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僕の人生の今は何章目ぐらいなんだろう?

昨日に戻りたいと思うよりも、
今日を楽しみ、
明日が待ち遠しいと思える、
そんな人生を送りたい。

One&Lonely

2006-09-08 15:11:13 | ヒトの気持ち
他に客のいない店でその娘は、誰かに電話をしていた。
マスターはいつものようにコーヒーを嗜んで、
彼女の電話を聞かないように波乗り仲間と電話をしていた。

ねえ、覚えてる?夕焼けに染まる根岸の外人ハウスの空の遠くに、
くっきり見えた富士山を眺めながら、ずっと、自分の店出す話をしていたことを。あの時が、一番幸せだったかもしれない。
何も知らなくて、何も考えなくてもよくて、何も求めたりなんてしなかった。
あれから流れた時の中で、とどまることを知らずに燃え盛るような情熱的な愛と、それに応えるには十分過ぎるほどの嫉妬の嵐に翻弄されて、しとやかな思いは激流のように変貌していった。
お願い、そのままでいいから、何も応えず、何も言わなくていいから、ただ黙って静かに聞いていて欲しい。
最後まで聞いていて欲しいの。切らずに、ねえ、このまま。
あのね、あなたは私をどうしたいの?私はあなたを愛していきたい。
だから、違う道を歩いて行きましょう。今なら、あなたと過ごした時間は、幸せな時間として封をするコトが出来る。
今年のランドマークのクリスマスツリーのトップスターが輝く頃には、涙も消えて、笑顔で過ごせているかもしれない。
何が起きたの?って、何も起きてはいないの。
ただ、スレ違いが大きくなっただけ。
私もあなたに癒されたかったけれど、あなたはそれ以上に私に癒しの場を求めていた。
そんな小さな思い違いが、お互いの思いやりの限界を超えて行っただけ。
でも、やっぱりこのまま離れてしまうのは、余りに辛過ぎる?
星降る聖夜に願いが叶うなら、素直な気持ちに戻った二人をあのクリスマスツリーの下で、もう一度、引き合わせて欲しい。
あなたが私をずっと愛していってくれるくらい、私もあなたをずっと愛していきたい。
最初から、やり直すことは出来ないけれど、新しい二人の灯りをまた始めから一緒に灯していきましょう。
小さな幸せのかけらが二人の上に静かに降り積もる今宵、静かな愛のひとときを。。

マスターが電話を置きカルバドスとライムでカクテルを作り始めた、
ジャック・ローズ。
彼女の瞳から素敵な宝石がカウンターに・・・
そして物語は星降る聖夜の前に始まった。
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