New Horizon

~紆余曲折の日々の中で...

去りゆく年、2010年

2010-12-26 | 暮らし
2010年も、間もなく終わってしまう。年ごとに、思いもしないような事件や事象が起きている。それが当たり前となると、いつの事だったのかさえ忘れてしまいそうだ。

今年、先ず思い出すのは、政治・外交の混乱と経済の低迷ではなかろうか?日本の将来に暗澹たる不安を感じざるを得ない1年であった。民主党に1票を投じた者として、落胆と失望の連続であったと言ってもいい。

また、猛暑や豪雨などの異常気象を実感した。10月は名古屋で生物多様性国際会議のCOP10が開催された。こうした地球的な課題を解決するに当たっては、世界が一つとなって取り組むべきだが、メキシコのカンクンで開かれた気候変動に関する国際会議(COP16)でも見られるように、全然まとまりがなく、個々の事情や言い訳に終始する姿を垣間見る。

レアメタル、レアアースの資源争奪戦も熾烈になってきている。環境コストなどを無視しつつ、安い価格で資源を輸出してきた中国であったが、禁輸という政治的な圧力を契機として、世界からの風当たりが強くなった。自業自得の暴挙だったと云えるのかも知れない。石油ほど偏在していないわけで、代替地からの資源獲得も現実味を帯びてきたのは良い兆候だと思う。

資源循環といえば、水資源の問題、有価物のリサイクルなど色々ある。どれも難題であって、一国では解決できない。人口、貧困、フェアトレードなど、課題山積の日本、世界である。

エネルギー関連の仕事をしていても、先々のことを考えると明確なビジョンを描き得ない。技術がどうのということではなく、他の化石燃料、非化石燃料、再生可能エネルギーなどとの関係で、経済性の面から、実現可能性が決まってしまう。従って、もう一つパワーが出ないし、ベクトルが一方向に向かない。5年先、10年先、果たして20年先、無理だろうか?

一方で、近々の2012年問題というのがある。主要国のトップが変わってしまい、世界の動きが微妙になるということだ。もう一つ、フォトンベルト云々の摩訶不思議な話も流れている。果たして、その前年の2011年は、どういう年になるのだろうか?


気になる環境データ

2010-12-13 | ビジネス
日経エコロジーに掲載されている気になる環境データによれば、2006年における日本人のエコロジカルフットプリントは 4.1ghaで世界平均の1.5倍である。また、全世界が日本人と同じような生活をした場合、地球が2.3個分の土地面積が必要だという。(WWFジャパンとグローバル・フットプリント・ネットワーク)

エコロジカルフットプリントは、資源の消費や CO2 の排出など、人間の生活が地球環境にどのくらい負荷を与えているのかを測る指標で、単位はグローバル・ヘクタール(gha)。

フットプリントの67%を家計消費活動が占めているとしている。その内、36%が食料で最も大きな負荷を掛けている。食べずに廃棄する量は、年間 1380トンにも達する。次いで、サービス(19%)、交通(17%)、住居(15%)、商品(13%)となっている。

国別でトップはUAE、米国、アイルランド、クェート、ニュージーランド、デンマークと続いており、日本は世界ランクの29位で、65%がCO2の排出による。

と読んでいくと、日本も29位ではあっても、なすべきことは多いように思う。先ずは、食べずに廃棄する食料の減量化、無駄買いはしないといった事から始めるべきであろうか。食料廃棄とCO2の排出の二つを考えると、遠隔地から輸送して来てはカーボンフットプリントも莫大な数値になるし、それを食べずに捨てているようでは、数値は増加するばかりである。地産地消の重要性がここにあり、交通も絡まってくると考えれば三重の効果がある。

それにしても、よく言われてきてことだが、「もったいない」の精神にも反する年間1,000トンを優に超す未使用食品の廃棄は、何とかならないのだろうか?廃棄物を集めて堆肥にするとか、焼却して廃熱として回収する、メタンを回収してエネルギー源としての利用、水素を製造して燃料電池に使うだとか、色々利用方法はあるにはあるが、第一に行うべきは減量化であろう。



2010エコプロダクツ展

2010-12-10 | ビジネス
2010年のエコプロダクツ展に行ってみた。会場のビッグサイトに到着すると長~い列が出来ていた。それも女性が多い列。「エコ」や「LOHAS」に関心を持つ女性は多いが、ここまでとは?と思いながら歩いて行く。あ!オンワードの行事のようだと納得。

エコプロダクツ展の受付に行く。11時頃、それほど混雑もしていない。今年は景気もいま一つだから、環境に対しては低調なんだろうかと思いながら会場に入っていった。中は、結構な数の訪問者で賑わっていた。

先ずはざっと歩きながら人の混み具合を確認する。あ~、去年よりも多数の人が来ているような気がしてきた。午後になるほど、人がどんどん増えていく。気づいたのは、中学か高校生の団体が多いと言うことだ。まるで、遠足のよう!団体旅行のように旗を頭上に掲げて引率している人もいた。昔のエコプロダクツ展はこんなことはなかった。いい傾向なんだろう。もし、環境が悪化していけば、その影響を被るのは彼らだし、純真な目が見ていることに気がつけば、いい加減な大人の気持ちに緊張感を与えることになるかも知れない。

会場は、各事業者の展示の他に、グリーンフーズ、エコ書籍、NPO、大学、自治体などの展示もあり、大変多様な活動を知ることができた。混雑には、少し疲れはしたが...

DOWAのレアメタルやレアアースのリサイクル技術、プリウスの内部の公開、太陽光発電、クリーンコール技術などのブースを訪れ、質問などをさせて貰った。

メキシコのカンクンではCOP16が開催されている。コペンハーゲンでのCOP15と同じように、具体的なことが何も決まらない公算が強い。国益だとか色々な理由をつけて、結局は、何もできない。総論賛成、各論反対の典型である。そうこうして時間だけが過ぎていく。

民間企業は、それぞれ事業努力をしていることが分かるが、それだけでは、うまくはいかない。日本の技術が素晴らしいのであれば、それをカードに世界に訴えていくべきだが、単に個々の技術だけを売っていくだけでは広がりも生まれない。日本の技術は素晴らしいが、ガラパゴス化しているという話もよく聞く。韓国や中国が追っかけて来る足音が聞こえるだとか、既に追い越された分野もあるだとか、色々な声が聞こえて来る。グリーンイノベーション、グリーン革命の分野でも、経済性や現地の受容可能性、発展性などなど、考慮すべき要因は多い。