賞者の朝永振一郎だったらしい。
湯川秀樹の名前が劇中に出ていて、ライバルのような口ぶりだったのだけど、
京都時代の同級生だったようだ。(湯川くんと言っていた。)
西田博士は仁科芳雄博士かな。(wikipediaを見ながら)

観劇『樫の木坂四姉妹』

2012-05-24 | 演劇鑑賞
演劇の鑑賞会で『樫の木坂四姉妹』(俳優座・公演)を観た。

○あらすじ
長崎の樫の木坂の古い家に住む三姉妹の元を定期的に訪れて写真を撮っているカメラマン(武正忠明)がいた。
三姉妹は原爆で被爆し、2000年の現在も被爆症状に苦しみつつ暮らしている。
長女(大塚道子)は穏やかな人で原爆体験の語り部をやっている。
次女(岩崎加根子)は奔放な人でアメリカにいた経験から英語の講師をしている。
四女(川口敦子)は生真面目な人で音楽の先生をしていたが今は家政を取り仕切っている。
居間にはピアノがあり、その上には家族の写真がいくつか飾られていた。
ピアノは四女が原爆で亡くなった双子の姉(三女)を思って買ったものだった。

○感想
テーマが重いのになかなか進展しないので、前半ちょっと退屈だった。
カメラマンの人の声が低音で素敵だった。
姉妹の性格は概ね若草物語を当てはめて想像してもらえればいいかと。
亡くなった母と長兄(特攻で亡くなった)や三女は音楽の才能があった。
四女にはそれほど才能はなかったのだけど、
三女を救えなかったことで自責の念に駆られ、音楽教師になった。
元々、四女は今ほど生真面目な性格ではなく、次女と似ていて勝気だったようだ。
似すぎている次女と四女はそりが合わず喧嘩してばかり。
長女はそれをいさめる役だがあまり効果は期待できない。
正直、次女が身近にいたら、私蹴り入れてるよ。
だらだらしているだけならともかく、勝手に人のお金を引き出して浪費したり、
怒られたら逆切れして責任転嫁してきたり。
家族にも打ち明けられないようなつらい過去があるのはわかったけど、
八つ当たり気味に喧嘩吹っかけるのは駄目だ。
あと、タイトルに入れてもらえなかった長兄の立場は……。

観劇『静かな落日』

2012-03-24 | 演劇鑑賞
『静かな落日』-広津家三代-(劇団民藝公演)を観に行った。

○あらすじ
松川事件。
1949年、福島の松川で起こった列車の転覆事件。
検挙された20名が冤罪であると作家仲間で親友の宇野に熱く語られた広津和郎は、
被告たちを救うために畑違いの法律を勉強しながら奮闘することに。
娘の桃子は父の手助けをしながら自らも作家として歩き始める。

○感想
事件のことは全く知らなかったのだけど、実在した事件らしい。
今もって未解決な事件。
広津和郎は戦時中は作家活動をやめていて、住んでいた家を転売して小さな家を買うことで、
差額を使って暮らしているような有様。
また、女性に手の早い人らしく、桃子の母親と別居したり(女性側から離婚拒否)、
女性(実質奥さん)と住んだり、他の若い女性と遊んだ後で嫌がらせを受けたりしていた。
正直、この人大丈夫なのかなあと思ったのだけど、
エンジンがかかったら本気で打ち込むタイプだったようだ。
どうやってアリバイを証明したのか無罪に持ち込んだのかが劇ではよくわからなかったのだけど、
wikiを見てなるほどあのシーンの台詞はこれを現していたのかと納得した。
できれば舞台中ではっきり言って欲しかったかな。
メインテーマが父と娘だったのでぼかしたのかもしれないけど。

http://wpedia.goo.ne.jp/wiki/%E6%9D%BE%E5%B7%9D%E4%BA%8B%E4%BB%B6/

観劇『フレディ』

2012-01-26 | 演劇鑑賞
『フレディ』(テアトル・エコー公演)の感想。


○あらすじ
フレディ(安原義人)率いるサーカス団は客の入りも少なく財政は火の車。
フレディはパトロンである女性のところにお金を出資してもらいに出かけた。
帰ってきたフレディは首尾よく行ったと団員には思わせて講演に向かわせたものの、
長年の親友であるパパ・ジゴは、パトロンが高利貸しのばあさんであることを知っており、
フレディは手ひどく断られて逃げてきてしまったことを打ち明ける。
どうしようかと頭を抱えながら支度をしていると警察がやってきた。
高利貸しのばあさんが殺されているのが発見されたという。
果たして犯人は?


○感想
これ、後始末どうするんだ。
というのが、一番最初に思ったこと。
今までのが嘘だったとなったら、フレディやサーカス団はどうなるんだろう。
息子(養子)のニコラ、サーカス辞めて法律家になりたいみたいだけど、
今のままだとどっちも無理だろうなあ。
頭はいいし口も立つのかもしれないけど怠惰すぎる。
贅沢な方に流されやすすぎるだろう。
まあ、2人とも頭が回る人たちだから、何とかするだろうけど。

入り口で劇団の人たちのお出迎えがあった。
一輪車や玉乗りなど本物のサーカス団のようだった。
劇中でも技の披露があって、すごい練習したんだろうな。

観劇『殿様と私』

2011-12-04 | 演劇鑑賞
演劇の鑑賞会で『殿様と私』を観た。

○あらすじ
明治19年の東京。
当主の白河子爵は西洋文明になじめず酒びたりの日々を送っていた。
ある日、白川家の家令の源右衛門は時代遅れとなったちょんまげを、
外務卿である井上馨の書生たちにからかわれてけんかになった。
怪我を負った源右衛門の姿に討ち入りをしようとする子爵だったが、息子の義知に止められる。
鹿鳴館で見事にダンスをして見せた方が効果的であると。
そこでアメリカ人のカートライト夫人をダンスの家庭教師に呼びダンスのレッスンを始める。
子爵には息子の他に娘の雪絵がいて、
ある事情から女学校にも行かずずっと家で過ごしていたのだが、
雪絵はカートライト夫人にあこがれて心を開いていく。

○感想
『王様と私』を下敷きにした作品なんだろうな。
家庭教師のカートライト夫人は日本の文化などに不満たらたらだし、
子爵は西洋文化を頭から拒否しているしでどうなることかと思ったけれど、
子爵が酒を絶ってからは結構上手くいって一安心。
殿様、案外、柔軟に適応しているじゃないか。
でも、家令のじいやが思った以上に頭が固くて、その最期にせつなくなった。
雪絵が一目ぼれしたラング大尉、ものすごく背が高くていい声だった。
でもこの人はプレイボーイだな、つきあっていたらまずいんじゃないか?
という悪い予想は見事に当たってしまった。
生まれつき足が悪く人目を気にして倒れるほどだった雪絵が、
夫人と一緒にアメリカへ渡ろうとするまでに強くなったのはすごいなーと思った。

観劇『族譜』

2011-05-26 | 演劇鑑賞
演劇の鑑賞会で『族譜』(劇団青年劇場公演)を観た。

○あらすじ
1900年代初頭。
日本名に改名することを朝鮮半島の人々に推進する係になった役人、谷。
地方の有力な地主に改名してもらおうと挨拶に行く。
地主には改名を断られて困惑するも、家族の歴史を記した族譜を見せられて感動する。
だが、谷の上司は強行に名字を変えさせようと、裏で画策していた。

○感想
毎年、1本は戦前から戦後の話が入るんだけど、その1本。
正直、苦手だ。
今年は9月にもあるんだよね。
はあ。

観劇『宴会泥棒』

2011-03-28 | 演劇鑑賞
24日、演劇の鑑賞会で『宴会泥棒』(劇団NLT公演)を見に行った。
劇団の方たちがご無事でよかった。
震災後で自粛ムードが起きたり、 いや、自粛しすぎずに経済を回した方が良いと言われたりもあって、公演がどうなるだろうと思っていた。
私の住んでいる辺りは、被害もないし、無理な節電をしても周波数の関係でほとんど意味がないし、経済を回した方が良いよねってことだろうか。
もちろん、ごく普通の節電は心がけているけれど。


○あらすじ
イタリアンコメディ。
ナポリの裏町のアパートに宴会泥棒とその家族が住んでいた。
宴会泥棒とは、結婚式などでどちらかの親類と思わせ、立派な祝辞を述べ、
高級な食材やワインを失敬してきて売りさばく仕事。
当人いわく自分の手並みは芸術らしい。
だけど、家計はいつも火の車。
劇場の化粧室係の姉、縫い物の内職をする妻、ダンスコンテストで優勝賞金を狙う息子、絵葉書を描く娘。
皆が必死に働いても、財布の紐を握る泥棒氏がお金を使ってしまい家賃を滞納している有様。
宴会泥棒氏は、金持ちの大佐として慈善家たちを自分の家へ案内し、
お金を出させようと一計を案じるのだった。

○感想
正直、人を騙すことに誇りを持つのはどうなんだと思ったけれど、
一家が逞しくカラッとしていて面白かった。
大団円でめでたしめでたしだったし。
しかし、隣人がちょっと気の毒。
そんなに悪いことしてないだろうに。


今回は当番だったので、搬入と搬出の手伝いをした。
劇団の若い方たちが運ぶものの指示をてきぱきと明るく出してくれた。
後でわかったけれど、裏方だけじゃなくて俳優として舞台にも立っていた方が結構いた。
こういうことがわかるのも、当番制の醍醐味。

観劇『てけれっつのぱ』

2011-01-24 | 演劇鑑賞
○あらすじ
劇団文化座公演。
明治14年。北海道の港町・小樽で惣菜屋を営む3人の女たち。
一緒に暮らしている3人は、別所という男の妾、妾の女中、そして正妻。
老練な女中の腕で惣菜屋は繁盛し、地域に溶け込んでいる。
何故、3人が開拓途上の北海道に来たのか。
そして、その人柄や愛情により集まってくる人々との悲喜こもごも。

○感想
実は3人とも別所が嫌いという状態なので、一緒に住めるんだなと。
(別所は札幌に住んでいると思われる。)
妾は元旗本の奥方だっただけあって上品で艶っぽく、
正妻は薩摩の女丈夫で薙刀を振ります姿は爽快だった。
女中は口は悪いけれど、温かみがあって嫌味に聞こえない。
女中の息子夫婦は癒しかな。
本当にお母さんのことを心配してついてきたんだなと。
車屋(人力車)の夫婦が威勢のいい江戸っ子で楽しかった。
ロビンちゃん、すごいよ! (車屋の嫁で髪結い。ハーフで金髪。)
「てけれっつのぱ」とは古典落語の演目『死神』で出てくる死神を撃退する呪文の最後の部分。
「あじゃからもくれん きゅうらいそ てけれっつのぱっ」と言っているような気がしたけど、早くて聞き取れなかった。
死神なんて追い払ってしまえ!

劇の後、別所役の方が、「諸悪の根源、別所役です」「薩摩出身の役なんですが、自分は長州出身なんですよね」と言ったのに笑ってしまった。