63期 電源開発 山岡美登里
2010年5月21日(金)、晴、最高気温29度。横須賀の太陽は真夏仕様でした。63期生でNTTドコモさんのR&Dセンタを見学させていただきました。せっかく横須賀へ行くのだからと、集合時間前に「横須賀海軍カレー」で腹ごしらえしてきた参加者も数名いたとか…。13時前に京急YRP(Yokosuka Research Park)野比駅をバスで出発し、10分程でR&Dセンタに到着しました。
まず、最初に通された会議室でR&Dセンタの概要説明(15分)を受けました。敷地10万㎡(東京ドーム2コ分)に4つの建物から成る施設は、98~04年にかけて竣工され、YRPで働く約半分の3000名がこのセンタで最先端技術の開発に取り組んでいるとの事でした。NTTドコモの研究開発組織としては、このセンタの他、シリコンバレー、ミュンヘン、北京にも拠点があるそうです。
因みに、YRPは、NTT武蔵野研究所のワイヤレス部門が70年代にこの地へ移ったことが発端となり、その後80年代に、総務省主導の下、自治体、民間等が参加し、“この地域を21世紀における移動通信の研究開発拠点にしよう”という目論見で整備が進められたそうですが、我々が生まれた頃からの事業とは思えないほど立派な施設が並んでいました。
次に、デモンストレーションいただいたいくつかの研究開発を概略ご紹介します。
●「裸眼で自然な立体表示が可能な携帯型3Dディスプレイ」
表面が波打つように凸凹したレンチキュラーレンズを携帯画面に貼ることで複数の画像を組み合わせたと同様の効果が得られるもので、動いている蜂のデモ画像は本物と見紛うほどで、一同感激。ですが、mail等の文字情報も3D化されてしまう等の問題もあり、未だ実用化には至っていないそうです。
●「触力覚メディア」
音や映像に続くコミュニケーションとして、遠隔の物に触れた感じや力の感覚を、センサを介して体感できるもの。全員が体験させていただいたのですが、実際にビンをコンコンと叩いたり、ザラザラしたものを擦りつけたりした感じが手元のセンサに伝わってきて、「おぉ」と感嘆の声を上げてしまいました。こうした技術は遠隔医療やエンタテインメントにも応用できるとの事で、我々の想像は大いに描き立てられました。
その他、眼球の動きで操作できるイヤホンやGPSを活用した開発中のアプリケーションの紹介など、実際に研究に携わっていらっしゃる社員の方々が直接デモして頂いたこともあり、ベーシックな質問にもわかりやすく答えて下さいました。
休憩をとった後、WHARFと名づけられた、移動通信の将来ビジョンを実感できる体験型のショールームを見学しました。始めに、赤を基調としたお洒落な視聴覚室にて、今後の開発計画を内容としたビデオを視聴。常に10年先を読むことを念頭に、人を中心に据えたユビキタス社会の実現を目指すといった内容で、移動通信の無限の可能性を想起させるものでした。
次に、ショールーム内の“未来の街”を探検。未来の生活が豊かになるための様々な提案の体験を狙いとされており、各コーナーでは実際に1~2名がデモ機を操作してみました。
私は“未来の買い物”を体験。全ての物に超小型のタグがつけられているという想定で、買い物をする際、店の商品のタグと自宅の持ち物のタグとを情報通信で繋げば、個人の趣向に合わせた最適な商品提案が受けられるというコンセプト。子供服店で提案された3着のうち、私はピンクの花柄ワンピースを選択。娘へのバーチャル試着もでき、購入までの一貫した買い物が楽しめ、正に未来のユビキタス社会を体験できました。因みに、ワンピースは\35900!
また、“未来の先端技術の紹介”コーナーでは、指輪状の装置を指にはめ、耳穴に差し込んで聞く「指話」、携帯電話から微弱な電気を流すことで人体を通して音を聞くことができる「人体通信」など、近い将来、実用をみそうなデモ機を多数体験できました。
続いて、アンテナの測定をするための電波暗室を見学。20m×13m×13m(3階建物に相当)の巨大な部屋で、外側は鉄製、内側の全壁面には特殊な塗料を塗った四角垂形のスポンジがはりめぐらされており、100億分の1まで電波遮断できる仕組みになっているとの事。壁が迫ってきて我々を圧縮しそうな迫力で、不思議な感覚でした。
最後に、質疑応答でも盛り上がったのですが、移動通信サービスを提供する事業者でありながらこのような大規模R&D設備を持つのは、世界的にみてもあまり例がないこと、国際標準規格獲得にも力を入れているとの説明を受け、移動通信界をリードする誇りを感じた次第です。
時間の経つのも忘れるほど盛りだくさんの内容で、未来の移動通信を垣間見ることができ、参加者全員大満足の見学会ではなかったかと思います。ご多忙の中、貴重な経験の機会を提供下さったNTTドコモ R&Dセンタの皆様をはじめ、アレンジャーで同社の稲川さん、阿部事務局長に心より感謝の意を表します。