ジョージのインドネシア体験記

パダン(Padang)という、インドネシア、西スマトラの地方都市での生活体験記。

No.62 ジャカルタ訪問(2)(10.10.17)

2010-10-17 22:31:29 | No.61~No.70
 親切で勇気あるおっちゃんがカラワンまで連れて行ってくれたのですが、浄水施設のある場所の住所は調べていません。あちこちで地元の人に訊くのですが、誰も知らない。ウワサすら聞いたこともないっていう返事なのです。
 カラワンが、私の思ってたよりもはるかに広い範囲だったとはいえ、生で飲める水道なんてインドネシア広しと言えども他にないだろうし、本によると、市価の10分の1ほどの値段でガロンボトルの販売もしているそう。
 そういうのが、ある程度近くまでは行ってるはずなのに、誰も聞いたこともないっていうのですよ。
 「水のことだったら、PDAMに行って聞いたらどうだ?」って言う人も多かったのですが、それだけはない。PDAMというのは、水道会社の名前。後ろのAMはair minum(飲み水)の略。

 道中は運転手のおっちゃんと色々しゃべりながらだったのですが、そこで聞いた話をいくつか紹介しましょう。
 ジャカルタの渋滞がヒドいことは既に書きましたが、金曜日は特にヒドいのだそう。とは言え、ジャカルタの渋滞は時も場所も選ばずといったところ。「日本は電車がいっぱいあるそうだから、渋滞しないだろ?」と、もう諦め顔。
 私は帰りの飛行機に間に合うかが心配だったのですが、「土曜日の空港方向なら、あんまり混まないから大丈夫だ」との言葉通り、だいたい思い通りの時間に着くことができました。

 夕方、カラワンに着いてからしばらくして、土砂降りの雨になりました。夜になって帰り道には止んだのですが、道が冠水しているところもあります。
 ニュースではジャカルタ周辺で洪水になってるのをよく見るんですけれど、2007年にはジャカルタの8割が水に浸かるような洪水になったのだそう。私が泊まったホテルの水は金気臭かったので、おそらく井戸水でしょう。地下水への過大な依存は、地盤沈下を招きますし、持続可能性も高いはずがありません。

 私が利用したのはブルーバードというタクシー会社のタクシー。運転手いわく、「ボられるから、他のタクシーは乗っちゃだめだ。ブルーバードなら、ちゃんとメーター使うし、親切だろ?」。
 『地球の歩き方』にも、安全のため、なるべくブルーバードを利用しようって載っています。大使館の人にも「タクシーならブルーバードで」って言われました。こんなので、他のタクシーが淘汰されずに残ってるのが不思議に思えてきます。
 私は「パダンにはブルーバードは走ってないし、メーターの付いたタクシーもないから、今度パダンにも来てちょうだい」。

 こんな感じでおっちゃんと話してたのですが、初対面の男性とまともな会話になったのは、ちょっとした驚きでした。私の言うこともだいたい通じてるようでしたし。
 パダンでは、言うことは通じにくいし、聞き取りもずっと難しいのです。ただ、タクシーの運転手ともなれば、外国人慣れしていたってことはあるかもしれません。英語ができる風でもなかったけど、「この前はフランス人をゴミ処理場に連れて行った。今日は日本人を浄水施設だ」なんて言ってました。

 交通関係のことだけでも、パダンとジャカルタではずいぶん違います。
 パダンではバイクのミラーが左右両側とも付いてるのは珍しいけれど、ジャカルタではだいたい両方ともあるようです。赤信号でバイクや車がちゃんと停まってるし、反対車線を逆走もしていません。
 こんなことが眼に着くぐらい、パダンでは、対向車がエラそうにクラクション鳴らしながら逆走して来るなんてことが日常茶飯事。出生がコントロールできない代わりに、こんなところで人口抑制してるのかと思えてくるほどです。

 囲碁クラブには予定通り訪問することができました。和食のレストランや日本の食材を扱ったスーパーも近くにあります。日用の物はほぼ揃いそうな品揃えですが、値段も日本のままぐらい。物価の差がありますから、私なんかにはちょっと手が出せません。
 囲碁クラブでは温かく迎えていただき、囲碁のルールのインドネシア語版冊子もいただきました。これは役に立ちそうです。
 帰りの飛行機の都合で、あまり長居できなかったのですが、2局打っていただきました。普段はネットでしかできませんから、実際に碁石を持つと、ちょっと新鮮な気分。
 ただ、時間の都合もあったし、対局の結果としても、ちょっと物足りないまま終わってしまったのが残念。
 ちょっと腰を据えて、ジャカルタを再訪する必要がありそうです。

No.61 ジャカルタ訪問(1)(10.10.11)

2010-10-11 22:39:01 | No.61~No.70
 8日と9日の1泊2日で、インドネシアの首都ジャカルタへ行ってきました。
 私は1年半もインドネシアに住んでいるのに、ジャカルタにもバリ島にも、飛行機の経由だけでしか行ったことがなくて、空港から出たことがありません。なので、今回は私にとって初めてのジャカルタ訪問でした。
 今回のジャカルタ訪問の目的は3つありました。
 1つ目は、パスポートの更新。残りの有効期限が1年を切って、次回のビザの更新時には期間が足らないことになってしまいます。メダンの領事館に行くにしても、飛行機に乗っていくことになりますから、この機会にジャカルタに行くことにしたわけです。
 2つ目の目的は、浄水施設の見学のため。ヤマハ発動機がCSRの一環で、中本信忠先生の技術協力を得て生物浄化法を使った浄水施設を作ったのが、ジャカルタ郊外のkarawangという所にあるということなので、それを是非見学に行きたいと思いました。
 我が家での浄水実験については、すでに何度か書いていますが、ド素人が本を読んだだけでやってるわけですから、いくつかクリアしたい技術的な問題もあるのです。
 直接手ほどきを受けることはできなくても、その道の第一人者が作ったものを見学できれば、得るものは多いはずです。
 3つ目は、囲碁クラブの訪問。ジャカルタ在住の碁打ちが集まって、毎週活動してらっしゃるということで、ジャカルタに行く機会には寄らせていただきたいなと思っていました。
 以前に、学生に囲碁を教えようとしたことはあったのですが、全く進展のないまま、その後は立ち消えになってしまっています。ですが、先月から非常勤講師としてブンハッタに通うことになったので、また囲碁を教える機会が得られるかもしれません。
 入門から初級の頃に、人から教えてもらうことがなかった私にとって、入門者や初級者にどう教えればいいのかというのは難しい問題です。対局を楽しみたいのはもちろんですが、そういったことのヒントも得たいと思っていました。

 先に結果を書いてしまいますが、Karawangの浄水施設の見学は叶いませんでした。私がマヌケなせい。
 と、一言で終わってしまうので、これについては書くこともないんですが、ジャカルタを初めて訪問した感想などを書いていくことにします。

 8日は6時パダン発、7時40分ジャカルタ着の飛行機で、ジャカルタのスカルノ・ハッタ空港からはバスで市街へ。まずは総領事館へ向かいました。
 他に適当な時間の飛行機がなかったとはいえ、ちょっと早すぎるなと思ってたのですが、このぐらいの時間でちょうどよかったのです。バスが高速を降りてからはずっと渋滞。
 ジャカルタの渋滞のヒドさはよくニュースにもなっています。そのために首都を移転しようという議論もなされているようです。私はまだジャカルタの地理を飲み込めていないけれど、この2日間の印象では、どこに行っても渋滞してるという感じ。
 ジャカルタは人口1000万を越えるほどの大都市だそうですが、鉄道網はとても貧弱。地下鉄はないし、地上でも市内の移動で使えるような路線がありません。いわゆる新交通の類もない。唯一、トランス・ジャカルタというバスは、専用レーンがあって本数も多く、感覚的には路面電車のようで便利でした。
 軌道を走る乗り物ができればより良いのだけれど、トランス・ジャカルタのシステムなら、パダンでもすぐに作り得るだろうし、あれば便利なのに、作られることはないんだろうな。

 パスポートの更新が済んだ後、昼からはカラワンへ向かおうとしたのですが、ここで私のマヌケっぷりが発揮されます。
 本には「車で1時間半ぐらい」って載ってるし、地図もいただけたので、多少お金はかかってもタクシーですぐ行けるだろうと思っていました。
 その上、浄水施設の住所なんてのも調べていません。ある程度近くまで行けば、その周辺の人ならたいてい知ってるだろうから、聞きながら行けばすぐに着くだろうと思い込んでいたのです。
 カラワンが、日本でいえば「市」に当たるぐらい広い範囲にまたがる地域とも知りませんでした。小さな村で、徒歩圏ぐらいの範囲に絞られるものだと思っていたのです。
 タクシーを捕まえても、「行ける」とは言うけれど、他の人を呼ぶんですよ。実際に連れいて行ってくれた運転手や、カラワンの人に聞いてわかったのは、タクシーの営業範囲に制限があり、乗り入れ禁止区域だったのだそう。