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日本心理学会シンポ1

2010-09-25 02:51:23 | Weblog
今週初日の2010年9月20日月曜日~22日水曜日の3日間、大阪大学豊中キャンパスで日本心理学会74回大会が開催されました。

3日とも自宅から通いでの参加となりました。

初日の20日は9時半からシンポジウムNo.1「精神神経内分泌免疫学研究の応用ー臨床・ストレス予防への利用ー」。

司会は名古屋大学の木村健太先生。

まずは若手心理学者2名が登場。

労働安全衛生総合研究所の井澤修平先生が、「唾液中コルチゾールを用いたストレス評価」と題して、コルチゾールの基礎から測定法、そしてフィールド研究への応用としての起床時コルチゾール反応(CAR:cortisol awakening response)を用いたパニック障害患者の暴露療法の評価研究を紹介してくれました。

つぎに、久留米大学の岡村尚昌先生が、「起床時コルチゾール反応を用いたストレス研究」と題して、抑うつ傾向の人では起床時コルチゾール反応が平日と休日で変わらないが、抑うつ傾向のない人では休日になると弱まることを報告。さらに、ADHD児では起床時コルチゾール反応が認められなかったのが、夏期休暇中キャンプ療法で起床時コルチゾール反応が認められるようになったと報告。

いずれも心理学的な介入によって、起床時コルチゾール反応に変化が現れたことを示すとても興味深い結果でした。

ついで、藤田保健衛生大学の坪井宏仁先生が「抑うつと酸化・炎症ー予防と介入のためのヒント-」と題して、エネルギー代謝としての酸化が過剰となるとLow Grade Inflummation(炎症)状態となり、抗酸化物が増加すると解説。抗酸化物が抑うつと関係が深いことを報告してくれました。また肥満による高脂質酸とうつとの関係も示してもらいました。

以上3方の発表に対して、徳島大学の佐藤健二先生と私が指定討論者としてお話させてもらいました。

わたしの指定討論の要旨は別にJPGファイルを添えて掲載しておきます。

若手による最新の唾液中コルチゾールを用いた研究成果の報告は、論旨がしっかりし、かつ堂々とした発表態度もあいまって60-70名の聴衆を魅了したことでしょう。

朝一番とあって参加者が少なかったのが残念でしたが、PNEIの臨床応用研究が日本心理学会のシンポジウムとして取り上げられたこと自体画期的なことだと高く評価したいとおもいます。

2010/09/25・記




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