診察室でのひとり言

日常の診察室で遭遇する疑問、難問、奇問を思いつくままに書き記したひとり言

令和4年 オミクロンと共に明けた新年

2022年01月10日 | 新型コロナウィルス

令和 3 年は疾風の如く過ぎ去ってしまったような一年だった。昨年のコロナ第 5 波が終わり、暫く安堵な時期を過ごすことができ、外食や旅行など多くの人たちが楽しんでおられたのも束の間。年末からオミクロン株が急激拡散しだし、1 月になってからは二次関数的に増え続けている。これまでとどこが違うかと推測すると、この感染様式はデルタ株でも言われた数メートル四方の空気感染がもっと強烈になっているものと考えられる。要するに、マスクを外した感染者が数メートル四方に一人でもいれば、ほぼ全員感染するほど感染力が強いと考えられる。今まで以上に飲食店に行けば危険で、ほぼ確実に感染するであろうと思われる。つい立など全く効果なく、話しをするときだけマスクをしたって効果は低い。飲食店に行くなら、ある程度の覚悟を持って行かなければならないであろう。飲酒なんて関係なく、マスクを外すところに行けば全滅でしょう。安全を期するなら、3 回目のワクチン接種とオミクロン株感染のピークが過ぎてから飲食、旅行に行くのがいいだろうと思う。しかし、相変わらず重症者が少なく軽症で終わるという報告(報道)が中心になっている。この言葉、非常に曖昧で、我々が知りたいのは肺炎がどの程度起こっているのかということである。もう少し、TVに出てくる医者も芸能人気取りせず、ポイントを抑えた解説をしてもらいたいものである。インフルエンザもこの冬は流行するので是非ワクチン接種をするようになんて飛んでもないことを言うので、10 月ごろはクリニックの受付はパニックでした。こんなの流行する訳がないと否定するのも大変で、案の定、83 万人の堺市は 1 月現在で定点報告でゼロ。例年、12月には学級閉鎖が頻出している小中学生の感染もゼロである。専門家?? 全国の医療施設に迷惑をかけた分、牢屋にでも入っていて欲しいところである。高齢者は、従来の風邪でも肺炎を起こして入院したり、発熱が数日続いて食事が摂れなく脱水になり、そのまま重症化し入院になるケースもある。このようなものを重症といわれてしまうと、本来のオミクロン株に対する警戒感が変わってくる。兎に角、肺炎になるケース(年齢、体格、男女差など)を提示してもらいたい。恐らく、従来の風邪とあまり変わらないのではないかと推測する。私が医者でなければ、もし発熱、咽頭痛などが出てもPCR検査は受けない。黙って、自宅で療養しておく。数日経って悪化するならその時点で考える。家族に感染しても風邪がうつった程度なら大きな迷惑は掛からない。コロナの内服薬? そんなの数が少なくて廻ってこない 。しかし、今、現役の医者をしている以上、感染する訳にはいかず、私と私の家族は、11 月ごろに緩んでいた外食などは当分しないこととした。2 日前、53 歳のNさんからクリニックの受付に報告の電話があった(私は診察中だったので直接話を聞けなかった)。『 朝から少し悪寒をしたので体温を測ったが正常。薬局で無料で PCR検査をしてくれているので検査を受けたら陽性でした。 』 要するに感染の報告です。この後、ホテル療養なのか、自宅療養なのかは不明であるが、わざわざ PCR検査を受けなくても、自宅で 23 日様子を見ておけばよかったのではと思われる。最早、家族は感染していると思われる。他人に移しては迷惑だと律義に考えておられる方も多いと思われるが、感染拡大を防ぐことは 100 %不可能である。家族で誰かが罹れば皆掛かる。それぐらい、感染能力は強いようである。まあ、今まで以上にマスクを外した人のいるところに行かないことが唯一の予防になるのだが。当院で昨年末までのコロナ感染者は 10 数名(申告者)、死亡者 3 名だった。カラオケ、飲食店を頻繁に訪れる本人、家族からの感染、そして重症化(人工呼吸器装着)した患者さんは 85 歳以上の 2 名と 40 歳台、50 歳台の極端な肥満者の方という特徴があった。これは従来株、デルタ株でのことである。オミクロン株の注目すべき点は、兎に角、肺炎患者の割合とその特徴(年齢など)を早く公表されることである。昨年 12 月から始まった医療従事者の 3 回目のワクチン接種。昨日、私も接種を受けた。5 時間後より接種部位の筋肉痛を今日も感じているが、2 回目のような悪寒や倦怠感はなく、1 回目のような筋肉痛だけである。


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