今宵も深ける頃 あなたの微香に唆され 暗い部屋に入る
そこでは淑やかな歌が流れ 漆黒に染まる赤い薔薇の花があった
それは虫に喰われている 孔の開いた口からは 養分を失った
乾いた花弁の欠片が意味の無さにもがいていた あなたはずっと
奥のベッドで寝そべっている 艶やかな大きな背中 たくましい腕の筋肉
私はそこから発する 微かな発汗の香りを嗅いでいる 微笑ましく顔を歪めながら
あなたは私に気が付くと 一瞬 透き通るような嗤いを発した
厳かな声色 私はあなたに近づこうとする 私の脚には豪奢な鎖が付いている
金色の微笑み なびくカーテンの哀切さに 私は少しビクリとする
あなたは私を呼ぶように そっと手を差し伸べて 私を誘惑する
微笑ましい光景 一瞬の寒気が 私の小さな背中を走り抜ける 少しの寂寞を抱えながら
その手はとても穏やかで 優しかった 哀愁をそっと包み込むような
憤りでさえも 幽かな明かりの中で発散していく そんな風な感傷
あなたは私の首筋に接吻を施す まるで飢えを凌ぐように 固く引き締まった
関節が小さな音を上げた 私はなすがままの硬直した姿勢で
あなたの腕の中に取り込まれる 臆病な小動物のような 苦痛が全身を駆け巡る
あなたは迷子のような瞳をしていた でもそれは温かく濁っていた
私の体中をまさぐる指の端々から 怯えの冷や汗が滲み それは私の身体に曲線を描いた
冷ややかな身体の感触 まるで死に行く動物のような 哀切さ
私はあなたの瞳から視線を離すことができなかった むしろその苦痛が 愛おしいくらい
私の心は渇き切っていた 飢えを満足させるには まず 彼の悲しみが必要だった
あなたのその腕の中で 私はいつしか夢を見ていた
あなたから薫るのは決して不埒な悪戯ではない それは消えた紋章の意味を介さない
あなたは私の乳房を摩る まるで苦しみにもがくように しかし その腕は小さく震えていた
そこで私は僅かな愛憎を感じながら その指の赴くままに 心を遊ばせていた
一瞬 遠のく意識の彼方で 風が吹いたような気がした しかし それは錯覚だ
あなたの腕の中での私は よがることしか出来ない それこそ女の憂鬱というものだ
私は孤独に包まれた感情を あなたに委ねる 甘い死臭のする口元 あなたの必然に
私の心が染まる が おびただしい排斥の念が あなたの接吻を遠ざけた
寄りかかる心 感情は腐敗した後に 艶めかしい匂いを発する
それは静けさに彩られた亡骸 あなたの唇に重ねた想い 刹那な感傷に苛まれる
そのことで私は一人の人間になれるような気がした あなたと身体を重ねる一時が
私の腐敗し 肉が蕩けた感情に 一瞬でも 生気が満ちるなら 私はあなたの唇に
永遠に縛られてもいい ほどよい甘美さは 倦怠な時間の凝りを 無くさせはしない
あなたの背中に 私の華奢な腕が絡み付くときの 地獄絵図は
私の心に限りの無い破壊の欲望に仕向けさせる まるでそれは怯えを隠すように
一抹の淋しさを紛らわす様に 私は一介の女から出ることができない
そこでは淑やかな歌が流れ 漆黒に染まる赤い薔薇の花があった
それは虫に喰われている 孔の開いた口からは 養分を失った
乾いた花弁の欠片が意味の無さにもがいていた あなたはずっと
奥のベッドで寝そべっている 艶やかな大きな背中 たくましい腕の筋肉
私はそこから発する 微かな発汗の香りを嗅いでいる 微笑ましく顔を歪めながら
あなたは私に気が付くと 一瞬 透き通るような嗤いを発した
厳かな声色 私はあなたに近づこうとする 私の脚には豪奢な鎖が付いている
金色の微笑み なびくカーテンの哀切さに 私は少しビクリとする
あなたは私を呼ぶように そっと手を差し伸べて 私を誘惑する
微笑ましい光景 一瞬の寒気が 私の小さな背中を走り抜ける 少しの寂寞を抱えながら
その手はとても穏やかで 優しかった 哀愁をそっと包み込むような
憤りでさえも 幽かな明かりの中で発散していく そんな風な感傷
あなたは私の首筋に接吻を施す まるで飢えを凌ぐように 固く引き締まった
関節が小さな音を上げた 私はなすがままの硬直した姿勢で
あなたの腕の中に取り込まれる 臆病な小動物のような 苦痛が全身を駆け巡る
あなたは迷子のような瞳をしていた でもそれは温かく濁っていた
私の体中をまさぐる指の端々から 怯えの冷や汗が滲み それは私の身体に曲線を描いた
冷ややかな身体の感触 まるで死に行く動物のような 哀切さ
私はあなたの瞳から視線を離すことができなかった むしろその苦痛が 愛おしいくらい
私の心は渇き切っていた 飢えを満足させるには まず 彼の悲しみが必要だった
あなたのその腕の中で 私はいつしか夢を見ていた
あなたから薫るのは決して不埒な悪戯ではない それは消えた紋章の意味を介さない
あなたは私の乳房を摩る まるで苦しみにもがくように しかし その腕は小さく震えていた
そこで私は僅かな愛憎を感じながら その指の赴くままに 心を遊ばせていた
一瞬 遠のく意識の彼方で 風が吹いたような気がした しかし それは錯覚だ
あなたの腕の中での私は よがることしか出来ない それこそ女の憂鬱というものだ
私は孤独に包まれた感情を あなたに委ねる 甘い死臭のする口元 あなたの必然に
私の心が染まる が おびただしい排斥の念が あなたの接吻を遠ざけた
寄りかかる心 感情は腐敗した後に 艶めかしい匂いを発する
それは静けさに彩られた亡骸 あなたの唇に重ねた想い 刹那な感傷に苛まれる
そのことで私は一人の人間になれるような気がした あなたと身体を重ねる一時が
私の腐敗し 肉が蕩けた感情に 一瞬でも 生気が満ちるなら 私はあなたの唇に
永遠に縛られてもいい ほどよい甘美さは 倦怠な時間の凝りを 無くさせはしない
あなたの背中に 私の華奢な腕が絡み付くときの 地獄絵図は
私の心に限りの無い破壊の欲望に仕向けさせる まるでそれは怯えを隠すように
一抹の淋しさを紛らわす様に 私は一介の女から出ることができない