ゴールデンエース普及の歩み

【月刊 養豚界】昭和61年2月号~平成22年12月号掲載記事

「悪臭・水質汚濁も豚の疾病問題とは、切り離せない」

2015-02-02 08:49:37 | 日記
 畜産経営環境の保全に対して、その現状分析と対策が必要な季節となった。本来年間を通して実施する必須条項だが、夏となると毎年急に目立って問題となる。 とくに、養豚が37%で最も多く、次に乳用牛が32%、鶏が19%、肉用牛が11%の順・・。これは畜産経営に起因する水質汚濁、悪臭などに対する地域住宅からの苦情件数で、平成7年における2520件の内訳である。各畜産とも悪臭関連が最も多く、全体の約60%に達していると言われている。養豚場の近くで悪臭があるところは経営も悪く借金に苦しんでいると想像しても過言ではない。また、豚の事故率や斃死も多いと言える。苦情のある豚の病気も年ごとにモデルチェンジしてその対応が大変である。やはり、疫学的考察で実行しなければ、悪臭問題、水質汚濁、豚の疾病との関係は断ち切れないものと決めていただきたい。4月には豚流行性下痢(PED)が関東に北上し、千葉県、茨城県とその発生の噂が聞こえた。今までの発生と違って、複合症状あるいは混合感染と言うのが、単純ではない症例が多くあるように感じる。表にでないまま水面下で拡がっている気がするのも私ひとりではないと思うのだが・・? SPF豚肉は5つの疾病から隔離した原種豚を土台に生産したもので、①マイコプラズマ肺炎、②豚赤痢、③AR、④オ-エスキ-病、⑤トキソプラズマ病が対象疾病であり、いずれも臨床症状がないことが条件の一つである。「清浄豚」「無菌豚」などと表示し販売されているが、全く病原がないわけではない。 活性酵素食品ゴ-ルデンエ-ス添加によって、豚の腸内細菌叢が変化し、ふんの色が変わり、悪臭がほとんどなくなる。その状態が認められると、豚の生理的働きに変化が起き、発情再帰が観察され、種付けができるようになる。そして免疫賦活作用が活発になり、肺炎様疾病がなくなり、抗生物質の使用が不要となり、ワクチンプログラム実施の成果が確実になる。産子数も増え、一腹10頭以上で、育成率もよく、当然、肉質も上物率が高く、枝肉共進会でも上位入賞となる。周囲にオ-エスキ-病などが発生しても発病しない等、これが15年以上も利用されている理由である。 活性酵素食品ゴ-ルデンエ-スは、大豆本体を原料とし、食品衛生法に基づく菌種として、麹菌、乳酸かん菌、乳酸球菌、パン酵母菌で作られており、(財)日本健康栄養食品協会から認定されている。当然、人間にも食べられている。 薬品ではなく、食品でありながら、その効果に、目を開く結果ができるのが、科学の奥の深さと言うべきか。活性酵素食品ゴ-ルデンエ-スは、これが万能ではなく、養豚農業経営に利用する時は、毎回のように訴えているように、豚舎内外の石灰や仮性ソ-ダによる環境整備が基本となる。さらには、現在のような得体の知れない疾病の予防を考えると、消毒薬も研究すべきだ。時代に合った殺菌消毒薬グルタクリ-ンは、とくに豚由来ウイルス効果が認められる。北里大学衛生学教室と私のところで試験もしてあり、獣医学会にも発表している。ヤシマ産業(株)製造で、販売は日本全薬工業(株)扱いとなっている。 養豚農業経営を成功させるには、無駄のないきちんとしたものと、環境衛生に対する思想の「双刃の剣」が必要である。