Forbes に掲載されたマイケル・シェレンバーガー氏の記事に、 マイケル・ムーア監督の最新作のことが書かれていました。どうも、再生可能エネルギーにまつわるビジネスの裏には、色々な嘘があるというのです。
過去10年間、イーロン・マスク、アーノルド・シュワルツェネッガー、アル・ゴアといった社会的影響力のある著名人からアップルといった企業まで、ソーラーパネルやウィンドファームなどの再生エネルギーの素晴らしさを力説してきました。それは、石炭や石油、天然ガスなどの化石燃料よりも、環境負荷が小さいからだというのです。
マイケル・ムーアの最新作「Planet of Humans」
これに対して、最近、マイケル・ムーアが製作を手がけたドキュメンタリー映画「Planet of Humans」では、この業界の欺瞞に満ちた実態が暴き出されています。
先ず、マイケル・ムーア氏は、この映画を撮るまでは、太陽光パネルは永久に使えるものだと思っていて、それがどうやって作られているかを知らなかったそうです。また、この映画の監督ジェフ・ギブスも、ソーラーパネルの寿命が短いことを初めて知ったということです。基本的な認識に欠けていると考えられます。
さらに、人類がエネルギーの枯渇に直面しているという話を信じていたようですが、取材や調査の結果、それは真実ではなく、地中には数百年から数千年にも及ぶ人類の活動に必要な石油が埋蔵されており、原子力エネルギーもほぼ無限と言えることを知ったということです。
https://www.youtube.com/watch?v=Zk11vI-7czE
再エネビジネスの舞台裏
この記事の内容を要約し、若干コメントを付けると以下のようになります。
・この映画は、環境保護活動の舞台裏を探っている。アップルは、100%の再エネ導入率を自慢し、観衆の拍手を浴びていた。しかし、ギブスが取材した再エネの専門家からは、「太陽光や風力のみで運営している企業は、地球上に1社も存在しない」という話を聞いた。この映画には、アップルの太陽光施設を建設するために、切り倒された森が描かれていた。➡再エネだけで企業運営ができないのは当然の事実です。
・環境保護イベントのアースデイ創設者のデニス・ヘイズは、2015年のイベントの会場で、太陽光エネルギーのみでコンサートが運営されていると宣言した。会場の裏ではディーゼル発電を動かしていた。➡再エネに負荷変動はつきものなので、バックアップ電源が必要となります。
・イーロン・マスクは、テスラのギガファクトリーが、再生可能エネルギーで運営されていると主張するが、実際は既存の電力網に頼っている。➡これも当然そうでしょう。
再エネ、バイオマスとは
・映画では、未来のエネルギーとしてバイオマス燃料も取り上げている。科学者の中には、バイオマスやバイオ燃料がブラジルやマレーシアの熱帯雨林を破壊すると述べる人もいる。環境に優しいとされるエネルギーだが、石油や石炭よりもずっと多くのCO2を排出している。
➡バイオマス燃焼時に排出されるCO2は、カーボンリサイクルという概念があるため、排出量としてカウントされません。この概念は、樹木が大気中から吸収したCO2が、バイオマス燃焼後、再度大気中に戻るだけであるため、大気中のCO2濃度の増加に影響を与えるものではないというものです。化石燃料も植物由来ですから、バイオマスと言ってもおかしくはありませんが、そうはなっていません。
・バイオ燃料を生産するためには、原料となる大量の植物が必要であり、その栽培面積は巨大なものとなる。最も効率的な原料である大豆の栽培には、石油油田の450から750倍の面積の農地が必要である。ブラジルで普及が進んでいるバイオエタノールの生産のために、石油の産出に必要な土地の400倍の農地が必要となる。➡CO2の吸収源となる森林が大規模に切り開かれ農地になっています。
ソーラーパネルの不都合な事実
・ドイツを再エネ先進国だと思っている人がいる。しかし、2019年の太陽光や風力は、電力エネルギー全体の34%の寄与率しかなかった。ドイツのエネルギーの大半は、天然ガスや石油、トウモロコシ由来のバイオガスから生み出されている。
・太陽光パネルの製造には膨大な種類の素材が必要となる。ソーラーパネルの製造には、原子力発電プラントの16倍にも及ぶセメントやガラス、コンクリートや鉄が必要で、排出されるゴミの量は300倍にも達するという。
・米国の場合、ソーラーパネルの製造やソーラーファームの建設資材の多くは、石油や石炭、天然ガスなどのエネルギー産業を操るコーク・インダストリーズが供与している。
まとめ
環境を守ろうとする人々の行動が、結局は、さらなる環境破壊を引き起こしてしまう。太陽光発電が人類を、未来に連れて行ってくれると信じ込んでいる人々は多い。けれどもそれは妄想に過ぎない。
過去10年間、イーロン・マスク、アーノルド・シュワルツェネッガー、アル・ゴアといった社会的影響力のある著名人からアップルといった企業まで、ソーラーパネルやウィンドファームなどの再生エネルギーの素晴らしさを力説してきました。それは、石炭や石油、天然ガスなどの化石燃料よりも、環境負荷が小さいからだというのです。
マイケル・ムーアの最新作「Planet of Humans」
これに対して、最近、マイケル・ムーアが製作を手がけたドキュメンタリー映画「Planet of Humans」では、この業界の欺瞞に満ちた実態が暴き出されています。
先ず、マイケル・ムーア氏は、この映画を撮るまでは、太陽光パネルは永久に使えるものだと思っていて、それがどうやって作られているかを知らなかったそうです。また、この映画の監督ジェフ・ギブスも、ソーラーパネルの寿命が短いことを初めて知ったということです。基本的な認識に欠けていると考えられます。
さらに、人類がエネルギーの枯渇に直面しているという話を信じていたようですが、取材や調査の結果、それは真実ではなく、地中には数百年から数千年にも及ぶ人類の活動に必要な石油が埋蔵されており、原子力エネルギーもほぼ無限と言えることを知ったということです。
https://www.youtube.com/watch?v=Zk11vI-7czE
再エネビジネスの舞台裏
この記事の内容を要約し、若干コメントを付けると以下のようになります。
・この映画は、環境保護活動の舞台裏を探っている。アップルは、100%の再エネ導入率を自慢し、観衆の拍手を浴びていた。しかし、ギブスが取材した再エネの専門家からは、「太陽光や風力のみで運営している企業は、地球上に1社も存在しない」という話を聞いた。この映画には、アップルの太陽光施設を建設するために、切り倒された森が描かれていた。➡再エネだけで企業運営ができないのは当然の事実です。
・環境保護イベントのアースデイ創設者のデニス・ヘイズは、2015年のイベントの会場で、太陽光エネルギーのみでコンサートが運営されていると宣言した。会場の裏ではディーゼル発電を動かしていた。➡再エネに負荷変動はつきものなので、バックアップ電源が必要となります。
・イーロン・マスクは、テスラのギガファクトリーが、再生可能エネルギーで運営されていると主張するが、実際は既存の電力網に頼っている。➡これも当然そうでしょう。
再エネ、バイオマスとは
・映画では、未来のエネルギーとしてバイオマス燃料も取り上げている。科学者の中には、バイオマスやバイオ燃料がブラジルやマレーシアの熱帯雨林を破壊すると述べる人もいる。環境に優しいとされるエネルギーだが、石油や石炭よりもずっと多くのCO2を排出している。
➡バイオマス燃焼時に排出されるCO2は、カーボンリサイクルという概念があるため、排出量としてカウントされません。この概念は、樹木が大気中から吸収したCO2が、バイオマス燃焼後、再度大気中に戻るだけであるため、大気中のCO2濃度の増加に影響を与えるものではないというものです。化石燃料も植物由来ですから、バイオマスと言ってもおかしくはありませんが、そうはなっていません。
・バイオ燃料を生産するためには、原料となる大量の植物が必要であり、その栽培面積は巨大なものとなる。最も効率的な原料である大豆の栽培には、石油油田の450から750倍の面積の農地が必要である。ブラジルで普及が進んでいるバイオエタノールの生産のために、石油の産出に必要な土地の400倍の農地が必要となる。➡CO2の吸収源となる森林が大規模に切り開かれ農地になっています。
ソーラーパネルの不都合な事実
・ドイツを再エネ先進国だと思っている人がいる。しかし、2019年の太陽光や風力は、電力エネルギー全体の34%の寄与率しかなかった。ドイツのエネルギーの大半は、天然ガスや石油、トウモロコシ由来のバイオガスから生み出されている。
・太陽光パネルの製造には膨大な種類の素材が必要となる。ソーラーパネルの製造には、原子力発電プラントの16倍にも及ぶセメントやガラス、コンクリートや鉄が必要で、排出されるゴミの量は300倍にも達するという。
・米国の場合、ソーラーパネルの製造やソーラーファームの建設資材の多くは、石油や石炭、天然ガスなどのエネルギー産業を操るコーク・インダストリーズが供与している。
まとめ
環境を守ろうとする人々の行動が、結局は、さらなる環境破壊を引き起こしてしまう。太陽光発電が人類を、未来に連れて行ってくれると信じ込んでいる人々は多い。けれどもそれは妄想に過ぎない。