大阪の笑い・京都の笑い

ＩＴという業界、それもフリーランスで仕事をして、
多分、もう４０箇所に近い職場で働いて来ました。

一緒に仕事した人の数も数百人になるでしょうか？

現在は、主に京都で仕事していますが、
以前は、大阪に住んでいたので、関西一円（西は姫路、南は和歌山まで）で仕事していました。さらに遠方では長期・短期の出張で、浜松、長野、そして、東京と渡り歩いて来ました。

仕事をする目的は、お金以外では、いいシステムを作りたい。
そういう思いが中心ですけれども、ＩＴと言えど、コンピュータにだけ向かって仕事するよりも、
仕事の相手は、実は、組織、ユーザー、発注先、中継会社と
いろんな人間関係の中にあります。

そんな中で、自分に向いている職場だったり、
あまりそういうことの無い職場だったりいろいろなんです。

僕の場合、やっぱり楽しい職場がいいです。
ふざけた職場ではなくて、適度に笑いのある職場。
失敗を責めて落ち込むよりも、反省材料ではありますが、
笑いに転化していけるような・・・

職場にいて、
その雰囲気、笑いの仕組みというか、構造について考えていて、
そこは関西ですから、ボケと突っ込みはある笑いなのだ思います。

でも、同じ関西でも
京都で仕事するようになって、少し、京都は違うぞと感じるようになりました。
何が違うか・・・？

端的に言うと、
大阪の笑いは、ボケの笑いだと思います。
ボケをする人は、自分はどういうボケ方をするというのを
周りに開示しています。
太っていたら、太っていることを笑いに出来るし
僕なんかだと、嫁さんがいかにケチであるかを笑いのネタにします。
これは、それについては突っ込んでかまいませんよという周りへの了承です。
太っているからと下手に突っ込んだら、相手の劣等感に触れるということがあるので気をつかいます。
その辺、大阪の突っ込みは、ボケているのだから、突っ込んであげないとと
気遣いの優しい突っ込みです。ボケを拾ってあげるみたいな・・・

僕は、そういう大阪で育って来ました。

ところが、京都はちょっと違う。

京都の笑いは、突っ込みの笑いのような気がするのです。
ボケにあわせて突っ込むのではなく、個人差はあるのですが、
ここまでは突っ込んでいいというラインがはじめから設定されている。
そんな気がするのです。突っ込み優先の笑いというか・・・
基準が最初から決まっていて、それに照らして突っ込んでくる。

だから、大阪人がボケた以上に突っ込まれたり、
ボケても突っ込んでくれなかったり、
それで、大阪人からすると京都人はイケズみたいな感覚をもたれてしまう。

京都の突っ込みの基準を理解すれば、
ああ、そのルールでつっこんているのだなと分かるようになれるのではないかと
思いますが・・・

その突っ込みも、仲間であればあるほど突っ込みが鋭くなる。
あれだけきつい突っ込みをしていたので、
この人はきつい人だと思っていたら、結構親切なところもあって、
びっくりしたということもありました。
好き嫌いで突っ込んでいるのではなく、
京都では、そこまで突っ込むのが礼儀で突っ込んでいたのだなと
思うこともありました。

で、
さてさて
今の職場はどうかといいますと、
実は、大阪の笑いでも、京都の笑いでもないのです。

中心になって仕切っているメンバーの属している会社が、実は、地方都市に
本社のある会社。メンバーは、出張ベースで仕事に来ています。
（月曜日に移動して仕事、それから週日はホテル。そして金曜日に地元に帰る。）
そういうメンバーが半数いる職場。
よって、今回の職場は大阪ベースでも、京都ベースでもない笑い・・・

誰かがボケて笑う形ではなく、
どこか違う別の場所でのエピソード（こんな奴がいるそうだよ）
あるいは、過去のエピソード（こんなことがあったよ）
で笑う笑い・・・
今、ここで作られている笑いでなく、
出来上がった笑いを持ってきて、披露する形式の笑い・・・

そういう笑いだなあ～として
職場で眺めています。
僕は、ボケる相手も無く、もくもくと仕事・・・

まあ、こんな職場もあるさと・・・