広島県北広島町で矢上系旧舞を伝承しています。
郷之崎神楽団
太宰府天満宮。

福岡県にある太宰府天満宮には、「天神」のモデルとなった菅原道真が祀られています。
無実の罪を着せられた道真は、この地に左遷されて、再び都に戻ることなくその生涯を終えます。
道真の死後、様々な災いが都を襲い、人々は「道真の祟り」と恐れました。
その魂を鎮めるために建てられたのがこの太宰府天満宮で、全国に約12,000ある社の総本社でもあります。
境内には道真ゆかりの物が随所に見られ、また「学問の神様」としても有名であることから、いつも多くの観光客でにぎわっています。
神楽歌。

神楽の中で歌われる歌を、神楽歌といいます。ファンのみなさんもいくつかご存知だと思います。奏楽の方が歌うことが多いのですが、やはり太鼓の音と混じったりして、なかなか聞き取れないものですよね。この神楽歌、もちろんたくさんあるのですが、その意味合いを考えたときに、[どの演目でも歌ってよいもの][この演目にしか歌ってはいけないもの][ある条件に当てはまる演目ならどれでも歌ってよいもの]など、いくつかに分類することができます。ですから、よ~く聞いてみると、「あ、この歌はあの演目でも歌っていたな」などといったことがあると思います。
ちなみに、この画像は「大江山」で、画像に書かれている歌は、
手には数珠(じゅず) 身には着(ちゃく)せし袈裟衣(けさころも) 仙丈ヶ岳の道を忘るな
というもの。山伏に変装して大江山に向かう源頼光たちを送り出す意味合いの歌です。他にもいろいろな歌がありますので、今度神楽をご覧になるときにはぜひみなさんも注目してみてください!
ヤマタノオロチ。

国外からやってきた鬼たちと違い、日本古来の怪物として神楽に登場する「八岐大蛇」。「身一つにして頭も尾も八岐に」というセリフもあるように、胴体は一つで頭が八つある大蛇の怪物
です。暴れん坊で知られた素浅鳴命(すさのおのみこと)
でさえ、退治するのは容易ではなかった
ようで、酒を飲ませて酔い伏したところに切りかかっています。
神楽においては、祭りの最後を飾る演目として親しまれています。また、脚名槌(あしなづち)、手名槌(てなづち)の夫婦が登場し、面白いやり取り
を展開するのも、祭りならではの楽しさです。
ご存知の方も多いと思いますが、八岐大蛇とは年に一度の大洪水であり、櫛稲田姫(くしいなだひめ)は田の象徴、つまり米作りの厳しさを伝える演目が「八岐大蛇」なのです。
八岐大蛇の演目紹介
鬼。

今回の神楽辞典は「鬼」。ひとくちに鬼と言っても様々で、郷之崎神楽団の鬼は「塵倫
」の鬼、「大江山」の酒呑童子
、「鐘馗」の大疫神
(だいえきじん)、「八幡
」の第六天魔王(だいろくてんまおう)がいます。これらのうち、「大江山」の酒呑童子以外は、すべて国外からやってきた
鬼たちです。
また鬼ではありませんが、「三浦」の悪狐も中国からやって来たとされています。このように、外国から来た鬼を、天皇や武将が退治する、というのが、旧舞の主なあらすじのようです。ちなみに、「大江山」の酒呑童子も、実は中国の伝説が由来となっているという説もあります。
手力男命。

手力男命(たちかろうのみこと)は、みなさんご存知のとおり「天の岩戸
」において、岩戸を開くという大役
を務める神様です。地味な演目ですが、鬼囃子(おにばやし)に合わせて力強い舞
を披露しますので、ある意味主役
とも言えるかもしれません。
手力男命はその名の通り力の象徴で、スポーツの守護神
としても人気が高い神様です。祭神として祀られている神社には、長野県の戸隠神社があります。戸隠と言えば「紅葉狩
」の舞台として有名ですね。手力男命が投げ捨てた岩戸が、信州(長野県)に落ち、それでできた山が戸隠山となったんだそうです。意外なつながりがあるんですね。
鈿女命。

鈿女(うすめ)命は、「天の岩戸
」において千代の御神楽を奏すという、とても重要な役割を持った神様です。このとき鈿女が舞ったものが、神楽の始まり
とされているのは、ファンのみなさんもよくご存知かと思います。郷之崎の鈿女命の舞はあまり派手さはありません。重要な役にしてはちょっと地味な印象かもしれませんね。
ちなみに、神楽団によっては、宇津女(うづめ)と書いたりするところもあります。そして郷之崎にはありませんが、「天孫降臨」という演目にも登場します。
太玉命。

兒屋根命と同じく「天の岩戸」に登場する太玉命
(ふとだまのみこと)。郷之崎の神楽の中では、岩戸の御宝前で神楽を奏するという策を提案する、大事な役割を持った神様です。そのため、兒屋根命ほどではありませんが、やはりセリフが多い
ですね。そして実際に神楽には登場しませんが、いろいろな神祭用具を司る神様とされています。そして注連縄(しめなわ)の生みの親でもあり、天照大御神
が岩戸から出てこられると、すぐさま入り口に注連縄を張り巡らして「二度とお入りになりませぬよう
」とお願いしました。
りりしい面で、いかにも神様といった感じの太玉命。あまり特徴的なところはありませんが、だからこそ舞うのも難しい部分があると思います。
天の岩戸 演目紹介
兒屋根命。

「天の岩戸」で、八百万の神々
たちとともに天照大神
の御出頭をはかるのが天津兒屋根命(あまつこやねのみこと)です。ヒゲが長く、おじいさんのような面を着けているので、とても特徴がある
と思います。「天の岩戸」では、天照大神が岩戸に閉じこもられた理由、そしてこの世が常闇(とこやみ)となってしまったことなど、いろいろ語る場面があります。そのため、数ある神楽の登場人物の中でも、最もセリフの多い役どころです。また、常に腰をかがめた体勢
のため、舞うには相当な体力と技量
が必要です。郷之崎神楽団の兒屋根さんは、大朝競演大会で個人賞
を受賞したことがあります。もし「天の岩戸」をご覧になる機会があれば、ぜひ兒屋根さんに注目してみてください☆
「天の岩戸」演目紹介
「天照大御神」辞典
天照大御神。

素浅鳴命のお姉さんであり、最高位の神様
として知られる天照大御神
(あまてらすおおみかみ)。また太陽を司る「日の神
」でもあり、現在は伊勢神宮に祭られています。
郷之崎神楽団では、「天の岩戸」に登場します。最初に出てきて、岩戸に閉じこもり、また最後に出てくるだけなので、一番登場時間が少ない役
かもしれません。しかし、女の神様
ということで、姫でもないし神でもないしという、なかなか難しい役
に思えます。「天の岩戸」は立ち合いのない地味な演目
ですが、それぞれの神様の演技や舞に注目すると面白い
と思います。
伝説の地。

広島県福山市に素盞嗚(すさのお)神社があります。素盞嗚尊と奇稲田姫命、そしてその御子神の八王子(やはしらのみこ)を祀った神社です。ここは厄除けの神事である茅の輪くぐり発祥の地として知られ、神楽の演目「鍾馗」の伝説の地としてもよく紹介されます。
茅の輪をもって、疫病を防いだという、蘇民将来(そみんしょうらい)の伝説をご紹介します。
備後風土記によれば「昔、武塔神(むとうしん)が旅の途中、日が暮れ一夜の宿を求めて、この地で富み栄えていた弟の巨旦将来(こたんしょうらい)の所へ行ったが断られ、貧しかった兄の蘇民将来(そみんしょうらい)は快く宿をお貸しした。年を経て、神は八人の王子をつれて還られた時、蘇民将来の家に立ち寄られ「吾は速須佐能神(すさのおのかみ)なり、後の世に疫病あらば、汝は蘇民将来の子孫と云いて、茅の輪を以って腰に着けたる人は免れるであろう」といわれ、巨旦を誅滅された伝説が残っています。これが今日伝わっている茅の輪くぐりの神事の起こりであるといわれています。
多羅智中津彦尊。

身に翼がある鬼「塵倫」を退治するのが、多羅智中津彦尊
(たらちなかつひこのみこと)です。仲哀(ちゅうあい)天皇
とも呼ばれます。一般的には「帯中津彦(たらしなかつひこ)命」と書かれていますが、あえて台本に残っている字でご紹介させていただきます。
歴史上では、第十四代の天皇であり、あの日本武尊の第二子に当たります。神功皇后
を妻として、第十五代応神(おうじん)天皇
の父でもあります。この辺りは何かと神楽とつながりがありますね。
この写真は、昨年の田原温泉秋祭りの時のものです。こちらの方は団員歴20年以上
の大ベテラン!
長いこと、郷之崎の神を舞っておられます。まだまだ、若い人には負けませんよね!?
酒呑童子。

丹波の国大江山に住む大鬼神、酒呑童子。たくさんの手下を従え、何よりも酒
を好み、都に出ては庶民を苦しめるという、神楽の悪役の中でも最も悪役らしい鬼
です。
しかし、ファンの間で最も人気のあるキャラクターという一面も持っていると思います。その生い立ちは実に興味深く、もとは越後の生まれと言われています。そして様々な山を転々とし、ついに大江山を住処となすわけです。神楽団によってはこの生い立ちが詳しくセリフで語られるところもありますが、郷之崎にはそういう場面が一切ありません。
また、「大江山」のみどころの一つである、岩屋での問答も、郷之崎の場合は実にシンプル。短いセリフですが、他の団にはない独特の言い回し
もあったりします。
酒呑童子は鬼として登場しますが、その舞い方は実は「塵倫」や「八幡」などの他の鬼たちとは違いがあるんです。もちろんちゃんとした理由があるからなんですが、まぁ、それは秘密ということで…^^;
いつか「大江山」の動画もたっぷりと配信しますので、ぜひそのときは他の演目と比べてみてください☆
門外不出。






まずファンの方が目にすることはない物



塵倫。







「塵倫」の演目紹介はこちらから

素浅鳴命。






郷之崎神楽団の素浅鳴は「鐘馗」では面をつけて舞いますが、「八岐大蛇」では面はつけません。もしかしたら昔はつけていたのかもしれませんが・・・。
最近は「鐘馗


画像は20年以上前


