トマトの呟き!!

写真付きで日記や趣味を書きはじめました。

筆洗【東京新聞】掲載7月2日

2012年07月02日 | 日記
東京新聞の筆洗を貼り付けました。私的にこの手の文章が大好きなのです。 以下▼抜粋

名人と呼ばれた落語家の八代目桂文楽師匠が晩年、評論家の矢野誠一さんと鰻(うなぎ)屋で杯を傾けていた時の話だ。「近頃、耳が遠くなりまして」と文楽師匠がぽつりとつぶやいた後、こう言った、と矢野さんが自著『落語商売往来』に書いている▼「きこえなくても、きこえたふりしてしゃべってますとね、どうしても返事をしなきゃならないときがある。そんなときは『近頃はたいていそうだよ』と、いってやるんです。ほとんどこれで用が足ります」▼矢野さんは「すごい老人の知恵だと思う」と感心している。ただ、ともすると、この言葉は現状追認になってしまいがちだ▼総選挙での約束は果たさず、やらないと言った増税に血道を上げる野田首相。原発事故の原因も未解明なのに、安全対策を先延ばしにしてまで再稼働を急ぐ政府と関西電力。「近頃はたいていそうだよ」とは、言いたくない▼全国各地の抗議活動を無視し、関電はきのう、大飯原発3号機の原子炉を起動させた。八木誠社長は株主総会で「原発は重要な電源。脱原発は全く(考えに)ない」と言い切り、なし崩し的な再稼働への意欲を隠していない▼未来のエネルギー政策は、経済界だけではなく、国民の声に耳を傾けて決めなければならない。声を聴いたドイツとイタリア政府が選んだのは「脱原発」の道。文楽師匠の決めぜりふはここで使いたい。

官僚以上に官僚的

2012年07月01日 | 日記
東電は官僚高官が「官僚以上に官僚的」と言うぐらいに揶揄されてきた会社です。殿様商売でコスト意識に乏しいのは電気事業法に定められた「総括原価方式」で決まる電気料金制度で守られてきたからです。人件費や燃料費などの費用を積み上げ、発電所などの総資産額に一定の報酬率を掛けて算出する事業報酬を上乗せするやり方なので、赤字になる心配がない仕組みです。事業にかかる費用を最終的には電気料金に転嫁できるため、経費削減の意識も低い。取引業者からみれば、東電は厳しい価格交渉にさらされない特上の顧客。東電が経済界で強い影響力を持つことにつながった訳がよく分かります。今回の値上げもやり方が官僚以上の親方日の丸的でした。もっとガラス張りに資産の公開を含めて、震災者支援を加速してください。福島原発はまだまだ終息していません、40分そこにいると人間が死ぬ放射線量なのですから。