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旧★キャバリアのふく★ブログ

謎の営業マン

2008年01月26日 | スタッフコラム
ある代理店の営業マンのお話。

彼は50代半ばの営業マンで、物腰はとてもソフト。
しかし、とても謎めいた所があり、
最近のワタシの「お気に入り」というか観察対象のひとつになっている。

まず最初に。風貌がとてもオモシロイ。
白髪になった「のび太」のようなヘアスタイルに、
ねずみ色のスーツ。
なのに足元はいつも赤いスポーツシューズ。

「自宅から会社までランニングで通勤」といったライフスタイルなのかしら・・と
思いましたが、階段を下りる時は必ず手すりを持っていて、ちょっと危なっかしい。
健脚というには、ちょっと心許ない感じ。

逆に、
「怪我でもされたのかしら?」と思ったけど、どこに行くのももの凄く無駄に遠周りする。
この間の大雪の時でさえ、暖房が利いている建物の中に
いくらでもエスカレーターやエレベーターがあるのに、
わざわざ外に出て、寒い外階段を行ったり来たりさせられた。
足に怪我をされているとか、リハビリ中ってワケでもなさそう。

性格だけど。
臆病なんだか大胆なんだか、なんだか分からない。
絶妙に分からないところがオモシロイ。

私のような外部のプランナーとクライアントさん(企業)を直接対面させると、
外部プランナーは仕事を横取りするモノだと思い込んでいる節がある。
そういう苦い経験が、実際にあったのかもしれない。

ワタシが彼に会った時まず言われたのが、
「優秀なプランナーさんは、クライアントさんから依頼されているコト以上の提案をして、
仕事を取ろうとされる方が多いけれど、今回はそういうことはナシでお願いします。」だった。

イキナリだったので面食らったが、分からないでもないので、
「はい。」と素直にお返事した。
で、ワタシは。「要するにオトナシクしてろってことね。」と理解し、
クライアントさんの前では発言はせず、じーっとしてようっと、楽だし。と思った。
そして企業さんとの打ち合わせになった時、これがまた笑える程面白かった。

まず企業さんは企画書に対して、質問してきます。
企画の説明は私がする段取りになっていたので、当然企業さんも、
質問は私にするでしょ?
そうすると営業マンがね、今ワタシに企業さんが言った質問を、
言葉を変えてもう一度ワタシに言うワケですよ。
通訳してくれてるのよ。

「今仰った意味は、○○は○○という理解で良いですか?ってことだと思うんですけど、
 これは御社からお答え下さい。」とかね。

それがまた「そうです」か「ちがいます」以外に答えようのないことまで、
通訳するわけ。
しかもその通訳が、若干間違ってたりするからオモシロイ。

かと思うと。
「このプランをもう少し膨らませて、例えばこんな風にはできませんか?」という
コスト絡みの提案を企業からされた時、
こんな時こそ代理店さんにお答え頂きたいのにだな、
その時は「じ~ぃっと」黙ってるの。
賢明にメモとってんだな。

しばし沈黙する会議室。

ワタシは焦ってしまって「そうですね。代理店さんと相談して、改めてご提案致します。」とかなんとか言ってお茶を濁す。

するとですね。
打ち合わせ直後のエレベーターの中で、
「今日の会議での素晴らしかった点」として、「代理店さんと相談して・・」のフレーズをお褒め頂くという具合。
そ、それかいっ!!

そして。
ビルの外に出てから一旦必ず姿を消す。
「ちょっとここで待ってて頂けますか。」と。
寒空の下で、4~5分待たされる。
そして再び登場して「では、また連絡します。」と言われる。
それだけ言うために・・・・。待たされてたわけ?

最初はタバコでも吸いに行ってるのかな?と思った。
が、どうやら企業さんに電話して
次のステップの再確認をしているようだと分かった。
なにかよっぽどワタシに聞かれたくないような彼なりの秘密事項があるのだろうか。
謎だ。

謎の行動はそれだけではない。
夜の十時に「今から資料を渡したいので来社してくれ」と突然電話があり。
もう自宅にいるのでメールで送れませんか?と聞いたら
非常に込み入っているので無理だという。
で彼は。
「ならお届けするのでご自宅の住所を教えてください」と言うではないか。
それもさ、宅急便だと明日になっちゃうし、バイク便だと高いので、
アタシんちまで持って来るって言うんだよ!
ありえん。。。
そうまでして届けたい資料とは・・・。

謎だ。
謎のままであった。

「さっきの話は忘れてください。」という電話が、30分後にかかってきた。

そして今日。
最終の提出物について、変更指示があり。
その変更指示は企業さんが「作業している人に直接伝えたい」と言ったそうだが、
その営業マンが気を利かせて下さって(本人談)、
ヒアリングされた内容だった。

ワタシは、言われた通りに修正して送った。
それは全然、たいした作業でなかったので、すぐ出来たのだが。

その最終原稿に対して。
その営業マンから、こんなコメントが返って来た。

「これで良いんですね。責任の所在をはっきりさせておかないと。
 あなたの校了を頂いたってことで、認識して良いですか。」

おいおい、ちょっと待ってくれよ。だ。

校了というのは、
制作物を印刷したり、作っちゃったりする前に、
企業さんが「ホントにコレでOKです」と確認するモノ、ハンコみたいなもんで。
もしミスがあっても、オレがケツを持ちます!という意思表示みたいな感じで。
実際は、だからと言って、制作会社や代理店が「オレは知らねえよっ」とは言えないんであるが、
そういうこともあるので、
「本当によろしいですね。つくっちゃいますよ。」と、
企業に確認するような儀式でもあるんですね。

それをですよ。
彼はワタシに求めて来たわけです。

うーん。それは・・・。無理というものだ。

前には出るな、だがケツを持て。ってことでしょ。
それはちょっと無理くない?

ワタシは、
「誤字脱字については問題ないと思います。
 だけど削除された所や追加された項目については、
 御社のご指示の通りにしただけなので、最終的な判断はおまかせします。」
とかなんとか言ったのだが。

彼は
「そうですか。。」と残念そうに言う。
そして
「僕の段取りが悪くて、今回はほんとに二転三転してしまって。
 また情報も錯綜してしまってご迷惑をおかけしまして・・・」とか
お詫びの言葉をいろいろ並べた上で、
「あなたも今後も頑張ってくださいね。影から応援してますから。」みたいな
お別れの言葉とも受け止められるようなコメントを追加してきた。

ううううう。
ワカラン!!!

苦悩する熊「ツヨシ君」のごとく、こいつはワタシを悩ませる!

が。オモシロイ。
ここまで絶妙に入り混じった人に会ったことがない。

だいたいはもっと、分かりやすい人達だもの。
嫌な感じの営業マンの場合なら、
ただ偉そうにしたいだけなの、だから宜しくね、とかさ。
丸投げして自分はなんにもしないし責任もとらないツモリよ、とかさ。
オレの言った通りやれば良いのっ!頭使うな!、とかさ。
そういう感じで。

こっちはそれに合わせてあげれば、だいたいOKなんだけど。

どーなのよ、君。
あんまり複雑なセット販売はやってないよーって感じ。
うちはA・B・Cコースのみ。
そう言いたい。

けど。ちょっとオモシロイので引き続き観察して行こうと思う。
お別れコメントを言われたが、作業はまだ途中だしね~。

ペットを飼うということ

2008年01月26日 | スタッフコラム
よく。
「死んじゃう時に辛いから、ペットは飼わない。」
と、仰る方がいますが。

不思議でたまらないよ~。

わたしにしてみれば
「分かれる時に辛いから、恋はしない。」と言っているのと
同じコトだと思うんだけど。

みんな恋してんじゃーん!
それどころか結婚まで。

ちょっとぉ、どーゆーことよ。

恋は別れることを前提にするモンじゃないけど、
ペットは自分より先に死ぬことが大前提だから、
それとこれは、別!ってこと?

そ~れ~は、ど~かな~。

自分だって明日死んじゃうかもしれない、
ペットも同じ、友人も同じ、家族も同じ。
安泰な関係なんて、ないんだよ。
だからこそ、大切にしようって思えるんじゃな~い?

「自分が先に死んじゃったら可哀想だから、ペットは飼わない。」なら
すごーく共感できるんだけどねえ。

私は思うの。
天寿を全うして亡くなって行くペットを看取るというのは、
本当に辛いけど素晴らしいこと。
もう立ち直れない・・・と思うくらいの喪失感や、
絶望や悲しみや苦しみや、なんやかんやを乗り越えて
「ああホントに。あたしはアイツを愛していたんだなー」と思い知るってことは、
自分が生きてるってことの意味を分からせてくれるわけで。
そこまで含めて、ペットと暮らすという福音なんだと思います。

すっごく大好きだった人と、お別れした時と同じで。
その時だって「もう死んじゃいたい」って思ったでしょ?
でも今生きてるじゃん!そしてまた、良い人に会えたじゃん!
それと一緒だよ。と思うのさ。

「死んじゃうから飼わない」なんて言わないでさ。
本当にそれだけが理由なら、変な臆病風に吹かれてないで、飼うべし。
そうでなくて、なんとなーくそう言いたいだけなら、
そのフレーズは禁止とします。

そんな奴は、嫌い。