綿内克幸FSP BLOG

シンガー/ソングライター綿内日記

女のブルース

2006-04-29 01:55:25 | MUSIC SELECTION
 ブルースはたまにしか聴かないし、ましてや女性もののブルースなら尚更だ。口内道路工事のお次は・・・ブルースと呼ぶにはあまりに神秘的で美しい「ソウルアルバム」。再びニナ・シモンなのだ。

 歌ってる内容は基本的には男性ものと一緒だ。でも、男台詞に慣れた耳には、やけに女台詞が生々しく響く。

 『暗闇の中 暗闇の中 わたしの胸が震える わたしの唇に 彼が指を押し当て 動かないでくれと言うから 暗闇の中』・・・これは性描写だな。動くなってのが生々しいよね。
 
 『あなたのやり方を教えられるまで 私は純粋な子供だった あなたはわたしに一度だってしたことのないことをさせた こんなわたしにしたのはあなた』・・・あんなこと、こんなことさせちゃったのかな~。身につまされる人いるよね。ヒヒヒ。

 『愛は悲しみと苦しみを運んでくる もう昔のわたしには戻れない あなたを愛してしまったから とてもつらい とても悲しい 毎晩寂しさに包まれる それでもわたしにはどうすることもできない 今もあなたを愛しているから』・・・ひたすら切ないな。女性は割りきりが早いとは言うけれど、それは男性以上の想いの深さの裏返しってこともあるのかな、と思った。

 聴いていると、心を打たれると同時に、何だか「すいません、女心の勉強が足りませんでした!」と謝りたくなるのであった・・・そんな連休前。
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口内道路工事

2006-04-26 02:20:25 | COLUMN
 ・・・のようだった。歯の手術。

 麻酔をした後は顔面にシーツがかけられていたので音で想像するしかなかったのだけれど、「ズガガガガ」とドリルな感じだったのは何だったのだろう。「ザクザクザク」という感触が伝わった時は、歯茎の切開だろうなと思った。
 
 いよいよの金属埋め込みではアゴを押さえられて、トンカチで何度も「カンカンカンカン」ときたので、ああ、今俺の口内で建築が行われている・・・と思い、自分の体とはいえ、可笑しくなって思わず鼻で吹いてしまった。
 
 そして縫合。正味1時間。道路工事完了。

 終わった直後は、一番痛かったのは最初の麻酔だな、こんなもんかなと思った。しかし医師にレントゲン写真を見せてもらい、説明を受けたら、やや寒くなった。「ズガガガガ」や「カンカンカンカン」がわかった。歯茎を切開してアゴの骨に金属を打ち込んだわけだもんな。歯歯歯~。

 あ~麻酔がひいて今痛い。費用が高額で痛い。ビールが飲めないのも痛い。どれも同じくらい痛い。
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歯歯歯~

2006-04-25 16:49:42 | COLUMN
 今日は歯の手術なのだ。抜くわけじゃなし、微細な金属(インプラント)を一本打ち込むだけだからどうってことないさ、ちょっとサイボーグみたいでいいじゃないか歯歯歯~と思っているのだが、周りがニヤニヤと脅かす。

 「歯茎に穴を開けるんだからさぞやおぞましい痛みに違いない」「術後はほっぺたがトラフグのように腫れるに違いない」「信じられない」・・・。

 小さい頃から歯では苦労したからな。昔は「こんじすい」っていう苦い市販薬を塗ったり、正露丸を詰めたりしたな。ああ虫歯になりにくい人が本当に羨ましい。

 というわけでこの写真、熱唱しておりますが奥歯が抜けてます。MCで言うとみんな口の中ばっかり注目するから言わなかったのさ。歯歯歯。

(Pic. 浦田進)
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日曜の夕暮れ

2006-04-23 17:53:15 | COLUMN
 ニナ・シモンの後は歌丸。円楽も引退で、「笑点」は歌丸のものになるのか。

 学校が終わってウン十年なのに、日曜の夕暮れは「あ~明日は学校」な気持ちになる。「笑点」~「サザエさん」の辺りで思いっきりブルーになって、「東芝日曜劇場」で京塚昌子の顔を見てまったりし、「素晴らしき世界旅行」、「ラブラブショー」あたりで開き直ってふて寝する。

 そしてBlue Mondayな月曜の朝は、母親に小突かれながら、やっていなかった宿題を片付けて学校へ行く。


・・・と書いたら、「日曜のテレビはつまらない。明日は月曜だというブルーな気持ちをテレビ制作側も引きずっていたりして・・・」というbookieさんからのコメントが面白かったので加筆。

 もしそうだったらと考えて、思わず笑ってしまった。「もう休みなんか終りだ。そろそろ学校や仕事に行きやがれ」的な気分にさせるような番組をあえて作ってたりして。日本のGNPを上げるために。ペンタゴンの命令で。日本にペンタゴン無い無い。
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「出来の悪い歌詞を唄うぐらいなら、祈りの言葉を繰り返す方がまだいい」

2006-04-22 00:00:08 | MUSIC SELECTION
・・・ソウルなのかジャズなのかブルースなのかポップスなのかはたまたアフロなのかよくわからないけれど、そこが魅力な黒人女性歌手ニナ・シモンの遺したお言葉である。しかも「多少メロディがつまらなくても、良い歌詞ならアレンジでどうにかする」と言い切っている。

 ロックンロールは、時には歌詞に意味なんか無くたってカッコよければ成立するし、意味は後からついてくる、その「軽さ」が良いところだ。

どっちがどうってことじゃないけれど、このニナ・シモンの言葉がやけに印象的だった。まるで「詩」のようだ。


B.G.M. Nina Simone / Silk And Soul
 ソウルでジャズでちょっとアフロな、絶妙な楽曲が並ぶタイトルそのままな「ムードソウル(勝手にそう呼ぶ)」名盤。スムースなバックと男みたいな野太い声とのバランスがたまらない。1967年作。アレサの名盤等と同じ頃だ。美味しい年代物。
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渋谷系

2006-04-20 18:43:35 | COLUMN
 今日はゲストでお邪魔するwebb相方・小池雄治の初ワンマン(5月18日木曜赤坂グラフィティ)のリハーサルが渋谷であった。

 二十歳そこそこの頃、僕は宮益坂を上った青山通りのバーでバイトしていたので、いつも渋谷をうろうろしていた。
 ソウルミュージックのアナログやレアなサントラを求めて中古盤屋を回り、熊本桂花ラーメンを食べて腹を壊してバイト先へ向かうというのがいつものコースだった。

 でも渋谷なんてもうなーんにもわからない。知らん知らん。

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赤いギター

2006-04-18 01:10:45 | COLUMN
 そろそろリタイアの時が来た。いや、とっくにその時期は来てたのに、ちょっと無理してもらっていた。

 北海道から九州まで、春夏秋冬、雨の日も雪の日も、日本中どこへ行くのにもこいつと一緒だった。一目惚れしてから丸12年もの間、僕に好きなように触られ、かき鳴らされてきた(正確には1968年米国生まれだから38年か。熟女ですね)。

 飛行機の荷物係にはトランクと一緒にぞんざいに扱われたろう。新幹線や混雑した駅、打ち上げの居酒屋では「邪魔なんですけど」という周囲の冷たい視線に耐えてきたろう。地方のホテルから、女性を口説くために電話越しに活躍してくれたこともあった(かも)。酔っ払ったまま、弦をゆるめてあげず眠ってしまったことも度々あった。
 最早、背骨はきしんでゆがんで、自慢の音色も出せなくなっていた。いたわりが足りなかったかもな。

 でもいいこともあったはず。CDにこいつの音はしっかり記録された。写真やブラウン管にも登場したし、眩いステージにも上がった。使命としては十二分だ。

 はて、こいつの代わりとなると、そうはいなくてこれが困った。ギターのマーヴェラス田中師匠にも相談中だ。僕は音色や握りだけでなく、このエピフォン規格外のワインレッドが相当気に入っていた。同じようなヤツを求めるのは無理だとわかっている。こんないい女そうはいないから。ベタな赤じゃダメなのだ。(僕には)黒やこげ茶じゃ映えないし、やっぱり見た目はものすごく大事だ。ちょっとセクシーでゴージャスな方がいい.....。

 男はなぜにいくつになってもギターに惹かれるか...それは曲線が女性を思わせるから。それもある。僕はマシンガンみたいだからとも思う。デスペラードだな。

 そんなセクシーでゴージャスでマシンガンみたいな新しい女、いや、ギターを物色中。見つけたら、こいつには「ご苦労さん」と言って、部屋の片隅かベッドの下でゆっくり眠ってもらうのだ。
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一週間

2006-04-16 17:32:00 | COLUMN
 ライヴから早くも一週間が経った。今回はCDや新曲を間に合わせるという命題があり、やや切羽詰っていたので、終わった後の一週間は何だか妙な気分だった。

 新しい曲を作る、CDを作る、ライヴをする・・・この変わらない基本的な事柄へのモチベーションの持続は、音楽への愛情というだけではない、生きている自分自身の存在確認行為も含まれている。じゃなければ、気が遠くなるほどの成功を収めたポール・マッカートニーが未だに曲を作り続ける理由はなんだろう。彼はまだ新しい自分を発見しているはずだ。

 一週間経って、今頃腹が痛くなって週末はヨレヨレだった。しかしヨレヨレでもいられない。幸い、尻を蹴飛ばしてくれる人々が僕の周りにはいる。バンマス・トオル君から次回ライヴの為のミーティングの催促が、FCスタッフからはクラブの充実を、ゲスト出演する小池雄治初ワンマンのリハ(「本番では白シャツを着てくれ」という指令)・・・。またボイトレにも行かねば。歯も治さねば。新しいギターを買ったら、また何か録音したくなる(今度は夏に向けて‘Summer Of Love’な気分で行きたい)。

 まずは、本番前にデニーズで食べて旨かったチーズ入りオムライスを今夜は作ってみる。

 
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「WATAUCHI UNPLUGGED Ⅱ」通販開始

2006-04-14 00:56:38 | NEWS/LIVE SCHEDULE
 諸事情があって公式サイトが更新出来ぬまま、CD通販のお知らせをどうしたもんかと思っていた矢先、早速お問い合わせを頂きましたので、ブログで通販開始のお知らせです。

●「WATAUCHI UNPLUGGED Ⅱ」(2000円 歌詞カード付)

遠方へ歌いに行かない代わりといってはなんですが、アコギかついでアナタのお部屋へお邪魔して目の前で弾き語ります・・・といった生々しい雰囲気の、3~4枚目のアルバムから現在までの楽曲中心に選曲した新録音全9曲。息づかい、弦の擦れる音、ガリガリソウルを感じて下さい。

1.フォトジェニック (新曲)
2.陽だまりの中で (4thアルバムより)
3.遠い渚 (近作)
4.Monkey Train (3rd)
5.いつの日かすべて (3rd)
6.ノーザンタウン・ブルース (長野パラリンピック・マキシより)
7.Like A Father, Like The Son (近作)
8.時計仕掛けの恋人 (1st)
9.Season Cycle (4th)

........................................

お振込先 UFJ銀行 新宿新都心支店
普通 5983725 ムードレコーズ綿内 
fspclub@hotmail.com
に購入希望メール(お名前、御住所も)、その後振り込み完了メールを送信して下さい。確認次第商品発送いたします。
2枚同時の場合、1枚分の送手数料(300円)のみです。

綿内公式サイトでも通常の手順をご覧いただけます。
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77歳の新譜(バート・バカラック)

2006-04-13 08:04:47 | MUSIC SELECTION
 ライヴが終わり、アンプラグドCDも無事販売することができ、束の間ではあるが、腑抜けになってしまいそうだ。

 最近出来なかったことをする。原っぱに行く、銭湯に行って富士山を見る、そしてたまったCDを聴く・・・。

 選んだのは、週末のライヴの際にあるお方からいただいたお土産CD群の中に入っていた、作曲の神様バート・バカラック28年振りのソロアルバム。
 ゲストに、コステロ、ルーファス・ウェインライト、ヒップホップのDr.ドレ、77歳にしてまったくの新譜だ。立派。グラミーも受賞だ。
 
 この人は作曲家であるものの、米国の戸倉俊一だから、ハンサムだし、艶っぽい方面も忙しく、3人目?の奥さんとの子供もまだ幼い。

 そのまだ幼い子供達のために、子供達の未来のために「愛」の大切さを「今」吹き込んでおきたかったんだそうだ。

 「What The World Needs Now Is Love」~世界は愛を求めてる・・・60年代にバカラックが書いた名曲のひとつだけれど、今の世界、その愛はどこに行ってしまったのか?と、柔らかなサウンドの下で巨匠が静かに怒っている。
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