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世界のエネルギー危機はインフレをさらに加速させる可能性があります

2022-07-19 03:53:23 | 政治
今回、私が言いたいことは、単なる円安による価格高騰、インフレとは違う論点です
確かに、日本においては輸入価格の高騰は深刻なインフレをもたらしますが、問題はそれだけではありません
私が懸念する「これからのインフレ」は、西側先進国全体がこれから陥っていく「発展途上国型のインフレ」です
日本では、「円安によるインフレ」と「発展途上国型のインフレ」とのセットで、ハイブリット型のインフレに突入するでしょう
発展途上国型のインフレとは、「物が作れないために起きるインフレ」のことです

インフレの原因は、一般的に巷では「市場のお金が多すぎる」ことだと言われています
アメリカで起きているインフレは明らかに「ドルの供給過多」によるものであり、それにパンデミックやロシア制裁が重なり
輸入品の供給不足によって起きているものです
しかし、本来インフレ対策とは、金融政策だけをやっても効果が薄いのです
というより、過去アメリカのカーター政権などで起きていたインフレは、単なる金融政策で解決できるものではありませんでした
本来やるべきインフレ対策とは、実は「商品の供給(生産能力)を増やすこと」です
そして、物の生産能力が不足する事によって起きるのが、実は「発展途上国型のインフレ」なのです

ドイツなどではすでに始めていることですが、エネルギー不足を補うためエネルギー資源のオークション化が進んでいます
オークションによって企業などがエネルギー価格を「オークションで落札した価格」で買うことになります
それに合わせて、エネルギー供給業者は他の企業へのエネルギー供給契約を、一部カットすることができることになります
つまり、企業がエネルギー不足によって「生産をストップせざるを得ない」という状態に、これから陥っていくのです

日本でも、日本政府は、「電力消費量を減らした事業所にはポイントで還元する」などとやっていますが
本当に、その意味が分かっているのか疑問です。。。これは、企業に生産を減らせ、と言っていることに等しいのです
そしてまた日本政府は、「肥料不足」を賄うために、農家に肥料を使わないで作物を作って欲しい、とお願いする方針だそうです
こうして日本政府は、「生産を絞る」方向に、企業や農業従事者にお願いしているわけですよ、これが非常にまずい傾向なんですね
ただでさえ輸入インフレによる価格高騰で消費者が苦しんでいるのに、さらに国内の生産業者が製造を制限するわけです
本来なら、なんとしてでも生産を増やさないといけないのですが、それとは逆の方向に、いま向かいつつあります
物の生産量が減るという事は、これはインフレを加速することになるんですね

これからは、アメリカの経済学者アーサー・ラッファー教授が提唱しているように
「サプライサイド(供給側の)経済学」が重要になってくると思います
とにかく、日本は経済を制限することをやめ、バラマキで何とかしようとすることをやめ
勤勉に生産性を高めることに向かわないとダメだと思います
それには、ロシア外交を含む、できる限りの外交努力、そして原子力発電の早期かつ大規模な再稼働、新技術の積極的な開発
これらが必要ですね



それでは、ゲートウェイ・パンディットの記事からの引用です

Oil Jumps As Biden Fails In Begging Saudis For More Oil
バイデンがサウジアラビアにオイル増産を求めることに失敗したため石油価格は高騰した

バイデン大統領が先週末にサウジアラビアの国王(皇太子)と会談したのち、月曜日の石油価格は1バレル100ドル以上に急騰した
バイデンは生産量を増やすという王国からのコミットメントを確保できなかったという

その件について、ザ・ガーディアンの記事はこのように伝えています

Traders got one clear message from Biden’s recent visit to Saudi Arabia, during which President Biden spoke to a number of Arab leaders.
トレーダーは、バイデンの最近のサウジ訪問の間に多くのアラブ首脳と会談したこと結果を受け、1つの明確なメッセージを受け取りました

The message is that it is OPEC+ that makes the oil supply decision, and the cartel isn’t remotely interested in what Biden is trying to achieve. OPEC+ will continue to control oil supply, and one country alone cannot determine the oil supply—at least that is the message that traders have taken from Biden’s visit to Saudi Arabia.
そのメッセージとは、石油供給の決定を下すのはOPEC +(OPECにロシアを加えたカルテル)であり、カルテルはバイデンが達成しようとしている事にはほぼ関心がないということです。OPEC +は引き続き石油供給をコントロールすることになり、1つの国だけで石油供給量を決定することはできません ― 少なくとも、それがトレーダーがバイデンのサウジアラビア訪問から得たメッセージです

もうね、OPECは完全にロシアと裏で協定を結んでいますね
そして、もう一つザ・ガーディアンの記事から重要な内容をご紹介します

記事によるとIEA(国際エネルギー機関)のファティ・ビロル事務局長は
現在停止中のノルドストリーム1の再稼働が、来る7月22日に再開できるかどうか不透明な現在の状況を受け
この冬のエネルギー危機に備えるためにヨーロッパの指導者が取るべき、以下の5つの「具体的な行動」を打ち出しました
①オークションプラットフォームを導入して、EUのガスユーザー企業に需要を減らすよう奨励すること
②石炭と石油火力発電を一時的に増やし、政治的・技術的に実現可能な原子力発電を含む低炭素エネルギー源を増やすことにより、電力部門でのガス使用を最小限に抑える
③ヨーロッパ全体のガスおよび電力事業者間の調整を強化する
④冷房の基準を設定することにより、家庭の電力需要を削減する
⑤国および欧州レベルでEU全体の緊急時計画を調整する「現在の危機を乗り越えるために、EUは統一された行動を必要とする」



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