浜松市楽器博物館へ行った。その8(ピアノその1) よりつづく
↓ピアノ J.フィッツ(ウィーン) 19世紀前半であろう。
ああもう、キャプションがちゃんと写っていないのでこれ以上分からない。ぜったいまた浜松市楽器博物館に行ってもっとちゃんと見て写真を撮ってくる!
ペダルとレバー↓ 足4つ、膝に2つ、ギミックだな。
膝のレバーっていえば、昔の小学校の足踏みリードオルガンに音量調整用のがついてたよね。
19世紀前半のウィーンのピアノのペダルの説明キャプション↓ このピアノもたまにはレクチャーコンサートで演奏されたりするんだろうか?ベルとかドラムとか色々な音色を駆使した演奏を聴いてみたい!
トルコ風が流行ったんですね。
楽器の事典ピアノ 第2章 黄金期を迎えた19世紀・20世紀2 ピアノの本質から外れた楽器 より
「トルコ音楽の影響 18世紀の終わりにロシア帝国とトルコとの間に和平条約が締結されて以来、トルコの楽器と音楽がヨーロッパ諸国に流入して広くもてはやされるようになった。楽器としてはドラム、トライアングル、シンバルが主なもので、軍隊に採用されたのを始めとして、ダンス音楽などにも広く使われ始めた。
作曲としてはモーツァルト、ベートーヴェンの「トルコ行進曲」やグルックの「アウリスのイフィゲニア」、モーツァルトの「後宮からの逃走」などでトルコ風のメロディが登場している。
そのために、ピアノにもいろいろなドラムが取り付けられ始めた。変ったものとしては、フットレバーで動かすスティックでピアノの響板を叩く方法、あるいは響板の中央に丸い穴をあけ、これに皮を貼ってペダルに連動したスティックで叩き、ドラムそっくりの音を出す方式などが考え出された」
ベートーヴェンの「トルコ行進曲」、いかにもって感じで楽しいね! そういえばずっとまえの十字軍のときにもヨーロッパ音楽界はイスラムからトランペットとティンパニを学んだったっけ。浜松市楽器博物館へ行った。その1(イントロ、管楽器)
↓ピアノ プレイエル(パリ)1869 楽器の風格がすごい。
ペダルはダンパーとシフト、とペダルまえのキャプション。シフトペダルを踏むとハンマーが横にシフトする。3本複弦のうち2本だけを打つとか 少しだけずれて普段は弦と接していないフェルトの柔らかい部分で弦を打つとか そういう効果のためのペダルである。
ショパンとピアノ というキャプション↓ プレイエル社のピアノをショパンは評価したらしい。それは是非なま音が聴きたいものだ。そしてときたま浜松市楽器博物館ではチャンスがあるはず。
プレイエル社のキャプション↓
楽器の事典ピアノ 第3章 世界の代表的ブランド 欧米遍 プレイエル に、どちらかというと人物寄りに詳しい記述がある。
楽器の事典ピアノ 第2章 黄金期を迎えた19世紀・20世紀1 大きな飛躍を見せた19世紀のピアノ に
「ウィーンとイギリスで発達した双方のピアノをフランスのメーカーがひょいと取り上げて、優れた混血児のような、両者の長所を併せ備えたすばらしい性能のピアノを作り上げたのである」とある。
双方のピアノ というのは、浜松市楽器博物館へ行った。その8(ピアノその1) で取り上げた 対照的なウィーンとイギリスのピアノのことだ。
そのいいとこどりした立役者こそセバスチャン・エラールで、「ピアノ製作史上における最大の発明といわれている エラール の ダブルエスケープメント によるアクションは、1821年に完成され」た。
という絶対に外せないエラールのピアノは当然 浜松市楽器博物館にあるのだが、写真を撮り忘れました。嗚呼!
フランス系突き上げ式ダブルエスケープメントアクションの体験キー↓ ピアノは撮り忘れてもアクションの方だけは撮っていたよ、悲しい。
フランス系突き上げ式ダブルエスケープメントアクションの体験キーのキャプション↓ ピンボケですみません。
浜松市楽器博物館に行ってこのキャプションの写真を撮られた方は他にもいて検索かけたらいくつか出てきたけれど、照明のせいかバッチリというのは見つからなかった。でも私の写真↓よりは字は読み取れるだろうというのが 高松市番町の横田明子ピアノ教室ブログ ダブルエスケープメント 。
ダブルエスケープメントのキャプション↓ これによって早い連打が出来るようになった。トリルもね。アップライトピアノはシングルエスケープメントなので早い連打やトリルは出来ないんだよな(実は改造できる グランフィール、 藤井幸光氏の発明 )。 ちなみにチェンバロはトリルなどの装飾音がキマる。
デモ動画 ★ Erardってあるけど上の写真やキャプションと少し形が違う。少し探したが浜松市楽器博物館のエラールのようなものは見当たらずデモ動画のような形のものしか見つけられなかった。
キャプションと体験キー写真↑↑↑を見比べてほしい。キャプションでいう©の棒(ジャック)の右に、体験キー写真↑↑↑にだけ黒くて細い棒がある。バネなのだろうか? ちなみに動画等で見られるバネはレペティションスプリングというらしい。ATARI MUSIC STUDIO グランドピアノの鍵盤アクション
デモ動画では、キーを完全に上に戻すまえにまた押し下げてもハンマーが弦を打つ様子が分かる。エラールって頭いいね!
楽器の事典ピアノ 第3章 世界の代表的ブランド 欧米遍 エラール エネルギッシュな男だったようだ。
ショパンの言葉に「私は気分が優れないときはエラールを弾き、気分のいいときはプレイエルを弾く」とあったらしい。
ピアニストの久元祐子氏のHPに ショパンと同時代に作られたエラールとプレイエル両方のピアノを弾いた、素晴らしい記事がある。知性と感性が共に高度なピアニストはこのようなことを思うのか。ピアノの作り手も作曲家も嬉しかろう。
久元祐子 楽器探訪 Pleyel
「この楽器は、頭の後ろから柔らかく発声しているようなフランス語の響きにも似た、独特の魅力を持っています。タッチは、しっとりしていて、エラールのように軽やかに動くことができるタッチとは違っていて、コントロールしずらい楽器です」
久元祐子 楽器探訪 Erard
「このエラールを弾いた感じは、走りが軽快な車を運転している気分です。免許を持たない私が言うのも変なのですが、面白いようにスピードが出て、ちょっとしたアクセルの踏み具合ですぐに反応してくれるしなやかな感性を持ち、音色は華やかで宝石のような輝かしさを持っています。
プレイエルのようなくぐもった香りとは対称的です」
ベートーヴェンが使ったピアノたちのキャプション↓ 数年で次のピアノがやって来たようだ。けっこう目まぐるしいな。高名なベートーヴェンに使ってもらえれば宣伝になるし、ここをこうして欲しいというようなレスポンスがあればメーカーは嬉しいし、ってことなのかな。ピアノがどんどん進歩していった時代なんだろうな。
色々探し回ったが、 ヤマハ楽器解体全書 ピアノ は簡潔で読みやすい。
浜松市楽器博物館へ行った。その10(ピアノその3) へつづく
↓ピアノ J.フィッツ(ウィーン) 19世紀前半であろう。
ああもう、キャプションがちゃんと写っていないのでこれ以上分からない。ぜったいまた浜松市楽器博物館に行ってもっとちゃんと見て写真を撮ってくる!
ペダルとレバー↓ 足4つ、膝に2つ、ギミックだな。
膝のレバーっていえば、昔の小学校の足踏みリードオルガンに音量調整用のがついてたよね。
19世紀前半のウィーンのピアノのペダルの説明キャプション↓ このピアノもたまにはレクチャーコンサートで演奏されたりするんだろうか?ベルとかドラムとか色々な音色を駆使した演奏を聴いてみたい!
トルコ風が流行ったんですね。
楽器の事典ピアノ 第2章 黄金期を迎えた19世紀・20世紀2 ピアノの本質から外れた楽器 より
「トルコ音楽の影響 18世紀の終わりにロシア帝国とトルコとの間に和平条約が締結されて以来、トルコの楽器と音楽がヨーロッパ諸国に流入して広くもてはやされるようになった。楽器としてはドラム、トライアングル、シンバルが主なもので、軍隊に採用されたのを始めとして、ダンス音楽などにも広く使われ始めた。
作曲としてはモーツァルト、ベートーヴェンの「トルコ行進曲」やグルックの「アウリスのイフィゲニア」、モーツァルトの「後宮からの逃走」などでトルコ風のメロディが登場している。
そのために、ピアノにもいろいろなドラムが取り付けられ始めた。変ったものとしては、フットレバーで動かすスティックでピアノの響板を叩く方法、あるいは響板の中央に丸い穴をあけ、これに皮を貼ってペダルに連動したスティックで叩き、ドラムそっくりの音を出す方式などが考え出された」
ベートーヴェンの「トルコ行進曲」、いかにもって感じで楽しいね! そういえばずっとまえの十字軍のときにもヨーロッパ音楽界はイスラムからトランペットとティンパニを学んだったっけ。浜松市楽器博物館へ行った。その1(イントロ、管楽器)
↓ピアノ プレイエル(パリ)1869 楽器の風格がすごい。
ペダルはダンパーとシフト、とペダルまえのキャプション。シフトペダルを踏むとハンマーが横にシフトする。3本複弦のうち2本だけを打つとか 少しだけずれて普段は弦と接していないフェルトの柔らかい部分で弦を打つとか そういう効果のためのペダルである。
ショパンとピアノ というキャプション↓ プレイエル社のピアノをショパンは評価したらしい。それは是非なま音が聴きたいものだ。そしてときたま浜松市楽器博物館ではチャンスがあるはず。
プレイエル社のキャプション↓
楽器の事典ピアノ 第3章 世界の代表的ブランド 欧米遍 プレイエル に、どちらかというと人物寄りに詳しい記述がある。
楽器の事典ピアノ 第2章 黄金期を迎えた19世紀・20世紀1 大きな飛躍を見せた19世紀のピアノ に
「ウィーンとイギリスで発達した双方のピアノをフランスのメーカーがひょいと取り上げて、優れた混血児のような、両者の長所を併せ備えたすばらしい性能のピアノを作り上げたのである」とある。
双方のピアノ というのは、浜松市楽器博物館へ行った。その8(ピアノその1) で取り上げた 対照的なウィーンとイギリスのピアノのことだ。
そのいいとこどりした立役者こそセバスチャン・エラールで、「ピアノ製作史上における最大の発明といわれている エラール の ダブルエスケープメント によるアクションは、1821年に完成され」た。
という絶対に外せないエラールのピアノは当然 浜松市楽器博物館にあるのだが、写真を撮り忘れました。嗚呼!
フランス系突き上げ式ダブルエスケープメントアクションの体験キー↓ ピアノは撮り忘れてもアクションの方だけは撮っていたよ、悲しい。
フランス系突き上げ式ダブルエスケープメントアクションの体験キーのキャプション↓ ピンボケですみません。
浜松市楽器博物館に行ってこのキャプションの写真を撮られた方は他にもいて検索かけたらいくつか出てきたけれど、照明のせいかバッチリというのは見つからなかった。でも私の写真↓よりは字は読み取れるだろうというのが 高松市番町の横田明子ピアノ教室ブログ ダブルエスケープメント 。
ダブルエスケープメントのキャプション↓ これによって早い連打が出来るようになった。トリルもね。アップライトピアノはシングルエスケープメントなので早い連打やトリルは出来ないんだよな(実は改造できる グランフィール、 藤井幸光氏の発明 )。 ちなみにチェンバロはトリルなどの装飾音がキマる。
デモ動画 ★ Erardってあるけど上の写真やキャプションと少し形が違う。少し探したが浜松市楽器博物館のエラールのようなものは見当たらずデモ動画のような形のものしか見つけられなかった。
キャプションと体験キー写真↑↑↑を見比べてほしい。キャプションでいう©の棒(ジャック)の右に、体験キー写真↑↑↑にだけ黒くて細い棒がある。バネなのだろうか? ちなみに動画等で見られるバネはレペティションスプリングというらしい。ATARI MUSIC STUDIO グランドピアノの鍵盤アクション
デモ動画では、キーを完全に上に戻すまえにまた押し下げてもハンマーが弦を打つ様子が分かる。エラールって頭いいね!
楽器の事典ピアノ 第3章 世界の代表的ブランド 欧米遍 エラール エネルギッシュな男だったようだ。
ショパンの言葉に「私は気分が優れないときはエラールを弾き、気分のいいときはプレイエルを弾く」とあったらしい。
ピアニストの久元祐子氏のHPに ショパンと同時代に作られたエラールとプレイエル両方のピアノを弾いた、素晴らしい記事がある。知性と感性が共に高度なピアニストはこのようなことを思うのか。ピアノの作り手も作曲家も嬉しかろう。
久元祐子 楽器探訪 Pleyel
「この楽器は、頭の後ろから柔らかく発声しているようなフランス語の響きにも似た、独特の魅力を持っています。タッチは、しっとりしていて、エラールのように軽やかに動くことができるタッチとは違っていて、コントロールしずらい楽器です」
久元祐子 楽器探訪 Erard
「このエラールを弾いた感じは、走りが軽快な車を運転している気分です。免許を持たない私が言うのも変なのですが、面白いようにスピードが出て、ちょっとしたアクセルの踏み具合ですぐに反応してくれるしなやかな感性を持ち、音色は華やかで宝石のような輝かしさを持っています。
プレイエルのようなくぐもった香りとは対称的です」
ベートーヴェンが使ったピアノたちのキャプション↓ 数年で次のピアノがやって来たようだ。けっこう目まぐるしいな。高名なベートーヴェンに使ってもらえれば宣伝になるし、ここをこうして欲しいというようなレスポンスがあればメーカーは嬉しいし、ってことなのかな。ピアノがどんどん進歩していった時代なんだろうな。
色々探し回ったが、 ヤマハ楽器解体全書 ピアノ は簡潔で読みやすい。
浜松市楽器博物館へ行った。その10(ピアノその3) へつづく
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