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フォーラム’80 受講生寄稿

課外活動を中心に参加者に寄稿していただいています

東京電力株式会社 柏崎狩羽原子力発電所見学会

2017-03-28 14:32:39 | Weblog

日時:2017年2月3日(金)~4日(土)
参加者:76期(18人)、77期(26人)
記録者:㈱協和エクシオ  清水 保夫

 2017年2月3日(金)から2日間の日程で、新潟県にある東京電力柏崎狩羽原子力発電所を見学させていただき、76期・77期の総勢44人にて参加させていただきました。

最初に東京電力 林勝彦副所長から発電所の概要と新潟県中越沖地震・東北地方太平洋沖地震への対応状況の説明がありました。

 東京電力柏崎狩羽原子力発電所は、新潟県の柏崎市と刈羽村にまたがった場所に位置し
海岸線に沿って約3.2Km、陸側に約1.4Kmで敷地面積は420万㎡(約127万坪)、東京ドーム約90個分もあります。1985年に1号機が運転開始されて以来、順次原子炉が増設され、現在は7号機までの発電設備があり、1号機~5号機は沸騰水型原子炉(BWR)、6号機・7号機は改良型沸騰水型原子炉(ABWR)となり発電所の合計出力は821万2千kwで、1箇所の発電所としては世界最大の規模です。
 原子力発電所周辺の柏崎・刈羽・西山地域は、石油の街として栄えていた歴史があります。1899年には、日本石油が本社を現在の柏崎市に移転し、この地域が当時の日本の石油需要の半分を賄っていました。
現在、6,364人(東京電力1,130人、協力企業5,234人)が構内で働いており、そのうちの56%は柏崎・狩羽にお住まいの方が占めています。現在、全プラントが休炉しているにも関わらず、多くの人が常駐している理由として、燃料棒の制御や放射線を押さえ込むために24H体制で対応しています。
 原子力発電所は、原子炉を『止める』、燃料を『冷やす』、放射性物質を『閉じ込める』ことで安全を確保するように設計されています。福島第一原子力発電所では、地震発生時に原子炉を『止める』ことと『冷やす』ことに成功しましたが、津波によって安全上重要な設備が浸水し使えなくなり、『冷やす』ことができなくなりました。その結果、炉心が損傷し、放射性物質を『閉じ込める』機能を失いました。柏崎狩羽原子力発電所では、福島第一原子力発電所事故の教訓をふまえた対策として①津波から発電所を守る②電源を絶やさない③原子炉等を冷やし続ける④放射性物質の拡散を防ぐを常に念頭において、作業員全員が安全への意識を高め日々取り組みをしています。


概要説明終了後、4班に分かれて施設見学をさせていただきました。

バスに乗車して管理区域発電所構内へと何重ものセキュリティーゲート・セキュリティーチェックを抜けると6号機建屋に到着し、原子炉建屋とタービン建屋を見学しました。
原子炉建屋では私用済燃料プールや未稼働のため外されている原子炉圧力容器や原子炉格納容器を、タービン建屋では高圧・低圧タービンと発電機を目にすることができ、その大きさに驚きました。
 その後再びバスに乗車し、事故対応拠点である重要免震棟の見学をさせていただきました。緊急時対策室が設置されている部屋はとても広いスペースであり、机が各班に分かれて配置されている点と、統括チームは中央にガラス張りのスペースに分けられている点が印象的でした。これは、福島第一原発における反省から、所長に全ての情報を集めて判断するのではなく、現場で対応できる範囲は各班の責任者にて対応する、また統括チームは細かな情報に左右されることなく、重要な判断を冷静に行えるようにすることを目的としており、緊急時における組織運営と意思決定について学ぶことができました。

【見学会を終えて】
この度は、世界最大級の発電量を誇る柏崎刈羽原子力発電所の見学をさせていただき、誠にありがとうございました。今回の見学で、わが国の電力・エネルギー事情や原子力発電の仕組み、また安全対策等への取り組みを知ることができました。
日本は、世界第4位のエネルギー消費大国でありながら、日本のエネルギー自給率は、わずか5%であります。普段何気なく使い、あることが当たり前の電力・エネルギー資源について、新ためて認識することができました。
見学を終えて率直な感想としまして、既存の原発設備を稼動させず、停止している設備を目の当たりにし、維持するためのエネルギーや、従業員の方々の労力を考えると本当にこのままでいいのかと改めて考えさせられました。原子炉建屋の海側に設置された海抜15メートルの防潮堤は、間近で見るとかなりの迫力でした。そして、何重もの安全対策等、実物に接することで対策の規模を含め、現場の方の意思を感じることが出来、個人的には十分な安全対策だと思います。
地域住民や行政への理解を得ることは、そう簡単なことではないと思いますが
早期の運転再開を心より期待しております。この度は、誠にありがとうございました。

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