この映画については、音楽を担当している
村松崇継さんのブログで知って、
こうの史代さんの原作も読んでいた。
物語は、被爆から現在まで、
被爆者の三世代に亘る視点から、
原子爆弾の悲惨さについて、
実に優れたやり方で語っているもので、
まだの方は、ぜひ原作を読んでいただきたい。
映画は、Yahoo 映画などでもわりと好評のようだ。
確かに、映画としてのつくりがあまりよくないことを
引いたとしても、原作の良さをよく伝える佳作だ。
映画館は4割くらいの入りだった。
平日の昼間にしては健闘していると言えるだろう。
特に、既に多くの人が書いているように、
皆実さん役の麻生久美子さんが、はまり役で、
原作のキャラクター設定の素晴らしさ
(素晴らしい、という言葉は不適切なのだが)
をそのまま伝えていて、これはもう、
涙なくして観ることはできない。
皆実さんが原作から抜け出て来たようだった。
観終わった後、目が赤く腫れてしまい、
恥ずかしかった。
約1日経って、これを書いている今でも、
思い出すだけで、涙が出てきてしまう・・・
すごいことだ。
これだけで、十分に一見の価値はあった。
村松さんの音楽は、ハープの使われているメインテーマと
エンディングのピアノソロがかなり良かった。
ただし、他の、場面背景の音楽については、いまひとつ。
映画背景音楽として、重要な何かが欠けている感じがした。
場面を盛り上げる力になっていないような気がした。
耳あたりがよければよい、というものではないので、
武満さんの音楽などを研究してはどうか?
このページによると
広島、長崎での原爆による死者、<殺された>人の数は、
アメリカの教科書などでも、広島で8万人、長崎で4万人。
これは、投下直後数ヶ月くらいの死者数と考えられる。
日本からの数字としては、広島14万人、長崎7万人が
よく使われているらしい。
このほとんどが一般市民だ。
そして、その後、数十年、数世代に亘り、
多くの人が苦しんでいる。
南京大虐殺で日本軍は30万人を殺した、と言われているが、
(実際はもっと少なかったようだ)
そういう意味では、広島・長崎の大虐殺、
と十分に言える規模だ。
ちなみに、東京大空襲でも、10万人規模の
一般市民が殺されている。
いろいろ厳しい現実はあれども、
世界唯一の平和憲法保持国、
という日本の立場は、これからもずっと
守りぬいて行くべきだろう。
それが、世界唯一の被爆国である日本の、
人類史における歴史的使命だと、
月並みだが、思う。
映像的にどうこう、という映画ではないので、
DVDが出たら、家で一人のときに、
思いっきり泣きながらまた観たい^^;
それから、京花さんの子供時代役の笑顔が
とても輝いていたので(こちらは原作のイメージとは全く違うのだが)、
ネットで調べたら、小池里奈さんという人らしい。
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アーサン
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