015:秘密

言いふらす誰もいない過去のこと　秘密と読めば宝になりて


好きという僕の気持ちは宝物　君が秘密にしてくれたから


「謎めいた女」という訳では全然ないけれど、カミさんは秘密が多い。
秘密といえば、聞えはいいが（でもないか）・・・
寧ろ、嘘に近い。
事実を知られたくないという意味の秘密。
こう思われる、そう思われるのは嫌・・・とよく言う。

僕とは、まるで正反対。
僕は、嘘も秘密も、疲れるので願い下げにしたい・・・
どう思われたっていいと思っている。
人の思いで、自分の行動や言動が左右されるというのは、窮屈だ。
全部、投げ出して、それで、そう、思われるのなら仕方ないじゃないかと思う。

カミさんと僕の考え方の違いは、結果を重視するか、
過程を重視するかの違いでもあるんだろうな・・・
結果、そう見えればそれが勝ちとカミさんは言う・・・

僕は、どう見えようと、事実がそうである以上、それは、仕方ないだろうと思う。

まあ、それはいい・・・

ただ、子供たちに対しては、秘密、嘘はない方がいいと思う。

コントロールドラマ・・・

相手を支配するために使う情報操作。

知らせない、教えない、上げない、与えない・・・
で、相手を思うように操ろうとする。

今度、春休みを利用して、家族旅行をする（僕は仕事があり行けない）。
勿論、子供たちには、詳細は教えていない・・・
ただ、今回はパスポートの写真を撮りに入ったりするので、
どうも、どこか（それも海外）へ旅行するらしいというのは分かる。

何故、教えないのか・・・
子供だから、すぐ吹聴する。それが嫌やなんだそうな・・・
ああ、あの家は海外旅行するんだなと、誰彼に知られるのが・・・、
そういう目で見られるのが嫌やなんだそうな・・・

そして、旅行に連れて行かないというのが、
娘への最近の脅し文句になっている。
「ちゃんと勉強しないとアンタはお留守番だからね・・・」

娘は、「自分は、連れて行ってもらえないのかも・・・」
と不安を陰で僕に吐露したりする。
実は、我が家で旅行というといつも、こういう展開になる
（朝のピアノのレッスンの出来次第で、出かけられないこともある）
お情けで、「仕様がない連れていったるわ・・・
（ありがたいと思いや、これからはちゃんと勉強するんやで）」
と、そう（恩をうる）、もって行こうとする。

僕は、それは、おかしいんと違うか・・・
「手放しで、ワクワクする旅行というのはないのんか・・・！」
と、抗弁するのだが、口ではカミさんには到底、敵わない・・・

そんなん言うのやったら、あれはどうなるんや・・・
これはどうなんや・・・といろんなことに飛び火して、とても太刀打ちできない。
（僕は、最初の一撃がかわされた瞬間、以降、不能になってしまう）

これはきっと義母さん（ホラ言わんこっちゃないが口癖）の教育の成果なんだろう・・・
僕の娘も、この環境で育つ以上同じ手管を使うようになるのだろうか・・・はああ（溜息）


そうそ、でも、何故こんなに正反対なのに、結婚できたのかというと・・・
原因は、正反対でも事象は似てくるというのがあるんです。
僕らは、地味婚なんですが・・・
秘密にしたいカミさん（年賀状で報告）と、
特に誰を呼ぶというあてのない僕(披露宴呼ばれたら迷惑かもというボーダー)と、
妙に一致する部分もある訳で・・・