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日々の寝言~Daily Nonsense~

EX_MACHINA(エクス・マキナ)

なんだか、気持ちは既に連休モードなのだが、
出かけられないので、
amazon prime video の無料映画の空間を
物色している。

エヴァンゲリオンの新劇場版を
見直したいのだが、今一つ食指が動かず、
EX_MACHINA (エクス・マキナ)という
AI もののサスペンス?映画を見た。

監督は、アレックス・ガーランドで、
どこかで名前を聞いたことがあるなぁ、と思ったら、
小説 「ザ・ビーチ」の作者だった。

AI が小説や映画に出てくると、だいたい
1)人間に反抗して、人間を支配しようとする
2)人間と恋愛する
3)人間と協力して問題解決する
のどれかになるのだが、
今回の作品は1)で、2)の要素も少し入っている。

*** 以下 ネタバレあり ***




ストーリーについては、
そもそもサスペンスがそれほど好きではないのと、
設定や結末は面白いけどありきたりな感じもあって、
それほど評価できなかった。

でも、映像はきれいで、作品の中に
ある種ペダンティックな感じで
散りばめられているものが印象的だった。

密室のホテルでの出来事なのだが、
まず、そのホテル自体と、
その周りの自然の景観が素晴らしい。

Google に聞いたら、ノルウェイにある
ジュヴェット・ランドスケープホテル
Juvet Landscape Hotel
というところだった。

このホテルのプロモーション映像と言ってもいいくらいで、
行ってみたくなる。露店風呂があるといいのだが。

AI を搭載した美しいアンドロイドを作るのは、
天才エンジニアのネイサンで、
情報検索サービス Blue Book の社長、という設定。

"Blue Book" は、論理実証主義のイギリスの哲学者
ヴィトゲンシュタインの「青本」で、
この本で導入された「言語ゲーム」は
映画のモチーフの一つになっていると思われる。

映画の中には、クリムトが描いた
ヴィトゲンシュタインの妹「マルゲリーテ」の
肖像画も登場する。

他にも、ジャクソン・ポロックの
アクション・ペインティングの代表作 No.5
も出てきた。

イデアとランダムの間を狙った作品で、
「知能」を象徴しているとも言える。

ネイサンは、自分の作った AI エヴァの能力を評価するために、
エヴァが、チューリングテストでエヴァを試すため
という名目で招待された社員ケイレブを利用して、
閉じ込められた状態から脱出できるかどうか、
という、ちょっとややこしいテストを設定する。

ところが、エヴァはネイサンの想定を超えて・・・

ケイレブがエヴァを試しているはずが、
青髭的なネイサンがケイレブを使ってエヴァを試していたわけだが、
最終的には、エヴァは、それらの枠のさらに外に出てゆく。

「知性」が本質的に持つブラインドネスと、
それを利用する「知性」。

人の想定を AI が超えてゆく、という意味では、
J. P. ホーガンの「未来の二つの顔」も連想される。

主人公の AI/アンドロイドは
エヴァという名前なのだが、
もう1人、キョウコという名前のアンドロイドが出てきて、
この役を演じていたのは、日系英国人ダンサーの
Sonoya Mizuno さんで、どちらも、とても美しくて、
存在感にあふれていた。

全体的には、印象に残る佳作だと思う。

こちらに、もう少し詳しい情報がある。
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