鉗子がない！

手術室フロアの清掃担当者から滅菌室フロアの先輩へ電話連絡が入ると、電話を受けた先輩から「松井さ～ん、何番の手術室へ器具類を受け取りに行ってくださ～い」と声が掛かり、私は職場内エレベーターで手術室フロアへ移動して何番の手術室へ向かう。大抵の場合、看護師さんから清掃担当者への“器具類の確認＆引き渡し”が終わっているので、「あとは持って行くだけ！」という状態になっている。

しかし、たまに器具類の確認＆引き渡しが終わっていないこともあり…　昨日がそうだった。しばらく待っていたら、看護師さんが「◎◎鉗子が足りない…」と呟いたので、「ひょっとして…」と思った私は「（手術で出た）ゴミの中を捜してみますか？」と提案、複数あったゴミ袋を手分けして捜索…　すると、看護師さんが「あったぁ～」と発見したのでホッとした。

◎◎鉗子とは、長さ１２～１３ｃｍのハサミのような形状の器具なのだが、ハサミのように切るためのものではなく本当に挟むだけ…　そのような器具類は、運搬台車の上に敷かれた紙製のシートの上に置かれているのだが、たまに“◎◎鉗子が紙製シートを挟んだままの状態（ストッパーが付いているので、軽く引っ張った程度では外れない）になっていることがあり…　どうやら、紙製シートを捨てる時に巻き込んでしまったようだ。

このように、小さな器具類が「ない！」となる（すぐに見つかる）ことはちょいちょいある。が、一度だけ…　幅と奥行が２０～３０ｃｍあって重量もある機械がなくなったことがある。そんな物を捨てるなんて考えられないし、患者さんの体内に入れるなんて有り得ない。まさか、誰かが…　個人売買サイトで換金？　他院で同じ機械を破壊した友人へ譲渡？　自宅で漬物を製造？（そんなアホな…　いつも置かない場所へ何気なく置いただけだろう）