Seiji Ninomiya (二宮正治)

Let me tell "JAPAN NOW"

二宮正治の短編小説 神楽はぼくの恋人 第3回

2011-02-23 15:26:26 | 日記
 雄一は日本文化継承のためロックギタリストの大スターの地位を捨てた。本物の日本の文化を求めて日本全国を回り日本料理の修行をしていたが、休憩時間に何気なく見た神楽に目を奪われたのだった。
「スサノオノミコトが八岐の大蛇(やまたのおろち)を退治する場面を放映していた」
 芝居を盛り上げる音楽も抜群である。
「これだ・・・・・・・・・・」
 雄一は絶句した。
「これなら世界のどこに出しても恥ずかしくない、素晴らしい一級品の日本文化だ。ぼくのライフワークにできる」
 こう思ったら雄一はいてもたってもおれなくなった。
「神楽団がある広島へと向かったのである」
 雄一は、
「まず、広島市に行ってしばらく滞在して神楽団の本拠のある広島県山県郡安芸太田町に入ろう」
 こう決意した。
広島に向かう新幹線の中での雄一の頭の中は神楽の事でいっぱいだった。 

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