デフサポのオフィスで、牧野友香子さん(ネット写真どおりの魅力的な女性)がニコニコと出迎えてくれました。
カウンセリング室に通されて、
「おふたりの唇を読む必要があるので、マスクを外してもらえますか」と言われました。
これは予測していたことでしたが、それにしても、読唇によってあれほどスムースな会話が成り立つとは。
ひじょうに優秀なひとである牧野さん、こちらの質問に、適切かつテキパキと答えてくれました。
また、補聴器や言語訓練に関する有益な情報を、メモが追いつかないくらいたくさん教えてもらいました。
本当にありがたかったです。
そして何よりも何よりも、ネットの中でなくじっさいに目の前にいる牧野さんが「重度難聴なのに健聴者のように話している」ことに、大きな感銘を受けたわたしです。
以前、「バベル」という映画を見たことがあります。
主演はブラッド・ピットで、聾の日本人女子高生役で菊地凛子が出演していました。
その女子高生はいつもは手話を使っているのですが、電車の中で聾学校仲間と談笑しながら、つい口話を使ってしまう場面があります。
とても奇異な発音、奇異なしゃべり方でした。
周囲の乗客がギョッとして少女たちを見たし(演技ですが)、わたしも客席でハッと胸を衝かれました。
孫娘の難聴がわかったとき、すぐにこの映画を思い出しました。
この子もいずれ、ああいう奇異なしゃべり方で、ひとからギョッと振り返られるようになるのか。
悲しかったです...。
でも、牧野さんに会って勇気りんりん。
「むかしとちがって、今は言語訓練方法もすすんでいます。お孫さん程度の難聴なら、必ずきれいな発音で話せるようになりますよ。心配しなくて大丈夫です」と、牧野さんもはげましてくれました。
とてもとても安心しました。