Re:SALOON & VBA

林の中に



空につなぎとめられた太陽に
伸び上がるように咲く山つつじを
美しく思うには
わたしの心は疲れすぎていて

逃れるように
林の奥深く続く路を
足早やに分け入って

うっすらともれてくる陽のなかに
地面をみつめて咲く
一群の花に出逢った

花のそばに腰を下ろすと
か細い香りが
わたしの心の一番疲れた部分から
しっとりと満ちはじめ

何時か
ささえきれずに倒れこんだ
わたしの瞳のなかに
花の回る音が聞こえる


塚原将『消せない時間』より
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