GOKIGENRADIO

バーボングラス片手のロックな毎日

紙は炎上しない?

2015-03-23 20:01:28 | Talk is Cheap
面白い記事を見つけた。
Wedgeの3月18日のネット記事「「紙は炎上しない」は間違い 曽野綾子・林真理子コラムに見る、著名人の「上から目線」が通用しないインターネット』と題するコラム。
このコラムは曽野綾子氏のコラムと林真理子氏のコラムを題材に、今のネット炎上の仕組みやモラルを書いてある。

産經新聞の連載コラムで書いた曽根綾子氏の記事。
曽根氏は「日本も海外からの移民をもっと受け入れていかなければならない」「でも、生活習慣や常識がそれぞれ違うから、最初はそれぞれ決められた地区で住んだ方がいい」とアパルトヘイト廃止後の南アフリカ共和国の例を出して、「人間は事業も研究も運動も何もかも一緒にやれる。しかし居住だけは別にした方がいい」と書いた。
凄くまともな意見だと思うし、実際いろんな風習が違うんだから何も間違った意見とか偏見にまみれた差別的な発言にも思えない。
でも、この記事を読んだ数人がネットに拡散させ、あっという間に炎上した。

そして、週刊文春に掲載された林真理子氏のコラム。
川崎市の中1男子殺人事件について、「被害者の母親がもっとしっかりしていたら、みすみす少年は死ぬことはなかったはず」と書いた。
こちらもネットに転載され、批判的で攻撃敵なコメントが溢れ炎上してた。
他にも同じようにネットに転載されて炎上したケースを記載してある。

まぁ、有名人や文化人の発言に対してネットでの炎上はよくある事だが、この記事はこの炎上の仕組みを分析してる。
これが「なるほど」と納得してしまうような内容。

要約すると
1,本来ペーパーベースの出版社が、今は何が何でもネットにも進出って危機感で、ノウハウ無しに記事を転載する
2,有名人が遭遇した事に対して素直に自分の感じた事を自身の言葉で書くと「上から目線で」とか「何様のつもり」とひがむ人が多い。
って事をベースに
ネット記事のほとんどが無料で読めるのに対し、雑誌や書籍は「好んで購入した人」のみが読むものだということ。
ペーパーベースの読者はその雑誌や書籍・著者のファンである場合が多い。その為好意的に解釈したり、少しぐらい極端な意見でも受け止める。したがって炎上しない。また、少々上から目線で書こうがその人の書くものを読みたい人が読者(購入者)だから納得する場合が多い。
しかし、それがネットの場合は違う。著者のファンでも雑誌の購読者でもない人が目にしたとき、ただその文や記事だけ読んで批判する事が出来る。つぶやく事が出来る。

なるほど。その通りだな。
わざわざ買って読んだ本について批評したり批判するのは購入者の自由だが、その作家のファンの人は余程つまらん内容だったり、今迄と全く違う意見が書いてない限り好意的に読むわな。嫌なら次から買わないだけだもの。
ネット意見は無料で読めるから好きな作家や文化人、有名人に限らず拾い読みする事が出来る。だから言葉の端々に突っ込んだり、挙足を取ったり、ちょっとでも上から目線的な発言だと攻撃的になる。
狩野英孝さんの「hideのサイン見つけた」ってツイートに「なんでお前ごときがhideさんをhideって呼び捨てにしとんねん」
スピードワゴン井戸田さんがTV番組で、ワン・ディレクションのメンバーの一人がストレスのためツアー途中で降板した事に対して自説を語ったら「何様のつもり?お前とIDはレベルが違うぞ」
こんな事は日常茶飯事。こんな記事がネットニュースに溢れてる。

この記事はこれ以降の記載はちょっと俺と意見が違う。このコラムを書いた人はこの後、「ネット上では、作家など書き手の「経歴」や「権威」は紙ほど通用しない傾向があり、その意味でネットに転載されれば批判にさらされることとなる記事やコラムは少なくないだろう』
簡単に言えば
「有名人や作家は上から目線や自身の権威をちらつかせる記事や発言はネットではしないほうがいい。それがが炎上しないコツだ」と。
いやいや、自身が特権を持ってる人はそれが特権と感じてないからね。
生まれた時から運転手のいる生活してた子は、教習所に通って運転免許を取りにいくって行為はもう冒険の旅だろうし、いつもマネージャーや秘書に付き添われて行きつけの料理屋の個室で食事をする人は、普通のテーブルに案内されるような店はすぐ出る。

そして林氏も曽根氏もネット住民の批判にはほぼ無視の姿勢をとってる事に対してこの人は、「ネットに書き込まれる「一般人の意見」など、取るに足らないと思っている態度がチラつく。しかしこの態度こそ、時代に取り残された書き手の後ろ姿のようにも見えてしまうのだ。」と締めくくってる。
この人はどっちの味方だ?別にどっちでもいいんだが、一つだけこのコラムを書いた人に言いたい。

作家は基本的に原稿料をもらって記事やコラムを書く。出版社はお金を払ってでも書いて欲しいから依頼する。
したがって作家は取材や資料を元に書くし、書いたものに責任もとる。お金を払ってでもその人の本や記事が読みたいから本や雑誌を買う。
それとネット住民やスマホ所持者の、無料投稿、無料閲覧、無断転載、無責任発言とは質が元々違うよね。一緒にしてどうする。
まぁ勿論これも無責任投稿だから無視していただいて結構です。

問題のあるレストランの最終回は問題ありすぎ

2015-03-23 00:40:00 | Talk is Cheap
今クールのドラマがほぼ最終回を迎える時期だ。
「終わりよければそれで良し」って言葉があるようにドラマの最終回は見応えがあるものが多い。
ハッピーエンドでも哀しい結末でもどちらでもいい。見終わって、「あ~いいドラマだった」って思えたらそれでいい。
大阪人はいい映画やドラマを見た後は「ええもん見せてもうた。こりゃお得やな」と言い、つまんなんもの観た後は「あ~ぁ時間の無駄やった。金返して欲しいわ」と言う。

でも、最近「時間の無駄やったな」どころか「なんじゃそりゃ?」とか「えっ?これで終わり?」てな終わり方のドラマが多い。

先週金曜日に最終回を迎えた「ウロボロス」。これは最終回は特に見応え充分で、久々に「ええもん見せてもろうた」ってドラマだ。
先週水曜日に最終回を迎えた「相棒」は「ちょっと待ってぇな、何やねん成宮が犯人って?」ってほど強引な展開だったが、あれはあれで長期ロングランドラマのシーズンの節目の最終回だからまだ許せる。次のシーズン、次の相棒(パートナー)が誰かによって払拭できるし。
同じく水曜日に最終回を迎えた「○○妻」は何か後味の悪いエンディングだった。家政婦のミタの脚本家やチームが手がけたって言うからもう少し期待したんだが、柴咲コウの過去のネタバレも早かったし、そこからの展開もいかにもって内容だった。まぁ可もなく不可もなくって感じだけど、ヒガシが「田中さん、佐藤さん、鈴木さん、高橋さん、渡辺さん、吉田さん、加藤さん、山本さん」って呼びかけるシーンは圧巻だった。(御免適当に書いたから読んで無いのも含んでるかもしれないが、日本人に多い姓をとにかく連呼してた)このシーンだけは良かった。

で、今回ようやくHDDに録画した木曜日最終回の「問題のあるレストラン」を観た。
男に虐げられたり差別を受けた色々訳ありな女達(一人はゲイ)達が集まりレストランを立ち上げて、因縁の会社が経営するレストランに勝つ。更に昔の友人が受けたセクハラ問題を提訴し、男尊女卑な社長をやり込める。ここ迄は良かった。でも、この最終回は何だ?
セクハラやパワハラ行為をYOUを通じて提訴された社長は前回、最後の話し合いに来た真木よう子に謝ったが、実はそれは見せかけの謝罪だった。それを知った東出昌大が憤り、クビを宣告されると同時に社長杉本哲太を殴るシーンで終わってた。しかし、今回の最終回では週刊誌に暴露されて掲載され(こちらがOK出す迄は掲載しないようにという事で取材受けてた)、杉本哲太の店は閉店してた。

問題は全て解決して、みんなが頑張ってせっかく軌道に乗ったレストランは、スプーンが落ちた事が原因でクレームや嫌がらせを受けてるみたいで閉店を余儀なくされてる。しかしこの辺りの描写が殆ど無い。たった一人の嫌がらせで閉店に追い込まれるか?
だいたい、弁護士に戻ったYOUが味方についてるんだから、それくらいYOUが解決するだろう。何故店が閉店をしなければならないのかの説明は一切無い。大家も理解してて客も来てる状況で有り得ない展開。無理矢理最終回をドラマチックにする為の展開だとしたら手抜きか?としかいえないような脚本。それとも予定してた尺を間違えて編集で切り取りすぎたのか?

しかもこのレストラン、最終売上げ収支は+800円ちょいくらいって二階堂ふみが言うシーンがある。あんだけ客が来てて繁盛しててそんな訳あるかいって言いたくなる。スタッフの給与が余程高いのか?家賃が高いのか?雨が降った時は営業が出来ないからか?材料費が高いからか?それにしても800円ちょいは無いやろ。このドラマの脚本家は商売の事を全く知らない素人か?それとも演出優先でそうしたのか?

主題歌を歌うきゃりーぱみゅぱみゅをドラマに出して尺を取ってる暇があったら、もう少し脚本や演出、展開を真剣に考えてくれ。
しかも最後、閉店したレストランから300日後。みんなが海辺にピギーバッグやトランクを持って集まる。
そこでは真木ようこが新しいレストランを造る準備をしてた。おいおい、そんな穴場のような海の砂浜の物件でレストラン開ける訳ないし、だいたい300日間このメンバーはどこに居候してたんだ?主婦の奴は子供も連れてきてたぞ。親権はどうなった?海からは波乗りしてた東出とか現れるし。もう無茶苦茶。描きたかった事はなんとなくわかるが、全編悪意に満ちたような「弱い女性」目線の内容で気分が悪い。しかも虐げられた女性が団結して、古くさい考えの男に勝つって言うのならそれに徹底してくれ。それさえも無い。全部いい人。
映像も高校生の文化祭ムービー並みのアングルだったが、脚本が悪過ぎる。

最後の最後まで最低最悪。しかもこの最終回は特に後味が悪過ぎる。
この脚本家、プロデューサー、ディレクター。二度とドラマ作るな。お前達には無理だ。
「ずっと続けて見てて、時間を損した」って思ったのは久々だ。