GreeneryPark日記

-おとなし おっと@管理人の日々のつれづれ-

観劇『東京原子核クラブ』

2012-07-06 | 演劇鑑賞
「東京原子核クラブ」(俳優座)の公演を見た。

○あらすじ
戦争の色が徐々に濃くなってきた東京にある下宿。
住人たちは理化学研究所に勤める若い物理学者たち、
気難しい劇団の脚本家、ドラマティックな女性のダンサー、
強面で博打打ちのピアノ弾き、東大の野球部に所属する学生。
母屋には大家と娘が住んでいる。
物理学者の1人である友田は、東京のレベルの違いに打ちのめされて、
実家のある京都に帰ろうとしていた。
だが、そんな折、友田の仮説が認められ、研究所に残る決心をする。
下宿の数年毎の状況を戦後まで描く。

○感想
友田は上司の西田博士に論文を机の中に忘れられて先に理論を発表されてしまい、
酷い味らしい合成酒で酒の味を覚えていた。
合成酒って実験用のアルコールか何かで作っているのかな?

下宿の人間たちは一癖も二癖もある人たちで、時には騒動を起こしながらも仲良くしている。
元ダンサーの富佐子さんは下宿を出たり入ったりを繰り返していて、
その度に職種や容姿や口調が様変わりしていて面白かった。
この人は戦後もしっかり生き抜いていくんだろうなあ。

戦争が始まると、軍部が原子爆弾を作れないかと打診してくるようになる。
友田は自分の研究している分野が武器に応用されることに不安を抱き、
タバコを吸うようになっていた。

友田のモデルはノーベル賞受賞者の朝永振一郎だったらしい。
湯川秀樹の名前が劇中に出ていて、ライバルのような口ぶりだったのだけど、
京都時代の同級生だったようだ。(湯川くんと言っていた。)
西田博士は仁科芳雄博士かな。(wikipediaを見ながら)


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