9/09公開の映画「ダンケルク」を鑑賞してきました。
↓以下映画館HPのストーリー紹介からコピペ
1940年、連合軍の兵士40万人が、ドイツ軍によってドーバー海峡に面したフランス北端の港町ダンケルクに追い詰められる。ドイツ軍の猛攻にさらされる中、トミー(フィオン・ホワイトヘッド)ら若い兵士たちは生き延びようとさまざまな策を講じる。一方のイギリスでは民間船も動員した救出作戦が始動し、民間船の船長ミスター・ドーソン(マーク・ライランス)は息子らと一緒にダンケルクへ向かうことを決意。さらにイギリス空軍パイロットのファリア(トム・ハーディ)が、数的に不利ながらも出撃する。
第2次世界大戦で敢行された兵士救出作戦を題材にした作品。ドイツ軍によってフランス北端の町に追い詰められた連合軍兵士たちの運命と、救出に挑んだ者たちの活躍を描く。監督は『インセプション』などのクリストファー・ノーラン。『マッドマックス 怒りのデス・ロード』などのトム・ハーディ、『プルートで朝食を』などのキリアン・マーフィ、『ヘンリー五世』などのケネス・ブラナーらが出演。圧倒的なスケールで活写される戦闘シーンや、極限状況下に置かれた者たちのドラマに引き込まれる。
話の内容もさることながら音響効果全般が素晴らしかったです
私がクリストファー・ノーラン監督の作品を劇場で見るのはインターステラー以来。
史実を下敷きにした映画なのでエンタメ要素は殆どなく、加えて登場人物達の台詞も必要最低限で陸海空3つの視点からなる場面の積み重ねで話が進むのですが、いやはや圧倒されました。
陸海空で時間軸(陸=防波堤:1週間の出来事)、(海:1日の出来事)、(空:1時間の出来事)が異なる場面設定が本当に秀逸でして、
面白いのは(空:1時間の出来事)で描かれる英空軍機パイロットの話は、
(海:1日の出来事)で描かれる遊覧船(民間人)が救出作戦に参加する為にダンケルクに向かう1日の中のまさに到着寸前の1時間であり、
(陸=防波堤:1週間の出来事)の登場人物にとっては絶望的な状況で過ごす1週間の中の最後の1日の1時間であるという事。
時間軸が異なる3つの視点で描かれるそれぞれの状況(戦い)が終盤に向けて収束していくのが本当に見事でした。
あと普通の?戦争映画だと当たり前の様に描かれるシーンが悉く省かれてるのが面白いなと。
例を挙げると、
ドイツ軍の爆撃機や戦闘機は出てきても生身のドイツ兵士は全く画面に出てこないし、
イギリス艦船がUボートの魚雷攻撃に晒される場面でも魚雷の軌跡は描かれますが、
そこでカメラがUボート内部に切り替わって「目標補足、魚雷発射」的な分かり易いお約束な描写は全くなし。
スピットファイアを操縦するパイロットのファリアは飛び続ければ燃料が尽きて帰れなくなるのを分かっていながらも、
友軍を守る為にドイツ軍の爆撃機を追ってダンケルクに向かう...
残り燃料はあと何ガロン残ってるか?というのは冒頭から何度も描写されますが、
だからといって内心の心情を吐露するようなモノローグや台詞は一切ないのに、
観てる此方には「あ、帰るのを諦めたな」と決意するのが分かる場面では鳥肌が立ちました。
決して万人受けする作品ではないと思いますが、まだ見てない(知らなかった)けどここまで読んで何かしら琴線に触れるものがあったよ、という人は映画館で是非どうぞ。
盛大にネタバレしとるやないか! と突っ込まれそうですが、まあ救出劇がどうなったかという史実はググれはすぐにわかりますしねw
というか陸海空で時間軸が異なるという話は事前に知っていたからといって、
面白さがスポイルされる類いのネタバレにはこの映画の場合ならないので大丈夫かと。