2013/08/09
昨年12月16日民主党政権 野田首相は夕方に開いた記者会見で、東京電力福島第1原子力発電所の1~3号機の原子炉が「冷温停止状態」を達成し、事故収束に向けた工程表の「ステップ2」を達成したと発表した。
「(圧力容器の)外に出た燃料がどの温度になっているか誰にも分からないのに、終息宣言または冷温停止宣言をするのは拙速なのでは」
との質問に対する野田首相の答弁は、
「圧力容器の外だけではなく、格納容器の色々な場所を計りながら出している結論だ。格納容器の全体が100度以下になっている。しかも安定的であるということを確認したことがステップ2(の完了)」
と、かみ合わないように見えるものだった。このため、記者からは
「質問に答えていない!」
と、再質問を求める声があがったが、司会者はこれを振り切る形で進行。会見後、フリー記者らを中心に、会見の進行のあり方について批判が相次いだ。
いかにも何にも理解出来ていない野田首相が東電の発表を鵜呑みにして収束宣言とも受け取られる発表をしてしまった。
衆院予算委員会は本年3月13日、東日本大震災からの復興に関する集中審議を行った。安倍晋三首相は、野田佳彦前政権が平成23年12月に表明した原発事故の「収束宣言」に関し「地域の話を聞けば政府として収束といえる状況にない。安倍政権として収束という言葉を使わない」と述べ、事実上撤回する考えを示した。茂木敏充経済産業相も「福島第1原発は冷温停止の状態にあるが、廃炉も含めたすべての課題が解決したようにとられかねない」とし、首相と歩調を合わせた。
東京大学で2012年11月12~13日にかけ開催された会議では、発電所周辺の放射能レベルが低下するどころか横這いであるという研究データが提示された。研究者たちによれば、発電所からの絶えず続く漏出に加え河川からの流出が原因の一部である。だが、汚染された堆積物と海洋生物も関連があるようだ。
この程度の汚染レベルが人体に害を及ぼす危険性は非常に少ないものの、三陸海岸の漁師たちには長期的な経済的影響が及ぶ可能性がある。
2011年3月、マグニチュード9.0の地震が日本沿岸を襲った。続けて巨大な津波が発生し、福島第一原子力発電所に押し寄せた。原子炉6機のうち、3機でメルトダウンが発生し、大量の放射能が大気中に放出された。事故発生後、非常用冷却水が海へと流出し、汚染が海洋に広まった。
この原発で海洋へと放出された放射能の量は、過去のどの例と比べても飛びぬけて多い。ウッズホール海洋研究所(米国マサチューセッツ州)の科学者が提示した新しいモデルでは、発電所から漏出した放射性セシウムの量は16.2 x 1016ベクレル(Bq)であると推測されており、これは大気中に放出されたのとほぼ同量である。
その放射能の大部分が太平洋に拡散し、非常に低い濃度にまで希薄化した。しかし、発電所周辺の海洋では、セシウム137の量は1,000Bqのまま横這いであり、自然放射線量と比べると比較的高いレベルである。同様に事故から1年半が経過したものの、底魚から検出される放射性セシウムのレベルに変化はない。
3重の打撃
東京大学で開催された会議にて、科学者たちは放射能が横這いのまま低下しない現状の裏には原因があるはずだという認識に至った。「何か要因があるはずです」と、ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校の海洋学者であるScott Fowlerは述べる。
実際、東京海洋大学の海洋学者である神田穣太が行なった研究結果では、3つの要因が関連している可能性があることが分かった。最初の要因は、降雨により陸地からの放射能が川へ流出し海へと押し出されることだ。2番目の要因として挙げられるのは、発電所自体から一ヶ月に0.3テラベクレル(TBq)の放射能が漏出していることだ。
「いつ漁業を再開できるかという簡単な問題に答えることができません。」
そして最後に汚染の主な原因として神田が挙げているのは、海底堆積物だ。約95TBqの放射能セシウムが発電所周辺の砂の海底に入り込んでいる。しかし、その到達経路は不明である。砂が直接吸収したかもしれないし、プランクトンなどの小さな海洋生物が放射能セシウムを吸収し排泄物をとおして海底に堆積させた可能性もある。河川からの有機堆積物もまた汚染の原因となっている可能性があると、神田は述べる。どのようにたどりついたかに関わらず、「堆積物中に有機物質が混じっていたに違いないのです」と神田は強調する。
プランクトンと堆積物。原因は何であれ、食物連鎖に汚染が入り込んでしまった。福島県周辺の底魚から検出された放射能のレベルは、日本政府が定めた規制の上限値の100Bqを超えている。例えば、アイナメからの検出量は最高で1キロ当たり25,000Bqに上る。しかし、汚染の程度は生物により大幅に異なる。タコやイカは汚染を免れたものの、キンメダイやスズキなどの魚からは時おりお汚染が発見される。全体的に見ると魚や海洋生物中のセシウム量は2012年秋から多少低下し始めたようであると、独立行政法人水産総合研究センターの海洋学者である渡辺朝生は述べている。
一方、漁業への経済的打撃は深刻だ。2011年の原発事故による損失額は、1,000億円とも2,000億円とも言われている。汚染が長引いているため、多くの漁業関連者が事業を停止した。「いつ漁業を再開できるかという簡単な問題に答えることができません」と述べるのは、ウッズホール海洋研究所の海洋学者であるKen Buesselerだ。
「この事故について理解するため、もっと様々なことを行なう必要があります」。Buesselerは、放射能が海洋に放出し続けている様々な原因と、異なる生物にどのように影響を与えているのかを突き止めるため、今後数ヶ月に渡り研究を続けたいと考えている。
福島第1の高濃度汚染水の海への流出は、
・2年前の事故当時からずっと続いていた?
・最近になって地下でルートがつながり、放出が始まった?
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◆安全神話
5重の防護壁に守られ、格納容器から外には「絶対」に漏れる事は無いはずだった。
「絶対」に漏れてはいけないが、「絶対」に漏れないになり、「絶対」に安全となり、「安全神話」となった。
もし漏れたら、どうするのか?どうやって対策するのか?という極めて単純かつ科学的な疑問は、そのうちに意識的に封殺するようにしてしまった。
なぜ、優秀なはずの科学者たちが、そういう非常識な非科学的な意識構造になってしまったのか?
それはたぶん、
「もし漏れたら対策は不可能!」
「もし事故が発生したらもはや収束はできない!」事を、
科学者たちは最初から知っていたからなのではないか?
本来、そんな技術は決して商業化してはいけないものである。
「原発の技術とは、安全を決して保証できない技術」であり、
「原発を安全化する事は原理的に不可能」である。
それを知っていながら、決してしてはならない商業化をしなければならなかった。
だから、科学者たちは自分の心に蓋をしてしまうことにしたのではないだろうか?
⇒
今現在、今度は、私たち国民が、同じあやまちを繰り返そうとしているのではないか?
『流出元など専門家で分析=福島第1の汚染水流出-規制委』 2013/07/29 時事
「東京電力福島第1原発事故の収束作業を監視する原子力規制委員会の専門家会合が29日開かれ、放射能汚染水の海への流出について、東電の担当者が現状や対策などを説明した。規制委は汚染水の流出元の特定や、環境への影響などを分析する分科会の設置を決めた。
東電は汚染水がたまっているトレンチ(ケーブルなどの配管用トンネル)の下に敷いてある砕石層を通じ、汚染が広がっていると分析。周辺の土壌に止水剤を注入する工事を続けているほか、トレンチ内の汚染水を浄化する装置の設置や、汚染水がこれ以上トレンチに流れ込むのを防ぐため、タービン建屋との間を止水する計画などを説明した。」
『トリチウムも高濃度=2号機海側トレンチ-福島第1』 2013/07/28
「東京電力福島第1原発2号機タービン建屋海側のトレンチで採取した水から高濃度のセシウムなどが検出された問題で、東電は28日、同じ26日に採取した水からトリチウムが1リットル当たり870万ベクレル検出されたと発表した。法定基準に比べ145倍の濃度で、高濃度汚染水がたまっていることが改めて確認された。
このトレンチは海から直線で約50メートルの場所にあり、周辺の観測井戸で検出された高濃度汚染水の流出源の一つである可能性が指摘されている。東電は「事故当時の汚染水がとどまっている」と説明するが、地下の汚染状況は十分把握できておらず、拡散の経路も解明されていない」
『2号機海側で高濃度汚染水=セシウムなど、事故時に滞留か-福島第1原発・東電』 2013/07/27
「東京電力は27日、福島第1原発2号機タービン建屋東の地下でケーブルなどの配管が通る部分のうち、海から約50メートルの地点で採取した水から、1リットル当たり23億5000万ベクレルのセシウムなど高濃度の放射性物質が検出されたと発表した。事故当時の汚染水が滞留している可能性があるという。
東電によると、採取したのは26日。測定の結果、セシウム134が1リットル当たり7億5000万ベクレル、セシウム137が同16億ベクレル含まれていた。また、ストロンチウムなどのベータ線を出す放射性物質も同7億5000万ベクレル検出された。
この地点より海に近い場所で17日に採取した水から測定された値は、セシウムが1リットル当たり3600万ベクレル、ベータ線を出す放射性物質が同2300万ベクレルだった。
東電は濃度差などを根拠に「今回測定された高濃度汚染水は隔離された状態だと考えている」としているが、地下の汚染状況は全体像がつかめておらず、地下水への放射性物質の流入経路も依然として明らかになっていない」
『東電、汚染水流出対策を説明=規制委員長発言に反発も-福島県漁連』 2013/07/26
「福島県漁業協同組合連合会(県漁連)は26日、福島市で組合長会議を開き、東京電力福島第1原発の放射能汚染水流出対策について、東電から説明を受けた。東電は、原発敷地内に流入する地下水を汚染される前に海に流すことも計画しているが、組合長からは「汚染水の流出が止まらないと計画実施はあり得ない」など批判の声が相次いだ。
県漁連の野崎哲会長は、冒頭、「汚染水流出を限定的にとどめ、環境への影響を最低限にするよう国と東電には対策してもらいたい」と述べた。
会議では、24日に原子力規制委員会の田中俊一委員長が低濃度汚染水の海洋放出に言及したことについて、「簡単に認められない」と反発の声が上がった。野崎会長は「(発言の)真意を確認している。原子炉建屋を通った(汚染された)水の海洋放出は認めないという立場は変わらない」と強調した」
. 福島県、 福島県福島市 についての質問
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質問日時:2013/7/29 14:50:20.
解決日時:2013/8/5 09:45:15.
閲覧数:155回答数:1..ベストアンサーに選ばれた回答rit0420さん
データからして本格的に漏れ出したのは最近でしょう、但し以前から可能性を指摘されて来た事です。
東電はこの場に及んでも、最低限で凌ぐ事しか考えていません。漏れていなくても地中ダムを作り始めるとか、幾ら掛かろうとも結果的に無駄になろうとも可能な限りの努力をしてあらゆる危険要因を排除して貰いたい所です。
更に酷いのが規制委員会です、東電には任せて置けないと言う割には「海に捨てさせてくださいと言うのは私たちの仕事ではない」と他人事の様です。一次的責任は無くても国民から任されている以上、東電と一緒になって地元に土下座する位の覚悟が欲しい所です。(海への放流自体は本当に困った事ですが、)
ごたごた言わず一刻も早く、海洋への汚染水の流出を止めるべき。
このままでは、取り返しのつかないことになる。
東電ができなければ、東電から福島第一原発関連業務を切り離し、国の責任で処理すべ
しと考える。