ゴールデンエース普及の歩み

【月刊 養豚界】昭和61年2月号~平成22年12月号掲載記事

「販売技術をどう開拓するか」

2021-08-04 09:25:55 | 日記
養豚農業経営も、飼養技術面においては殆んど優劣の差もなく、その点からの生産費軽減は、技術的には究極と思われます。従来ですと飼料要求率、育成率とその一つ一つの結果が数字でしめされると大きな励みとなり、現在もそれが飼養技術の指標となっております。養豚農業経営に関する豚の品種も、基本的には大型種のF1、三元交配豚とほぼ定まり、飼料につきてはいわゆる完全配合飼料と言える内容になっていると思われます。そこで更に、養豚農業経営を強く安定させるかを考える時、そこに販売技術があります。農協組織を利用したり、個人庭先で販売したり、また、自分達の販売組織を作り、生協または大口消費者との提携と方法も色々です。 つい先頃まで、銘柄豚ばかり各生産地でその特徴をアピ-ルしていましたが、何れも長続きせず、立ち消えの様子が感じられました。問題はその肉そのものがどうだったか、本当に消費者が納得してくれたのかと言う事が、カギと思われます。 米や野菜までが、有機栽培、低農薬、有機多用と農家に栽培管理記録簿の記入を求めるほどきびしい条件をつけている県もあると聞いております。特に栽培技術は土づくりと防除を規定しているのが共通点で、土づくりでは完熟たい肥を10ア-ル当たり1トン、年間1回を5年続ける。良質たい肥2トン、稲わらの全量すき込みと有機飼料の多用を求めています。さらに深耕15cm以上など深耕もすすめています。 特に本年は、年頭から業界情報のトップ記事として、毎号と言う程オ-エスキ-病について記事掲載されました。しかし確固たる答えはありませんでした。私が豚の疾病を疫学的に考察し、それをなくす為にもともと臨床家としての考えから、豚の疾病で一番に経営を圧迫するのが肺炎と考えています。 豚の疾病の80%以上と見ても大げさとは言えません。他の伝染病的なものは、ワクチン接種を時期をはずさず使用し、抗体価を上げてしかもそれを持続させる。豚舎周辺は坪当たり5kgの石灰を年2回(春・秋)散布する。豚房内、通路または事務所などの周辺も、土の所は、石灰散布、コンクリ-トの所は石灰乳を塗るか、3%苛性ソ-ダ液を散布する。 これだけの処置を実施し、活性酵素食品ゴ-ルデンエ-スを利用すれば、全く疾病の心配は皆無と言って過言ではありません。変な表現で申し訳ありませんが、隣近所がオ-エスキ-病様疾病が発生し、さわいでいる時でも全くの平常です。先日も10年程つきあっている養豚農家がしみじみ述懐してくれました。「先生とつきあって何年だろう。もう10年目か、振り返ると今まで伝染性胃腸炎に悩まされたことがあったが、今まで周囲で豚の病気が出てさわいでいても、うちでは何も起きなかった。オ-エスキ-病の血液検査も(+)と判定されているが、一頭も発症してない」と話されました。 その時の私の嬉しさは、胸がしまるほどです。その様な方々が私の顔を知らないまま言われた通り利用している現在、これからの養豚農業経営は、販売技術をどう拓いて進むかと言うことだけが残っています。

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