せっかく「満3歳児入園」という耳寄り情報を得たのに、
そしてせっかく良い幼稚園を見つけたのに、
<来春の転勤必至>という婿さんのことばで、あきらめなくてはならなくなって...。
でも、公開保育のときにもらった資料中の「ひよこルーム」に目を引きつけられたわたしです。
これは、その幼稚園に入園希望の1・2歳児を対象に、月3回開かれているプレクラスです。
4月から開催されているようですが、途中入会も可能らしい。
電話で申し込みをして、きのうが「お試し参加」でした。
初めての参加で、いろいろあいさつやら問い合わせやらしなくてはならない。
口下手な娘には荷が重い。
ふたりで行くのも何か違う。
ということで、わたしがひとりでマメを連れていきました。
4月から参加しているママさんや子どもたちは、きっと仲良くなっているんだろうなあ。
そういう集団に途中から入るって...娘にはハードル高いかなあ。
その心配は杞憂でした。
気持ちいいほどあっさりとした雰囲気なのです。
広々した部屋に20組近い親子がいて、それぞれ好きなおもちゃで遊びます。
お互い同士の交流はあまりなく、親子単位でこじんまりと遊ぶので気楽です。
これなら娘も大丈夫よね。
園庭で園児にまじって遊ぶのも自由。
マメはすぐに外に出てすべり台に向かいます。
何度もすべりながら「こうえんたのしいねぇ」とうれしそうです。
園長先生が近づいてきて、話しかけてくれます。
40代くらいの、優しく温かい雰囲気の女性です。
公開保育で顔を合わせているし、「ひよこルーム」申込み時の電話でマメの難聴のことも話しているので、わたしたちのことはすぐ認識してもらえたようです。
フレンドリーなあいさつやおしゃべりを交わしあったあと、娘のことを話しました。
「この子の母親は極度の口下手というか、一種のコミュニケーション障害で...」
「ええ、ああ、そうなんですね。公開保育のときに何となく感じていました。でもね、そういうお母さんけっこういるんですよ」
「ほんとですか?」
「ええ、色んなお母さんいますしね。うちではお母さんも含めてサポートする方針なんです。心配なさらなくて大丈夫ですよ」
胸にひたひたとこみあげるありがたさ、うれしさ。
この幼稚園に来春入園できたらどんなに良かっただろう。
でも、言っても仕方のないことは言わないことにしよう。
せめて3月までの半年間、「ひよこルーム」に楽しく通わせてもらおう。