孫娘は小耳症

孫娘(2021年4月生まれ)は左耳小耳症で両耳難聴です。
頼りない娘を支えつつ孫娘の成長を見守ります。

スポイトで吸い取る

2021-08-26 11:48:59 | 生後4ヶ月から

「このつらい気持ちを月曜日にお母さんに話したかったけど、お父さんがひとりで来たからガッカリした」と娘。

オーオーかわいそうにと髪をなでるわたし。

 

さあ、娘のこの落ちこみを何とかしてケアしなくては。

思いついた方法は以下3点です。

 

1)しばらく実家で過ごすように誘う

とりあえず、来週月曜から3~4日を提案すると、「ウン」とうれしそう。

 

2)児童館(子育て支援センター)的な居場所を見つける

「それなら、市からもらっているパンフレットがある」と言うので見ると、良さそうなところが見つかりました。

家から近くて週に2~3回参加できそう。さっそく電話すると、「いつでも来てください」とフレンドリーな対応。

娘もけっこう乗り気。(極度の口下手で人間関係能力も最低だけれど、人間嫌いではないので。)

 

3)「今から近所のスタバでお茶しよう」と誘う

猛暑でぎらつく太陽のした、赤ちゃんをベビーカーに乗せてお出かけ。

徒歩5分の大きなスーパーの一画にあるスタバ。

スーパーでアレコレ買い物をしてから、スタバでくつろぎのひととき。

スーパーでもスタバでもたくさんのひとに「赤ちゃん可愛い!」とほめられて、ようやく娘の顔にも明るい笑顔が。

 

ふーやれやれ。

帰るころには大分元気になってきた娘。

いつもいつもこうやって、娘のつらさをスポイトで吸い取ってきたなあと思い返します。

これがもうわたしの「習い性」になってしまっているのです。


これってマタニティブルー?

2021-08-26 11:16:56 | 生後4ヶ月から

近くに住む長男夫婦は共働きなので、子どもたち(4歳1歳女児)の体調不良時には、わたしたちを頼ってきます。

今週も月~水までふたりを預かることになり、娘の訪問は「月曜:夫」「水曜:私」と、分担せざるを得ませんでした。

 

そんなわけで、きのうは5日ぶりくらいに娘を訪問したのですが...。

まず気づいたのは、ほんの数日間で赤ちゃんが大分成長したことです。

やや不安定だった首のすわりが、ずいぶんしっかりし、

泣くことが減って機嫌の良い時間が長くなってきました。

 

ホクホクとうれしくて盛大に可愛がっていると、「ん?」、娘のようすがおかしい。

「これってマタニティブルーかなあ、最近、なんだか寂しくて悲しくて...」と言いながら涙をこぼします。

あらまあ、これは一大事。

 

赤ちゃんはひとまず置いておき、娘を抱き寄せてなぐさめます。

「それって、赤ちゃんの耳のことが不安でつらいの?」と聞くと、特にそういうわけでもなさそうです。

知らない土地での孤独な子育て。友人も知人もいない。猛暑やコロナで出かけることもままならない。

そんな日常がつらくなったようです。

 

娘を産んで育てる過程で(この35年間で)、こんな場面には数限りなく遭遇しています。

落ちこんでベソをかく娘にとりあえず優しいことばをかけながら、頭をフル回転させて対策を考えます。

(次記事につづきます。)


口がすべって

2021-08-17 21:39:03 | 生後3ヶ月から

先日、近所に住む知人と立ち話のとき、「他県にいる娘の育児サポートのため、週3回通っている」と、ついウッカリ口がすべってしまいました。

「エっ!?」とおどろく知人。

「しまった!」と口を押さえるわたし。

 

35歳にもなる娘が子どもを産んだからといって、親が週3で通うなんて(他県に1時間半かけて)、ちょっと常規を逸している。

そういう感覚はわたしにもわかります。

「親離れ子離れのできない異常な母娘」とドン引きされてしまうことも。

 

「いやいや、多いときは週3回だけど、週⒉のときも週1のときもあるのよ」と、何とかごまかしました。

ヤバイヤバイ。うちの常識は世間の非常識だから、気をつけて発言しないと。

 

でもさ、その知人は知らないものね、

うちの娘が、どんなにグズでのろまでトロいかってことを。

そんな娘が、障害のある赤ちゃんを育てているってことを。

 

ひとにどんなにドン引きされようと笑われようと、わたしのスタンスは揺るぎません。

今は、ほんとうにほんとうに手厚く娘をサポートしなくては。

 


珠玉のようなひととき

2021-08-13 20:35:51 | 生後3ヶ月から

娘の婿さんが夏休みで、この一週間は娘を訪問しなくて大丈夫。(ああラッキー!)

かわりに、娘一家がきのうから泊まりにきています。

相変わらずおだやかで優しい婿さん。気持ちがほっこりします。

 

日ごろの育児疲れをねぎらいたくて「赤ちゃんを見ててあげるよ」と言うと、ふたりでうれしそうに出かけて行きました。

「久しぶりに手をつないで歩けるね」と娘。

そばでニコニコ顔の婿さん。

 

娘たちが出かけているあいだ、わたしと夫で赤ちゃんをベビーカー散歩に連れていきました。

家のまわりを30分ほど歩いて、帰りがけにはスヤスヤと眠ってしまう赤ちゃん。

楽しそうな娘夫婦と愛くるしい赤ちゃんを見て、胸にしあわせ感がわき起こってきました。

「なんかさあ...、こんな心安らぐ日がくるとは思わなかったね」と夫と言い合ったことでした。

 

生まれて数日後に耳の障害がわかったときの、あの耐えがたい苦痛。

その後も、大波小波のかたちでダラダラとつづいた(いまもつづいている)苦しさ。

そんななか、ふっと訪れた束の間の「晴れやかさ」。

きのうの珠玉のようなひとときを、この先ずっと忘れずにいよう。

 

 


苦手なことも我が子のためなら

2021-08-10 22:01:48 | 生後3ヶ月から

夢中で読んだブログの、若いお母さん。

この方は、赤ちゃんのたくさんの障害に、ひとつひとつ全力で向き合って対処していきます。

そのなかで、小耳症から来る難聴についても、3つの医療機関にかかるなど、積極的にとりくみます。

「早く早く補聴器を手に入れて、この子に音を届けなくては」と、ジリジリ焦りまくるようすにビックリ。

 

7月始めに紹介状をもらっているのに、まだ急がなくてもいいような気がしてのんびり構えていたわたしたちです。

先週、娘に「補聴器は少しでも早いほうがいいみたい。(県立こども病院への)予約を急ごう」と伝えました。

すると、「うん、今すぐ電話してみる」と娘。

「おやまあ」と、うれしいおどろきを感じました。

 

だいたい娘は何をするのもノロくてトロい。

「予約を急ごう」と伝えても、「うん...」と生返事が返ってくるだけかも。

面倒だから、いっそわたしが予約電話をしてしまおうか。

(口下手な娘は、親のまえで大事な電話をすることをいやがるし。)

 

ところが、先週の娘は迷うことなくその場で電話して、

①口下手のうえに ②滑舌が悪い、という二重苦(?)を乗り越え、必要なことをきちんと伝えて予約を取ったのです。

「あのお、もう一度確認ですが、もっと早くはならないんですね?」と、最後にダメ出し確認もして。

(予約日は2ヶ月近く先の9月下旬と言われたようです。)

 

ノロくてトロくて口下手な娘も、我が子のためなら苦手意識を克服できるんだなあと安心したことでした。