アルミホイールのバレル研磨日記

アルミホイールの研磨状況などの紹介

ピアスボルトやナットのクロムメッキや塗装について

2017-07-28 09:05:46 | ホイール研磨
 今日は若干気温が低く事務所内の温度は28.5℃(9:30頃)、空模様は曇りなので過ごしやすいです。今週は週明けから長野から大手メーカーさんの立ち合いトライが2日間行われまして私はそちらに集中していました。トライ結果は弊社のスピニングバレル研磨で、ある一定の成果が得られました。かれこれ3回目になりますがだんだんとステップアップし進歩していますので、いつか量産に繋がっていけばと期待しています。

 さて、本題のピアスボルトとナットのメッキ化(再メッキ)

3P(スリーピースですよ)構造のホイールはアウトリム・ディスク・インリムのサンドイッチ構造でボルトナットで締め付けて一体化している高級ホイール、経年変化で傷やハゲや打痕でリフレッシュしたいお客さんは多い、ディスクやリムの塗装や研磨はたいがい多くの業者さんが手掛けています。

問題はピアスボルトとナットの再生です。

それは、新品のオリジナルボルトやナットが手に入らないからです。(当たり前ですがメーカーがホイールの分解組み立てを修理業者に推奨するはずないからです)、オリジナルボルトというのはボルトやナットにメーカー刻印が打ってあり、オリジナリティーにこだわるなら再生してそれを使いたい・・・。

ということで今回はボルトやナットの再生についてのお話でした。



取り外したばっかりのピアスボルト
① このボルトは黒染の上に塗装被膜がありますのでまずは塗装剝離
② 黒染のままメッキ屋さんに
③ メッキ屋さんでいろんな工程を経てクロムメッキ完成



完成です
クロムメッキされたピアスボルト
今回の例は黒ボルトからクロムメッキへの変更事例です。

※ 錆びた所は錆びたなりで仕上がります。

次にナットです。

ナットもオリジナルナットなどは12ポイントの特殊なナットを使っていたりします。ナットはホイールの内側にあり錆びる環境にさらされていますので、ほとんど茶色で錆がひどいです。ナットの場合は再メッキより錆を除去したら密着性や耐食性に優れるパウダー塗装でコーティングします。



サビサビだらけのナット

このナットを友人の所で処理していただきます。
友人はホイール職人で妥協を許さない信頼置ける人です。
(いっぱいよいしょしても勘定は勘定です(笑))




ナットを冶具に取り付け錆落しのブラスト処理
その後はガスグラスプライマーという前処理(これが密着性を向上)



塗料粉体を噴射しこの後窯で焼きます。



パウダーシルバー塗装の完成


以上

バドニック(BUDNIK)鍛造2Pのリフレッシュ

2017-07-19 17:21:45 | ホイール研磨
 ついに梅雨が明けたようですが、相変わらず蒸し暑く毎日が体力勝負です。熱中症には気を付けながら皆様も頑張ってこの夏乗り切りませう。。

 今回のネタはバドニックのリフレッシュです。鍛造削り出し(ビレットなどともいわれます)ディスクとリムの2P構造でデザインは削りなのでいろいろな顔したのがいます。今回はこのホイールがかなり汚れや擦り傷が多くなったので、リフレッシュしたいとの要望で作業を行いました。

工程は

1、ホイールの洗浄(同時にウエイトやエアバルブを除去)
2、傷部分の修正
3、乾式バレル
4、バフ研磨(ホイール裏の要望もありそちらもバフ研磨)
5、光沢バレル研磨
6、ウエットバフ
7、クリヤ塗装


バフ研磨後(デザイン面)






バフ研磨後(リム裏側)



奥まったところはハンドでバフ研磨



一旦洗浄しバフの汚れを落とす



洗浄後の状態、次は光沢バレル研磨
センターキャップも同時にバレル研磨します。



いきなりですが仕上がりました(笑)
最近はいちいち写真撮らないのでいきなりワープします。



センターキャップも同時に研磨するので光沢に一体感有






リム裏の状態



リム裏



最後に自撮り

ほぼ新品に近いほどに仕上がりました(自負)

この後塗装屋さんに流動しクリヤ塗装します。

ユーザー様はパウダーの希望でしたが2Pの場合接合部から吹いてブリスターが発生する可能性が高いので今回はやむ終えず溶剤クリヤ―としました。


以上


ポルシェナロ―ホイールの研磨(後編)

2017-07-17 16:15:38 | ホイール研磨
 世間一般的には今日は「海の日」の祝日でお休みのところがが多いのでしょうが、うちは超零細企業なのでやってます。

 先週の土曜日は久しぶりにルートのない所を自由に登れる山旅に行ってきました。行った先は大鹿村の前茶臼山(標高2331m)


こんなとこを登って



前茶臼山山頂



ガレの下は獣たちのミネラル補給場のようです。


さて表題のポルシェナロ―ホイールの研磨ですが、後半の工程乾式バレルが終わりましたのでこの続きを行いました。



バフ研磨後




バレル研磨中



いい感じで仕上がりました。巣穴は多いです。
巣穴を取ろうとすると表面が凸凹に・・・この機種は取らないで仕上げたほうが良い



ポルシェナロ―ホイールの研磨(前編)

2017-07-14 08:00:23 | ホイール研磨
 毎日蒸し暑いですが来週には梅雨明けしそうなので、もうちょっとカラッとすることに期待しながら頑張りましょうかね。

 更新が若干空きましたがそれどころではなく、業務の密度が濃くてようやく更新できる余裕となりました。で、余裕は少ないですがこの後岐阜と名古屋に出張です。


 表題のポルシェのホイールは時々研磨や塗装の依頼をいただいていましてます。今回はリム部が深いタイプになります。このホイールはお客さんのほうでアルマイトや塗装をされるのでうちでは剥離と研磨までです。

工程は
1.塗装剝離
2.アルマイト剥離
3.ホイール研磨
  サンディング→乾式バレル研磨→バフ研磨→光沢バレル研磨→ウエットバフ→発送


いきなりですが塗装剝離とアルマイト剥離が終わったところです。
(初めの写真撮り忘れ・・・)



センターキャップの塗装剝離後の状態
このキャップは鉄部品とアルミ部品の合体作なので専用の剥離処理を行います。キャップ裏の錆は元からです。アルミ部分は剥離液で着色されていますがブラストで落ちます。



ビーズブラスト後のキャップ裏



#600仕上げでサンディング、小傷はディテールを崩すのでサンディングはここまで




こちらは塗装もアルマイトも剥離が終わったホイールです。



当然ですが表も裏も腐食による穴が無数にあります。



裏の状態



まずはサンディングから



乾式バレル中



乾式バレル終了


この後はバフ研磨と光沢仕上げバレルへと


つづく・・・

良い週末を。

バイクホイールのリム研磨

2017-07-05 12:30:00 | ホイール研磨
 昨日は台風の心配をしながらシャッター回りにパレットやフォークリフトで養生して帰宅しました。幸いにこの地域は風雨はさほどでもなく通過していきました。

 今日のレポはバイクのホイールでリム部分のみ研磨してほしいといった依頼です。もちろん前後のホイールですから2本、バイクは裏表が無い(どちらの面も意匠面)ので研磨箇所は4カ所です。つまり、ホイールは2本ですが自動車用なら4本分の手間工賃ということです。



フロントホイール




リヤホイール




サンディングの時にミスして他の所を削らないように養生します。




サンディング開始 #240~#320~#400~#600




半自動バフ研磨機で研磨します。




研磨後の状態
この後きれいに洗浄しお客さんに発送します。



以上