ジョージのインドネシア体験記

パダン(Padang)という、インドネシア、西スマトラの地方都市での生活体験記。

No.77 ユリ家の食卓(11.12.31)

2011-12-31 05:47:30 | No.71~No.80
 ずいぶんと間があいてしまいました。更新がないのは、私のヤル気のなさですが、年内にもう一つだけがんばって書くことにします。

 ユリの家には、ユリの連れ合いのアンディと3人の子供の他に、デキ、アデ、ウィウィ、ポピ、ディンダの弟妹たちが一緒に住んでいます。
 姉妹、家族みんな仲良しだから、食事もみんなで一緒にするのかというと、そうではないんですね。みんなバラバラに、各人がお腹空いたら勝手に食べるという感じ。
 インドネシアでも主食はお米。麺類もありますが、麺類は「間食」のようなイメージで、米飯がないと食べたうちに入らない、という人もいるぐらいだから、ご飯が主食だというのは、日本以上でしょう。

 ユリの家では、ご飯は炊飯器に炊いてあって、ある程度減ってくればボウルのようなお皿に盛って、また炊くというローテンションのよう。
 おかずは大皿に盛ってテーブルに置いてあります。ハエがたかったりネコがひっくり返さないように、覆いは被せてありますが、基本的には外に出しっぱなし。
 これも無くなったらまた作るとか、足りなければ外で買ってくることもするようです。
 全員がってのは無理でも、その時家にいる面子だけでも一緒に食事すれば、出来たてのおいしいのが食べられるのにって思うのは、日本人的発想。
 パダンの人達は、出来たてってのにあまりこだわらないようです。常夏の国ですから、アツアツを吹きながら食べるなんてことは、好んですることではないのです。

 パダンのような高温多湿の環境で、食べ物をテーブルに置きっぱなしにするなんて、すぐに腐ってしまいそうで、心配になるんですけれど、案外そういうことはないようです。
 パダン料理は全体的に、油をよく使います。そして、火の通し方も、たいていはウェルダン。それで水分を減らして、傷みにくくしているのでしょう。
 一例だけですが、mata sapi(牛の目)と言えば目玉焼きのことですが、「焼く」というよりは「揚げる」に近い感じで作ります。そして、黄身も完全に固まるまで火を通します。パダン人の感覚では、卵が半熟だなんて、あり得ないみたい。
 腐りにくいような調理もするし、みんなが順に食べていけば無くなるわけで、実際はそんなに長く放置されっぱなしということもないでしょう。

 私が9月にユリの家に滞在していた時、3日目ぐらいから思いっきり下痢になってしまいました。何か悪いものを食べた覚えもないし、何かに当たったにしては、発熱だとか他の症状が全くありません。
 色々考えてみて思い当たったのが、何かを食べたのではなくて、食べてなかったんですよ。69号で書いたように、私はベジタリアンで、普段は野菜中心のおかずを食べてます。
 赤道直下のパダンでは、日本と比べて野菜が少ないのです。特に葉物の野菜って、涼しい所が産地でしょ?それに、日本でもそうかもしれませんが、おかずには野菜がなくても肉が欲しいというのが一般的なようです。
 自分の家だったら基本的に自炊しますから、野菜不足なんてことは盲点でした。ユリの家で三食昼寝付き生活してたのが、落とし穴にハマっちゃった。
 そのことをユリに話したわけではないのですが、困ったなぁと思ってると、もやしのスープを作ってくれて、それのおいしいこと。下痢もすぐに治りました。

 その時、もやしスープの他に、テンペを揚げた料理もあったのです。テンペというのは、大豆の発酵食品。「インドネシアの納豆」なんて紹介のされ方をしてるのを見たことがありますが、見た目も臭いも納豆みたいなゲテモノではありません。
 大豆製品といえば、私の好物の豆腐もパダンにありますが、パダンの豆腐は何だか臭みがあって、ちょっと手が伸びない。
 kecap asinという、醤油っぽいものもあります。中国の醤油に近い気がします。私は重宝してたんですけれど、パダン料理ではほとんど使うことはないようで、ユリの家にも常備されていません。

 食習慣や生活習慣によって、腸内菌など人体常在菌が決まってきて、それらの微生物たちを良い状態に保つのが健康の秘訣で、抗菌だとか滅菌だとかってのは良くないって言う人もいますね。
 私なんかは、貧乏で医者にかかれないから、微生物の働きや動物の免疫を信じています。
 ニューギニア島に住むある部族は、腸内に窒素固定菌を持っていて、ほとんど芋だけの食事でも筋骨逞しいんだそう。世界的に見れば、日本人も海藻を消化できる菌を持っている珍しい民族だそうですね。

最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ゆうゆう)
2012-01-04 18:53:51
ジョージさん、あけましておめでとうございます。お元気ですか??ビザの発給はどうなりましたか??
僕も、インドネシアの料理は正直苦手なものも多々ありますが、そこはどうにかこらえて越えなければならない壁なのかと思います。今年2月にまた1カ月AMIの家に滞在する予定です。ジョージさんはインドネシア入りの予定はありますか??
返信する
Unknown (George)
2012-01-05 20:59:06
あけましておめでとうございます。
ビザについては、いまだに入管からの連絡はないようです。いつまで待たされるんでしょうねぇ…。
Amiは料理が得意だし、味の好みって結局は「慣れ」ってのが大きな要素だから大丈夫ですよ。
返信する
Unknown (yuyu)
2012-01-07 19:34:52
さすがインドネシアの入管ですね。人をバカにするにも程があるってな感じですね。私も、VISAのことで入管に賄賂を払わないといけないと思うとバカバカしく思いますね。
返信する

コメントを投稿