彼は旅に出ていた、
やがて、久しぶりに故郷にたどり着いた
待っているはずの、妻と息子の姿は無かった
流行病で死んでしまった。
愛する妻と息子を失って、生きる気力を失った。
食事が、喉を通らない・・・
見る見る、やせ細った・・・・
彼もまた「黄泉の国」をさまよった。
やがて彼の、命の火が消えようと誰もが思った・・
しかし、神は見捨てなかった
一瞬のひらめきが出口を照らした
一瞬のひらめきが、生きる気力を取り戻した
「病気で戦いで、簡単に失われる人の命の
はかなさに、未来をあるのだろうか?
未来を見たいと願った」
彼は神に祈り続けた・・・
そして、願いがかなった。
器に入れた水面にさざなみが立ち、
見知らぬ光景が移り始めた
夢中で未来を見続けた・・・
面白くて・・
面白くて・・・
30年の時が過ぎた
そして、発見した・・・
不思議な本・・・諸世紀・・・
「わしは、本なぞ書いていないのにわしの本がある?」
そして、写教ならぬ写本をはじめた