ゴールデンエース普及の歩み

【月刊 養豚界】昭和61年2月号~平成22年12月号掲載記事

「生きている土を殺さない農業、子豚にやさしい養豚」

2015-01-16 08:43:12 | 日記
 振り返ると4年前もかなりの家畜が暑さにやられた。今年はさらに記録的な猛暑で苦労したが、8月に種付けした繁殖豚はもうそろそろ妊娠中期に入っていく頃である。 子豚の発育・分娩・哺乳・分娩後の体力回復等を考えた飼養管理が大切な時期である。とくに、種付けがうまくいっても、再発情が起こったり受精卵の着床が安定しなかったりで、分娩時の子豚の数がすくないなどの見込み違いも起こり得る。せっかくの妊娠胎子を丈夫に育てる工夫が重要だ。 科学の恩恵にどっぷりつかった現在を見直す風潮が現われている。例えば、放線菌を利用した良質な堆肥生産と消臭の組み合わせや、飼料に天然植物の摘出物などを混合してふん尿の臭気濃度、アンモニア濃度を低減させたりする動きである。 活性酵素食品ゴ-ルデンエ-スは、単に悪臭を抑えるだけでなく、免疫賦活作用を高め、豚の主たる疾病の肺炎を防ぎ、ワクチン接種においての抗体価を通常の数倍にも上げてその効果を示している。とくに育成子豚の早期餌付けに併用した育成率の絶体的向上も、農家自らが体験して報告してくる。 活性酵素食品ゴ-ルデンエ-スは、いわゆる商業ベ-スで開発されたものではなく、大学の研究室で開発特許を得て開発されたものだ。その普及を任された時、私は薬品の開発で安全性、残留性、毒性などの部門をフィ-ルドとしており、抗生物質開発ではもうこれ以上新しいものは出ないだろうと言われる時期まで取り組み、その後酵素食品に入った。奥行きの深いもので、それを一般に理解してもらおうと「未知成長因子」にこじつけてみたりと苦労した。ある時、朝日新聞の天声人語に次のようなことが書いてあった。「スプ-ン一杯の土には五〇億のバクテリア、二〇〇〇万の放線菌、一〇〇万の原生動物、二〇万の藻類、菌類がいるとさえ言われている。それだけの微生物がいるということは、同時にその土が生きている証拠である。・・・農薬や科学肥料の多用は土を殺す。土を失った文明は滅びるという、歴史の教訓をわすれるかけにはいかない。」活性酵素食品ゴ-ルデンエ-スは、動物体内の自己消化による飼料の栄養効率を良くし、とくに自己自身では酵素造成力の少ない若齢動物の成長を促進し、生産能力を高めることを目的とする。元来、糸状菌と酵母菌とは、同一の培養基で同時に繁殖させることは困難だとされていた。ところがそれに成功し、飼料中に酵素と酵母を併存させることを可能にし、飼料価値を高め、その相乗作用により動物、とくに若齢動物の成長および生産能力にすぐれた効果をもたらすことができた。 その培養基の原料は、大豆九〇%、賦形剤一〇%である。豚に活性酵素食品ゴ-ルデンエ-スを給与すると、離乳後の発情再帰が五日目と非常に早く、ホルモン剤を必要としない。そして、肺炎等の疾病がグンと減り、薬品代がゼロに近い結果が一年間の数字で示される。ワクチン接種が確実となり、免疫賦活作用の広範囲の効果は、経験しないと判らないものだ。 養豚農業経営の指標として、一母豚当たり年間二〇以上の肉豚を出荷して育成率とすると掲げてことがわっかていただけると思う。今冬は、夏の反動で寒さも厳しいと予想される。朝夕と日中の温度差はストレスの大きな原因となる。体質改善は妊娠中に行うのが楽である。