ゴールデンエース普及の歩み

【月刊 養豚界】昭和61年2月号~平成22年12月号掲載記事

「残りものが、福をえるにも、まず環境改善で経営基盤を」

2015-12-10 08:53:38 | 日記
 梅雨も明け、8月をむかえる。毎年のことだが、8月種付けが来年の経営の柱となる。一貫経営で計画的に繁殖をしていると言っても、8~9月種付け、そして12~1月分娩を重視することは普通だろう。それには、豚舎の周辺に悪臭を出さないことである。臭い豚舎では必ず疾病豚が多く、何頭かの斃死豚が出ている。豚の疾病も肺炎だけでなく、オ-エスキ-病も合併症として出ており、また「ヘコヘコ病」とよばれる豚の生殖器・呼吸器症候群(PRRS)の抗体陽性豚も、全国47都道府県中46県で確認されている。 そのほか、分娩舎の暖房が原因の乾燥から、豚舎内のホコリなどで肺炎が多発し、育成子豚が弱く、特に温度差のストレスでだめになるのが多いなどの報告がある。「省力専門」でなく、分娩時は夜中に一回くらい豚舎内を巡回することが大切だ。 抗生物質添加の効果は、一朝一夕には現れない。まして、治療目的では手遅れである。 豚の病気を撲滅するのは、疫学的に豚舎周辺に石灰を坪当たり五kg散布し、豚舎内は、石灰乳を塗る。これを6ヵ月ごとに必ず実施することだ。豚舎周辺にミミズのいない環境をつくる。そして、ワクチンを疾病ごとに確実に接種する。これが経営を安定させる基本である。一日の終わりに「薬品と注射器を持って豚舎一巡」では、先がない。 また、飼料の安いのも考えものだ。 政治の停滞から景気が悪く、豚価も見込みより低く推移して経営を圧迫した。うわさでは、各地で豚コレラの予防接種の代金もままならないという優慮すべき事態も起きているようだ。 活性酵素食品ゴ-ルデンエ-スは、豚の生理機能を高め、活性化し、抗病性はもとより免疫賦活作用がとくに注目されている。また、発情再帰が明確となり、離乳後の種付けがスム-ズでホルモン注射の必要がないと喜ばれている。 子豚用の人工乳に添加してその効果が成績にはっきり現れるのも、酵素食品ならではと思われる。いくらよい結果が出ると言っても、薬品ではない。豚に与えると生理機能の活性化が始まり、そこから目的に対して答えがでてくるものであり、御飯を食べればすぐお腹がふくれるというわけにはいかないことも認識してほしい。しかし、これがほぼ10ヵ月経過すると、経営上の答えが出てくる。そして豚舎が大きなド-ムに覆われたように、従来の疾病がなくなり、病気から隔離された環境になるのである。 各養豚農業経営が過去色々と、あの手、この手とやってきて、「もう打つ手がない」と行き詰まった時にたどり着くのが活性酵素食品ゴ-ルデンエ-スである。 いつものことだが、一母豚年間肉豚二〇頭以上を目指す。これだけを目指して経営戦略を立てれば、あとはすべてついてくる。 分娩時は二〇頭、またはそれ以上産まれても、途中で数が落ちてゆくというのは、もったないことだ。夏になると、豚舎の整備コンク-ルなどを行い、悪臭が少ない、排水のBOD、COD、SS、大腸菌などの検査しているが、年間通してきちんとやることで、夏にじたばたと巡回する必要もなくなるだろう。悪臭がなければハエもいない。昭和40年に35万戸たった養豚経営農家の数が、今や2万戸あまり。悪臭やハエも相当なくなったわけだ。残った者が福が多くくるよう、基本から組み立てる時と考える。

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