弁護士太田宏美の公式ブログ

正しい裁判を得るために

裁判員裁判 中断した場合はどうなるか 福島原発事故の波紋

2011年08月16日 | 福島原発 東日本震災

福島原発事故は思いもかけないところまで波紋を広げていることが
わかりました。

裁判の休廷中に地震が発生したのです。
(休廷中だったことは、不幸中の幸いとでもいうのでしょうか)
当然、再開の予測は立ちません。いったん全員が解任されたということのようです。
多分、裁判員には守秘義務がありますので、長期間の拘束は好ましくないと
いう判断もあったでしょうし、あるいは、裁判員の中に家族や住まいや勤務先など
で、大きな被害に遭われた方もいらっしゅるでしょう。
とても裁判員をやっている場合じゃないという方もいらしたはずです。

おそらく、このような場合を想定した規定はなかったのかもしれません。
いずれにしても記事によると最初から審理をやり直すという制度にはなっていない
ということです。
実際、その必要もないと思います。
むしろ弊害があるかもしれません。というのは、いろいろなことが
見えたところで、もう一度やり直すとなると、実際には、後日わかったことを
もとに主張等を変えてくることがあるからです。

日経の8月14日の記事によると新しい裁判員には前の審理のDVDを見せると
いうことに決まったようです。

この記事を読んでの一番の驚きは、公判の状況が最初からすべてDVDに
収められていたということです。
裁判の審理の状況をすべてビデオでとるということは、裁判員制度が導入された
ためなのだと思いますが、何のためなんでしょうか。
裁判員から疑問が出た時に、ビデオでチェックするためだったのでしょうか。
ちょうど相撲で物言いがついたときなどにビデオチェックをするように?

いずれにしても、多分今回は公判の調書よりは映像で再現する方が当時の状況
をより正確に知ることができると思うので、結果オーライと考えますが・・

ただ、ビデオをとっていたということについては驚きです。何のためだったのでしょう。
運用について知りたいものです。

陪審制の国のアメリカやイギリスでもこういうことは例外的にあるはずですが
どのようにしているのでしょうか。
判事ディードの法の聖域でも、再トライアルのことが時々議論されていますが、
大抵は、費用や手間のことを考えて、再トライアルはしないようにしているようですが・・

不慮の事態に対する対応について、垣間見ることができて良かったです。
防犯カメラの映像と同じような感じだったのでしょうか。

またまた話がそれますが、おそらく裁判所はどのようなことがあっても裁判を
成し遂げなくてはなりません。その用心がこのような措置になったのではないかと
推測します。

そうすると、福島原発だって東電にそういう責任感があれば、不測の事態に備えた
何らかの対策があってしかるべきだったと思います。
あるいは、あったけれども、国民に見せられないということでしょうか。
どちらかというと、対策はなかったか、危機感を全く持っていなかったということ
だと思います。

そして、またまた、話が飛びますが、野田氏が民主党の代表選に出るということですが、
自公民との大連立を掲げているということですが、
これは責任逃れではないかと思うのです。みんなで渡れば怖くないというわけです。
私は、大連立という人は信用していません。自信がないのであれば、辞めれば
いいのです。

いずれにしても、公判の一部始終が録画されていたということは、驚きです。

記事を載せておきました。

皆様はいかがお考えでしょうか?