ふたりの約束 アウシュビッツの3つの金貨

本格的な冬となった。犬たちとの散歩はスキージャンバーに襟巻、そして手袋が必要となった。今日は北から吹きつける小雪の中、犀川の西岸沿いの土手道を歩いた。

犬と猫の違いは冬に明らかになる。プードル犬のクララは、寝る時はぼくか妻の布団に潜りこむ。ぼくの足元の布団を頭で持ち上げ、うまいこと「布団かまくら」を作り猫のように丸くなる。

しかし、寒波の北風の中を走る姿はやはり小さいとはいえ犬である。でかいゴールデンのロッキーにいたっては犀川の浅瀬に入ったりする。

この夜、安曇野図書館から借りてあった大型絵本「ふたりの約束」を読んだ。副題に「アウシュビッツの3つの金貨」とある。狂気のヒットラー政権下に育った主人公の二人は姉妹である。両親と離される時、両親はこの幼い姉妹に、手のひらサイズの靴墨の缶の中に、3つの金貨をしのばせて手渡した。そして、絶対に二人は離しれないようにと語る。

そしてどうしても必要になった時、この金貨を使いなさいと言われる。この二つの約束を忘れなかった姉妹は、命の危機を乗り越えて、終戦を迎え、解放される。実話をもとにした大型絵本である。絵本の巻末に姉妹の写真や解説がある。ユダヤ人600万が狂気のドイツ軍に殺された第二次世界大戦下でのことである。こうした歴史も忘れてはならない。安曇野の寒さに負けてなどいられない。