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「真田丸」に見る強いチーム、もろいチーム

2016年03月28日 | 日記
日経情報ストラテジー編集長 小林氏
記述コラムを掲載してみました。読んでいて「同感」と思った次第です。

□◆「真田丸」に見る強いチーム、もろいチーム

 視聴率が好調と伝えられるNHKの大河ドラマ「真田丸」。群像劇の名手、三谷幸喜氏の脚本とあって、登場人物それぞれが個性的だ。策謀家の父の奇想天外なアイデアで、戦国を生き抜く主人公の一族もとても魅力的だが、それ以上に目が離せないのが徳川家。先を見通す勘は鋭いものの、気が小さくてすぐに弱音を吐く家康。武芸には秀でるが、猪突猛進で戦略性のない本多忠勝。忍びとして頼られる割には行き当たりばったりの服部半蔵。名参謀の本多正信を除けば、強みもあるが弱みもたくさんある人物ばかりだ。スーパーマンはいない。

 徳川家の戦術会議はとても活発だ。円く座ってそれぞれが臆せず自分の意見を言う。「絶対解」を出してくれるスーパーマンがいないことを前提に、知恵を出し合って「最適解」にたどり着こうとする。カリスマ亡き後、組織が骨抜きになってしまった武田家や織田家との対照が鮮やかだ。

 400年以上たった今日も、戦国時代は続く。少子高齢化で国内市場が伸び悩み、ネットが従来の経済の仕組みに揺さぶりをかけるなか、これまで企業の屋台骨を支えた基幹事業が成長し続ける保証はない。コスト競争でライバルをしのいでも、別業態からの参入企業や、台頭するベンチャーにパイを奪われるかもしれない。

 そこで多くの企業が重要な経営課題と位置づけるのが「イノベーション」。プロジェクトや専門部署を立ち上げて、10年後のメシのタネに結び付く新規事業の育成や、ITに基づくビジネスモデル変革に取り組む企業が増えている。
そうした取り組みをけん引するリーダーとして「アイデアと実行力を兼ね備えた人材」を探すも、なかなか見当たらないのが経営者に共通の悩みだ。だが、スコラ・コンサルトの柴田昌氏は「スーパーマンは不要」と言い切る。組織風土改革の第一人者として知られる柴田氏は、「イノベーションは、画期的な発明ではなく、小さな常識転換の積み重ね」と話す。一人ひとりが無意識のうちに縛られている常識の「ブレーキ」を外し、自由な発想を持ち寄るだけで何かが生まれる。1人のスーパーマンを探すのではなく、「普通の人」たちのチームが「今、ここ」から動き出すことが肝心だという。

 ただし人がただ集まるだけでは、グループになってもチームにはなれない。イノベーションを生むチームになるには、意識のブレーキの外し方をはじめ、全員の意識がブレないような目標の定め方、小さな変革を積み重ねて大きな成果に結び付けるプロセス管理、そして前に進み続けるモチベーションの維持などのマネジメントスキルが必要だ。それをチーム全員が身に付けたとき、1人のスーパーマンに依存するより
もはるかに高い確率で、イノベーションを生み出すことができる。

 そうした話を聞いたうえで、「真田丸」を見るとあちこちにヒントが隠れている気がしてくる。次回はどんなチームプレーを描かれるのだろうか。回を追うごとに楽しみが増える。